T字カミソリの大手ブランドである「ジレット」に、髭剃り時の肌を守ることを徹底追求した新製品「ジレット プロシールド」が登場しました。カミソリによる髭剃りに隠された真実に焦点を当て、徹底開発された「ジレット プロシールド」の製品発表イベントに参加してきたので、レポートします。
ジレットアシスタントブランドマネージャー辻さんによる話は、T字カミソリ派だけでなく、電気シェーバー派も必読です。
「ジレット」の歴史を学ぶ 〜創業者はキング・ジレット
まず初めに、ジレットアシスタントブランドマネージャー辻さんより「ジレット」の歴史について教えて頂きました。これを知っているのと知らないのとでは、T字カミソリそのものについての理解が変わってくると思います。
「ジレット」の創業者はキング・ジレット。創業は1901年。100年以上の歴史を持つブランドです。「最高を、男の手に」というコンセプトで、現在はT字型カミソリでは大手ブランドとなっています。
1901年当時は電気シェーバーはもちろん、T字カミソリも存在していませんでした。ナイフのようなもので髭剃りをし、剃れなくなると研ぐというのが習慣でした。人間の手は上下には動かしやすいものの左右は難しく、また研ぎもよくはなく安全なものではなかった‥‥そこで、把手に刃をつけることで髭剃りしやすくしたのが、キング・ジレットによるT字カミソリだったのです!
こういう髭剃り、祖父が使ってました。懐かしい。
把手をつけることで剃りやすく、さらに刃の交換が可能です。安価で便利で常に取り替えられる髭剃り‥‥これが、T字カミソリの始まりでした。
そこから「ジレット」の髭剃りは進化を続け、2枚刃、3枚刃、首が上下するピボットなど革新が続きました。
辻さんの話を聞きながら、頭の中では「これ以上、カミソリがどうやって進化していくのか、進化の余地なんてあるのか?」と思っていたのですが、カミソリの進化の近代史を伺っただけでも「短期間にこんなに変わっているのか!」と驚きました。まとめておきますね。
2006年 フュージョンシリーズの登場
いち早く5枚刃を達成。刃が増えることで肌にあたったときの圧力が分散され、肌への負担軽減を実現。ただし増やせばいいというものではない。ヘッドが大きくなると剃りにくい場所もある。増やし方が大事。
2010年 プログライドの登場
刃の枚数は5枚。5枚中4枚の刃の厚みを究極まで薄くした。医療用のメスよりも薄い刃を採用しているため、よりシャープにひげを剃ることが可能に。「もはや剃るではない、滑らせる」というところからグライド(滑らせる)と命名。
2014年 プログライドにフレックスボールが搭載
左右にも首を振るようになった。三次元で動くので、肌に密着しどんな肌でも剃れるようになった。
2016年の進化はシェービング時の課題を解決!肌を守る
過去10年を見ただけでも、カミソリはどんどん進化していることが分かりました。しかし「ジレット」としては、まだまだ男性のニーズに100%答えられているとは思っていないそうです。このようなキング・ジレットの言葉が残されています。
「より良いものができなくなったときにカミソリをつくることをやめる」
そんな「ジレット」が次に目を向けた課題はなんだったのでしょうか?
「顔のひげを剃る際に、困っている事はなんですか」という調査結果から、その課題は浮き彫りになります。
明らかに突出した2つの課題がありました。
・カミソリ負けする、剃った後に顔がヒリヒリする(48.6%)
・剃り残しが出てしまう(46.0%)
それぞれ50%近いということは、2人に1人はこの課題を抱えているということになります。
「ジレット」としては「剃り残しが出てしまう」ことに関しては、上下左右の動きを実現したフレックスボールで改善できていると考えているそうですが、しかし「カミソリ負けする、剃った後に顔がヒリヒリする」ということに関しては「消費者のニーズを満たせていない」と気づきました。
確かに。あのヒリヒリ、嫌ですよね。
ここで告白しておきますと、ぼくは普段は電気シェーバー派なのです。T字カミソリを使っていた時期もあるのですが、どうしてもヒリヒリするのが気になっていました。ズバリ、課題を抱えた1人でした。
そこで「ジレット」はどうすることにしたのでしょうか?
「髭剃り」の実態を調査した
「ジレット」は、髭剃りの実態から調査しました。
カミソリで髭剃りしている方は、普段は何回くらいストロークしていると思いますか? そんな質問に会場からは「30〜40回」という言葉がありました。しかし、実態は平均170回ものシェービング回数だったのです!
