コンテンツを構造化し再利用性を高める新機能コンテンツタイプ搭載のCMS「Movable Type 7」リリース

Movable Type 7

Movable Typeが5年ぶりのメジャーアップデートです!

Movable Typeは日本のブログ黎明期を支えたCMSです。ブログのためのツールとして登場し、企業などで多く採用され、やがて高機能なCMSとして進化しました。

もちろん今でもブログ用のツールとして利用できますし、ネタフルもMovable Typeで動いていますが、さらにCMS(Contents Management System)として進化したのが「Movable Type 7」です。

コンテンツを構造化し可用性を高める「コンテンツタイプ」という新機能が「Movable Type 7」の目玉です。なんだか難しそう‥‥と思ったぼくとあなたのために、エンジニアに質問してみました!

なお、ネタフルは2003年7月よりブログの運営を開始。当時よりMovable TypeをCMSとして使い続けています。当時のバージョンは2.xでした。

現在はシックス・アパートのサポートにより、Movable Type クラウドにホスティングされています。個人でアフィリエイトをする程度であれば、個人無償ライセンスで利用することも可能です。

「Movable Type 7」の目玉機能

「Movable Type 7」の目玉機能はこんな感じでまとめられています。

Movable Type 7

長らくブログのツールとして使ってきたのでそういう目で見てしまいがちなのですが、広義ではCMSです。ブログ「だけ」のツールではなく、広く便利にサイト構築できるツールとして、Movable Typeは進化してきたわけです。

Movable Type 7

5万社以上という導入実績を見ると、思ってもいなかったようなところでMovable Typeが使われているのであろうことが分かります。

CMSだったらMovable Typeでなくてもいいんでないの?

と思われるのも当然かとか思いますが、構築やカスタマイズをサポートするプロネットのメンバーや、PHPなどを記述することなくサイト構築できるセキュリティーなども、選ばれている理由となっているようです。

さてさて。

ぼくも長いことMovable Typeは使っていますので、CMSがどんな仕組みなのかといったことは分かっているつもりでしたが、どうも今回の「コンテンツタイプ」がよく分かりません。

「コンテンツタイプ」は何ができて、何が便利なんだろう? と疑問に思ったので、お友達のスーパーエンジニアのやぎちゃんに質問してみました(やぎちゃんは元シックス・アパート社員です)。

「コンテンツタイプ」ってなんなんですか?

やぎちゃん コグレ

コグレ(以下、コグ):コンテンツタイプってなんなんですか?

やぎちゃん(以下、やぎ): コンテンツを構造化(整理)したものといっていいかと思います。

コグ:ネタフルも構造化対象になりますか? ブログはあまり関係ない?

やぎ:ブログも構造の一つですね。

コグ:構造化すると何が良いんでしょうか?

やぎ:たとえば、画像を例にあげてみましょう。画像URL と alt テキスト、ものによってはキャプションといった要素で構成されますよね。

コグ:はい

やぎ:こういった構造を事前に登録(項目だけでなく、どうマークアップするか)しておきます。

やぎ:編集画面で、事前に登録した項目を選択し、データを入力するだけで、適切なマークアップができるようになります。

コグ:なるほど。普通にブログを書くのともまたちょっと違った書き方になるのですね。

やぎ:そうですね。

コグ:CMSですね。

やぎ:そう。なので、セミナー情報を例に解説しているわけです。

コグ:で、構造化しておくとデータの再利用がしやすいというメリットがあるということですか?

やぎ:はい。再利用しやすいですね。

コグ:なるほど。

コグ:「Movable Type 7」にアップデートすると記事を書く画面もそのように変わるんですか?

やぎ:そうすることもできます。

コグ:たぶん、実際の画面をみるとイメージしやすい気がする。

やぎ:Movable Type 7 の新機能「コンテンツタイプ」をつかって、写真ギャラリーサイトを構築する – Qiita

コグ:これは!

コグ:ブロガーが「コンテンツタイプ」を利用すると良さそうな場面て、どんな時なんだろうな‥‥。

コグ:いずれ電子書籍にしたい時とか?

