10社(者)のベンチャーが登壇し、サービスを競う「WISH 2011」のプレゼンテーションの様子をお伝えします。
(1)宅麺.com
人気ラーメン店のラーメンをお店でそのまま冷凍し、自宅で再現できる通販サイト。
Amazonは新しいライフスタイルを確立した。これがウェブサービスの定義と考える。宅麺.comかどんなライフスタイルを提供したいか? 並ばずにゆっくり家で食べられる。小さい子のいる家庭、妊婦さんにも食べて欲しい。
宅麺ユーザの35%は女性。女性もこってりやがっつりを食べたいはず。行列に並べない。そういう人たちにも食べて欲しい。今後は海外にも行きたい。宅麺のためにラーメン屋をオープンする、という世の中にしていきたい。
ラーメン店にも価値を提供していきたい。自分はネットリテラシーが低い。しかし誤解を恐れずにいうと、飲食業界の人は情弱だと思う。ラーメンは丁寧に作られている。彼らを世界の舞台に引きずり出したい。
グリッドキッチンという概念をラーメン屋に導入している。暇な時間に作ってもらって利益を出してもらう。今後はクラウドキッチンに。リスクを取らずに世の中の人に食べてもらえるシステムに。
(2)giftee
ツイッターなどで日ごろの小さなありがとうをギフトとして贈るサービス。現在は50店舗、100商品以上を掲載。マイクロギフトと呼んでいる。気軽に贈れるもの。
ソーシャルメディア上で「ありがとう」などがやり取りされているのに気付いたのがサービス誕生のきっかけ。ソーシャルメディアにより、より多くの人と繋がりを持てるようになった。カジュアルなコミュニケーションが行なわれている。
コミュニケーションがカジュアルになるが、ギフトはどうだろう? カジュアルなギフトを贈る方法がない。探すのが大変。住所が分からない。送料がかかる。
マイクロギフトをリスト化。ツイッターのアカウント、メールで送る。ツイッターでやり取りしているのが見えるのポイント。お店の広告にもなる。バイラルな効果が得られる。
新機能発表。今日からFacebookに対応。贈ると相手のウォールにポストされる。
(3)たべにこ
ツイッターと連動して友だちを気軽にご飯に誘えるサービス。「ひま」をアピールすることができる。
(4)iQON
ウェブ上で販売されているファッションアイテムを、雑誌で掲載されているようなファッションコンテンツとして、ウェブブラウザ上で作成することができるサービス。
ファッションコンテンツを投稿すると、見た人がそれを買うことができるのが特徴。新しいファッションの出会いを提供できる。コーディネイトされることで購入後がイメージできる。
(5)Snapeee
写真をデコって共有するiPhoneアプリ。カジュアルに感覚を共有するのが開発のコンセプト。2〜3年後のマーケットを予想して開発した。女性のユーザがさらに増えるのを見越して投入した。
現在50万ダウンロード(リリースから2カ月で)。日本よりも香港、台湾のシェアが高い。なぜ中華圏でヒットしているか? 日本のカワイイ文化に感度が高い。自分を取る文化がある。プリクラもある。マッチする部分があった。
最終的には日本の「かわいい」を世界に発信できるプラットフォームにしたい。日本から世界に飛び出すスタートアップのパイオニアになりたい。
(6)Grow
モノづくりしている人を支えるプラットフォーム。自身が音楽活動をしていた。コンテンツを発信する人は増えたけど、それを支える仕組みがない。知られないままのコンテンツも多い。
良いものを作れば収益が得られ、たくさんの人に知られる。それをよりソーシャルな形で実現するプラットフォーム。Growボタンを提供する。
1Growで1ドル。Growした人にはメッセージが届く。8割がクリエイターの手に渡る。現在50サイトで導入中。将来的に手数料は0にしたい。Growしてくれたユーザのデータからマネタイズしたい。
年内に8カ国語に対応予定。2012年末に300万ユーザを目指す。本日からどこにでもGrowボタンが設置可能に。
(7)Meity
ツイッターIDで指定された人に、限定公開のメッセージを作ることができるサービス。非公開なら気兼ねなく会話ができる。炎上しない。彼女に追跡されない。
飲み会、イベントのスケジュール調整機能も実装。メールの代わり、飲み会、イベントの連絡などに使われている。飲み会の後の写真のURLの周知に。寄せ書き。サプライズ企画の打ち合わせ。
写真アップロード機能を公開。メンバー以外には公開されない。写真は全て外部サービスに非公開状態でアップロード。今日からベータテスト開始。
(8)PeaTiX
イベント管理、チケット販売のプラットフォーム。イベントの管理は誰かに任せてコンテンツに集中したいところ。それを実現するサイト。
イベントを作成する。ソーシャルメディアで告知する。ワンクリックでFacebookにイベント公開も可能。
参加者はクレジットカード、コンビニ決済でチケットを購入可能。主催者はいつでもチケット状況を確認可能。
QRコードのチケットを持参、iPhoneアプリでスキャンしてチェックイン。イベントが無事に終了したらチケットの売上金から手数料を引いて銀行口座に。
無料イベントはの手数料は無料、有料イベントは6%。世界展開を考えている。
直近の30日間に300イベント、60%が有料イベント、1,200チケットが売れた。横浜FCも使っている。
(9)ボランティアインフォ
ボランティアのマッチング情報サイト。被災地ではウェブは役に立たないと言われてた。100人を被災地に呼び込むウェブの力。ボランティアしたい人と、ボランティアして欲しい団体をマッチング。ヤフーやgooなどに情報を提供している。
作りました、使って下さい、では使ってもらえない。自分たちで手を動かして、自分たちでどんどん情報を入力していった。現地に足を運んで情報を収集することもした。
量だけでなく質も重要になる。人の想いをデータベースに反映することで、ボランティア参加のハードルを下げる。
(10)Zaim
個人のマネー管理を再発明したい。素早く入力してどこからでもアクセスできる、みんなと比較できるソーシャルな家計簿アプリ。英語にも対応している。19貨幣に対応している。
Zaim OAuth APIを提供。OCN家計簿と同期。オープンなAPIなので、誰でも利用可能。
30万件の統計データから分かったこと。飲み会代の平均値。男4,949円。女性3,786円。ランチの平均値。一人暮らし743円。カップル808円。夫婦+子698円。
世界各国の400件のユーザからの声。編集したい、オフラインで使いたい、締め日を設定したい。ユーザのニーズを参考に機能拡張・縮小。
今後は写真アップ、Android版、ウェブ版をリリース。家計のアドバイスサービスでユーザ課金ができると面白いと思っている。
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各賞は次のように発表されました。
イノベーション賞:giftee
マーケット賞:Snapeee
ビジネス賞:宅麺
オリジナリティ賞:Zaim
AMN賞:giftee
WISH大賞:Zaim
個人的に“勝手ネタフル賞”を挙げるとすると「PeaTiX」です。これは使ってみたいと思いました!