そして、1度目のストロークと、同じところを2度目、3度目とカミソリを当てたストロークの回数(リストローク)も計測されたのですが、2度剃り、3度剃りのなんと多いことよ(↑黄色い数字です)。
シェービングフォームは最初の一回ではがれてしまうため、つまりリストロークするときはシェービングフォームがないことになってしまいます。最初の50回はシェービングフォームがついていますが、残りの120回の2度剃り、3度剃りでは肌が守られていないということが判明しました。
ちなみに、髭剃りしている面積は1,122平方cmと推測されています。世界的な顔の大きさの平均は387.2平方cmで、約3個分の顔を剃っているものの、そのうち、2個分は守られていないということになってしまうのだとか。
大げさですが、こういうイメージになります。
「ジレット」が解決すべき課題がはっきりしました。
– 顔3個分うち2個分はリストローク
– リストロークでは肌が守られていない
– シェービングの習慣は簡単に変えられない
「全く新しいテクノロジーが必要」ということです。
「ジレット プロシールド」誕生 〜新技術ジェルスムーサー
そして、肌を守るという課題を解決するために、4年の月日をかけ開発されたのが「ジェルスムーサー」を刃の前側にも配置したシステムです。ジェルスムーサーが、刃の前後で肌を守ってくれる仕組みです。
旧タイプでは刃の後ろにジェルスムーサーがありましたが、これだと肌を守ることはできません。そこで、刃の前にもジェルスムーサーが新搭載されることとなりました。
なぜ誰も気づかなかったのか? これは商品として達成するためには技術的に難しいものだそうです。
というのも、実は刃とジェルスムーサーの間に黒いゴム(マイクロフィン)があります。マイクロフィンが肌を少し引っ張ってヒゲを起こし、より剃りやすい状態を作り出している‥‥という、非常に芸の細かいことがこの小さなスペースで実現されています。
具体的にはマイクロフィンとジェルスムーサーを刃の前に置くのが難しく、この開発に時間がかかったということです。この技術を現時点で実現しているのは「ジレット」だけではないか、とのことでした。
ジェルスムーサーは高分子ポリマーです。ポリマー成分が水に反応して溶け出し、優しい剃り味が実現します。
フレックスボール機能も搭載、肌を強力に守るプロシールド機能も搭載、これでジレット史上最高に肌に優しいシェービングが完成しました。
かなり技術革新してしまったことがお分かり頂けたでしょうか?
本当に「プロシールド」は肌を守ってくれるの?
ここまで説明を聞いても「本当に肌が守られるの?」と考える人もいるかもしれません。そういう人は、こちらのデモをご覧ください。黒板デモと呼ばれているものです。
かなり力を入れて「ジレット プロシールド」を上から下に動かしているのが分かるでしょうか。普通の髭剃りだと、あの嫌な「キーーーーー!!」という音が出るのですが、なんと「プロシールド」は刃の前に搭載したジェルスムーサーのおかげで無音です。肌への優しさが分かると思います。
実際に「ジレット プロシールド」を使うとどうなのか?
記者発表イベントの会場では、実際に自分で「ジレット プロシールド」を体験する機会が設けられました。
隣に座っていたOkunoさん。
実際に自分で「ジレット プロシールド」を使いひげを剃ってみたところ感じたのは以下の点。
・確かに何度も同じところを行ったりきたりしてる!
・あごなどの角度のあるところも剃りやすい
・同じところを何度も剃ってしまったがヒリヒリしない
まさに「ジレット」が課題だとしていた点がクリアになっていました。
さらに試用版製品を頂いて週末にゆっくりとじっくりと試してみました。気をつけていても、剃り残しが気になり、何度も同じところをストロークしてしまいます。これはもう仕方ないと諦めるとして、だったら肌がヒリヒリしないように「ジレット プロシールド」を使うのが正解なのだと思います。
実際、かなり時間をかけてじっくり髭剃りしたのですが、全くヒリヒリしないんですよ。これにはちょっと驚きました。ヒリヒリするのがイヤで、電気シェーバーを使っていたというのに。
週末にじっくり鏡で自分と向き合いながら髭剃りすると「明日から月曜だぞ!」と気合が入る効果も感じてしまいました。電気シェーバー派の人にも、これは普段とは違ういい習慣になるに違いありません。
「ジレット プロシールド」の想定市場価格価格
想定市場価格は下記の通り。
本体 1,680円(税抜)
替刃4枚 2,480円(税抜)
替刃8枚 4,380円(税抜)
ジェルスムーサーの換え時は?
平均的な使用では一月が目安だそうです。ジェルスムーサーが発達することで、いずれシェービングフォームが必要なくなるのでは、という質問が会場から出たのですが、可能性はあるものの、あくまでもジェルスムーサーとシェービングフォームは別物と考えた方が良いそうです。
というのも、ひげは同じ太さの銅より硬いと言われており、シェービングフォームにはそれを柔らかくする機能も含まれているからです。って、ひげは銅より硬い!?
フュージョンと名のついたものは全ての替刃が使用できる
過去の製品である「プログライド」や「フュージョン」にも「プロシールド」を取り付けることができるそです。今のハンドルをそのまま使用し「プロシールド」を体感することが可能です。
「ジレット プロシールド」使い方Tips
最後に覚えておくとオススメの機能です。
ここに刃があるんです。本体裏側。驚きました。
鼻の下やもみあげなど、細かいところを剃りたい時に、この部分にあるピンポイントトリマーが活躍するそうです。確かに、鼻下に便利でしたね〜。
>>ジレット プロシールド(7月末までモニター募集中です!)