やぎ:コンテンツタイプもそうなのですが、ブロックエディタ機能がブロガーにとってうれしいかな。

コグ:ほほう

やぎ:いままでのMovable Typeでは、本文欄・続き欄という、なんでもできる入力欄に、自由に記述していましたよね。

コグ:はい、そうでした先生。

やぎ:ブロックエディタ機能では、見出し、テキスト、写真といった項目を選択し、そこに値を入れていく形になります。

コグ:なるほどー。

やぎ:様々なブロックを組み合わせてつくっていくような、レゴブロックのような形になります。

コグ:ふむふむ。でもそれって後からどんな時に便利なんですかね?

やぎ:一番大きいのは、いままで以上に HTML を意識しなくてすむかな。

コグ:あーなるほど。HTMLを知らない人でも使いやすくなるってことですね。

やぎ:ネタフルの場合、グルメ系だと、入力する項目が決まっていますよね。お店の名前、住所、電話番号、Google Map 等。

コグ:はい先生。

やぎ:グルメというコンテンツタイプを登録し、ブログを投稿する際に、それを選択すれば、グルメ向けのコンテンツを記述するのに必要な項目が表示されるという感じですね。

コグ:ほほー!

コグ:カスタムフィールドかと思ったけど、それともちょっと違いますね。

やぎ:そう。

やぎ:カスタムフィールドは、記事なら記事に適用されますが、コンテンツタイプは構造を設計できるという点が違いますね。

やぎ:いままでは、すぐバージョンアップという話をしていたと思うのですが、Movable Type 7は全く違うものと考えていただくのがいいかも。フルに使うなら。

コグ:なるほどですね。

コグ:とりあえずブログとしてはそこまでは必要とせず、今まで通りで良いのかも。

やぎ:個人ブロガーが今すぐMovable Type 7にする必要はないと思います(ブログエディタとか環境が整うまで)。ですが、コンテンツタイプで構造を設計できたり、ブロックエディタで柔軟にコンテンツを記述できるというのは、ブロガーにとってメリットがあると思います。

コグ:なるほど!

やぎ:個人ブロガー以上に、オウンドメディアや企業サイトを運用している人には嬉しいですね。

コグ:と思いますね!

「コンテンツタイプ」はデータ入力と再利用が便利になりそう

「Movable Type 7」の特徴として「ブロックエディタ」もありますが、まさにブロックエディタを使って構造化された情報を入力することで、そのデータの再利用を容易にしているのが「コンテンツタイプ」というわけです。

「Data API」を使えば、それらのデータの出し入れを他のプログラムから行うこともできます。

ブロガーにはすぐにピンとこない話かもしれませんが、飲食店のレビューサイトを運営しているとか、何かの商品でアフィリエイトサイトを構築しているといった人ならば、その可能性が感じられるのではないでしょうか。

登録したデータの再利用も簡単となると‥‥ムフフフ、という人も少なくないのでは!?

興味の湧いてきた人は、ぜひ「Movable Type 7」をチェックしてみて下さい!

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MT 7では、コンテンツを要素ごとにコンポーネント化して再利用できる。コンテンツ内で他のコンテンツタイプを呼び出すこともできる。つまり、講師情報の場合なら、コンテンツタイプを使って格納しておいて、各イベントページで呼び出すことが可能となる。情報の流用がコピー&ペーストでない形で行えるので、コンテンツの可用性が高まる。

ウェブCMSの限界を超える–シックス・アパート、5年ぶり「Movable Type」新版 – ZDNet Japan

コンテンツタイプは、コンテンツの再利用や情報の更新を容易にする。PCサイトやモバイルサイト、アプリ、デジタルサイネージ、印刷物など、さまざまな配信形式への加工も可能だ。

ASCII.jp:脱ブログツールを目指すMovable Type 7の目玉「コンテンツタイプ」とは?

メリットはさまざまだが、大きいのはデザインとコンテンツの分離が促進され、コンテンツの使い回しが容易になること。たとえば、講師の情報が更新されたら、そこにリンクされたセミナーの講師情報も一斉に更新できるといったことが可能になる。

コンテンツタイプとは | CMSプラットフォーム Movable Type ドキュメントサイト

「会社情報」のように、蓄積されるコンテンツではないものはコンテンツタイプとして利用するメリットが少ないため、ウェブページとして作成したり、「ウェブページ」をコンテンツ対応として用意し、そのコンテンツの1つとして会社情報をを登録する。といった運用が良いでしょう。