2018年2月19日、魚津市出身の料理人で構成される新川食文化研鑽会が考案した地元食材を使った冬のコース料理を試食することができる、「魚津の食」磨き上げプロジェクトの説明会が中板橋の「うおづや」で開催されました。
魚津という土地、観光の説明
「うおづや」は、人的交流がきっかけで2016年に中板橋に誕生した、魚津市のアンテナショップ・産直食堂です。普段は魚津の海風亭で修行した料理人の料理を堪能することができます。
「魚津の食」磨き上げプロジェクト、は魚津の観光資源を磨き上げ、観光客を増やすことを目的としています。観光客に魚津を訪れ、自然と食の素晴らしさを堪能して欲しいそうです。
魚津の観光の説明も行われました。魚津といえば蜃気楼で、風と光の束の間の芸術と呼ばれているそうです。また魚津の見どころに杉の巨木もあります。海岸の湧き水地帯には埋没林もあったり、5000年前の縄文時代に辿り着いた杉の子孫と考えられている、寒冷な高山に発見された杉もあるそうです。
魚津市は海から山までが直線で25kmに凝縮されています。7割が山、3割に暮らし、蜃気楼、埋没林、ホタルイカを三大奇観としてPRしているそうです。もともと魚津には飲食店が多く、今でも駅前には200店以上があります。全国住みやすさランキングでは6位にランクインしています。
海から山まで標高差は2,500mで、川は天然のいけすに注ぎ込み、多様な魚種を育てています。このように、豊かな資源から生まれた食文化が魚津の魅力です。魚津ばい飯はフィッシュワングランプリも獲得。カワハギ、ゲンゲ、昆布締めなども魚津ならではで、特に昆布締めはお土産グランプリを獲得しています。
「魚津の食」磨き上げ支援プロジェクトのメンバーとして参加したとやま観光推進機構は、日本版DMOとして観光庁から認定されています。DMOとはマーケティングとマネジメントを通じて観光地域づくりのかじ取り役を担う法人です。食を中心として魚津の観光振興を図りたいと考えているそうです。
コラボレーションしていめ法政大学の小川孔輔教授は「かつて地方と都市はモノを介する関係。本当の関係は商品を送り込むだけでなく地方で食べる、それが人間の幸せではないか。それをアグリフードツーリズムと呼んでいる」とコメントしていました。
新川食文化研鑽会、海野氏「地域の問題点を料理人の観点からどう解決できるか。勉強している」#魚津の食 pic.twitter.com/H2JvRM9ROw
— 焼きそばブロガー・コグレマサト【ネタフル】 (@kogure) 2018年2月19日
魚津の食を体験
当日のメニューです。
魚津の料理人がやってきて、それぞれの店で食べられる素晴らしい料理を振る舞ってくださいました。
お酒も宇奈月ビールに、富山の地酒が振る舞われました。
アミューズに汐ぶりと干し柿のかんざし。ぶりを丸干しした汐ぶり、それを干し柿で包んでいる。さらに周りは飴細工。上に刺さっているのは魚津のリンゴのワイン煮。結婚式で妻がつけていたかんざしを料理に。
テリーヌ。魚津の根菜類を使用。ゼラチンは使わずに押し型に重ねて詰めて押した。野菜の味わいを楽しんで欲しい。茶色い粉はホタルイカの沖漬けの汁を豆腐と合わせて煮て粉状に。白子、タラコ、甘エビなど。ネーミングに「冬の痛風」と入っている料理。
真鱈の昆布締め。煎り酒でつけた甘エビ。鰯の酢味噌。升の下にはほうじ茶がしいてある。少しずつお茶っぱがついてくることもあるが香りとして。野菜はビーツの酢漬け。真ん中は人参。醤油をつけずに。
宇奈月ビール。黒部宇奈月温泉駅のすぐそばで生産。ケルシュタイプ。味が濃厚で香りも良い。前菜の料理にもマッチする。
エビの殻でとった出汁。味噌汁にオカラを入れて飲んだのが郷土食であった。少し生クリームを入れてある。大豆の風味、まろやかなクリーム。紅ズワイガニのほぐし身を魚のすり身と合わせて。タイトルは「雪と暁」富山は山から日が昇る。雪から昇る暁が美しい。
イノシシの塊、藁で焼いて。個体差はどうしてもある。そういう意味で「共有」とタイトルしてある。ふきのとうを蕗味噌に。ウドと新玉ねぎ、ワカメ。どんぐりが豊作だったので独特の香りもあるので酢の物を。うんうん、独特の香りある。でも蕗味噌とうまくマッチしてる!
ゲンゲの竜田揚げ。ゲンゲは深海魚。元々はゲのゲと呼ばれていた。それを海風亭で竜田揚げにしたところ美味しんぼの富山編で紹介され県外からも食べる人が来るようになった。幻魚と書いて「ゲンゲ」淡白な白身の魚。足が早く鮮度が命ですが、中板橋の「うおづや」なら直送なので食べられるそう。コラーゲンがプリプリで美味い‥‥ゲンゲを食べるなら魚津か「うおづや」で。
魚津寒ハギの肝味噌だし茶漬け。肝を6日間熟成。融点を利用して血管と血を完全に抜いているから血の香りがしない、と。羅臼昆布出汁とカワハギからとった出汁。なんと贅沢な‥‥。
デザートには、八尾のおもち100パーセントの最中(これが貴重)。中は富山県産米「富富富(ふふふ)」のカスタードクリーム。上にのっているのはリンゴ。米感あるカスタード美味い。
新川食文化研鑽会の方からのお話。
「富山市より東側が新川地区。研鑽会を立ち上げたのは若い人間が戻った時に違和感を感じたから。お互いを認めばちばちやる関係がなかった。技術を教えあいやろうよ、と。農家、漁師など全てを繋げられるのが料理人。本物を伝えお客さんに満足してもらう地域を作りたい。地方の力も示したい」
魚津の食文化を体験して
ネタフルも何度も富山には取材も含めて足を運んでおりまして、こんなにたくさんの記事を書いています。
▼「魚津バイ飯」Fish-1グランプリで準優勝した魚津名物!バイ貝たっぷり富山湾の漁師飯
▼「魚津水族館(富山)」アクリル製トンネル発祥!大正2年から続く日本最古の水族館
▼「四季料理 華生」富山はジビエに鮎、ヤマメと山の幸も美味い!富山の山の幸が頂ける山幸メニュー
▼「富山湾鮨」富山湾で揚がる地魚を使った10貫で2,000円〜3,500円の寿司セット
▼聞いているだけで富山の魚が食べたくなりすぎて仕方なくなった美味しい魚の話「富山のさかな おもてなしフェア」レポート
素材そのものが美味しいので、特に手をかけなくても十分に富山の海の幸、山の幸は美味しいのですが、今回、料理人の創意工夫により、それが何倍もの美味さに変わるということが理解できました。
魚津駅前には大量の飲食店があるというのも、飲ん兵衛なオジさんたちには魅力的ですねぇ。北陸新幹線で行くなら、最寄り駅はお隣の黒部市にある黒部宇奈月温泉駅です。そこから魚津までクルマで約30分です。
↓当日のツイートをまとめたものもありますので、雰囲気を知りたい方はこちらもあわせてご覧ください!