2012年10月1日17時より、ソフトバンクとイーアクセスの経営統合に関する記者会見が行なわれました。
ソフトバンク孫社長によるプレゼンテーションです。
12年前。千本さんとエリック・ガンさんによりイーアクセスが始まった。ヤフーBBも。日本のブロードバンドを牽引したという自負。
その後、2005年に同時に携帯電話の許認可も受けた。直後にソフトバンクはボーダフォンジャパンを買収し、モバイルの世界に入った。
2007年には戦略提携。我々は同じタイミングで生まれ、市場競争しながら、協調してきた。競争はするが協調することを繰り返してきた。
志を共有しているならば、根っこから協力しよう、と。
今日の午後、正式に経営統合することを取締役会で承認された。
株式の交換比率、その他全てを盛り込んだ最終契約書に調印した。世界最高のモバイルブロードバンドを提供したい。
なぜ今か? ソフトバンクはKDDI、ドコモと激しく競争している。同じiPhoneを扱っているということでLTE競争が激しい。
「iPhone 5」のLTEは2.1GHz帯のみで提供されている。auと何が違うのか? 強いて言うならば、LTE基地局の免許取得の場所に差がある。
今日の発表の内容は汗をかくというレベルではない、別の角度の切り口。1.7GHzが鍵。何が大切か?
1.7GHzは世界標準バンド。既に、iPhone 5に1.7GHz周波数帯が入っている。LTE以前と以降では1.7GHzの価値が違う。
2013年3月までに2万局を作る予定。そこに加えて、イーモバイルの1.7GHzのLTEが約10,000、合計で3万局の基地局数になる。auより遥かに数も多く、電波の受けもよくなる。サービスエリアも一気に広がる。
1台のiPhone 5がソフトバンクとイーモバイルからも同時に電波を受ける。もちろん準備があるので数ヶ月はAppleとやり取り、テストが必要ではある。
イーモバイルで1.7GHzを受けていたスマートフォンは音声がサービスできなかった。それがソフトバンクの900MHz・2.1GHzの音声&データが使えるようになる。
まさにWin-Winの業務提携である。
WiFiを切ってLTEにした方が快適なくらい。我々のiPhoneでは1.7GHzも受けられるようになる。
以前からイーアクセスとは親しくしていたが、なぜこれほどまでに急展開?
キーワードは「テザリング」。ソフトバンクからラブコールした。「テザリング」が経営統合を、さらに早めた。
テザリング開始を前倒し。やらなければいけないが、できればやりたくないという気持ちはあった。ネットワークが障害を起こすリスクを拭い切れなかった。
今回は違う。少なくともそれだけの構えができた。従って前倒しをする。電波は無限ではないが、十分に基地局と電波の構えができる。
もう一つ。パケット定額5,460円に1.2GB/月超過時は制限をかける場合がある、と入っていた。あくまでも保険の意味合いだった。全国的なネットワーク障害を起こす訳にはいかないため。
パケット定額でデータ通信量は制限しないということと矛盾するのでは、と多くのユーザから寄せられた。
イーアクセスとの役員会を通るまではヒヤヒヤしていた。これが通らなかったが「検討はしたができなかった」となった。しかし、イーアクセスがオファーを受けてくれた。この制限は撤廃する。
1GB/3日間〜の制限は他社も同じ。何某かの安全弁は作っておかなくてはならない。
今日から速度制限はなし。
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経営統合の方法について。
株式交換による経営統合。年内に完全子会社化を目標。
ソフトバンクの株式からみても悪い話ではないと思っている。
1.7GHzのおかげで、ソフトバンクはより顧客を獲得しやすくなる。
ソフトバンクはLTEのWエンジン。
イーモバイルのブランドはしばらく残す。しかしバックボーンは共有していく。
基地局が一気に増える。
コールセンター、物流、色々なシナジーが出てくるだろう。
ソフトバンクはウィルコムも含めると、4位+3位=2位となる。9月の純増も30万人を超えている。
確実に今年度中に4,000万ユーザは超えられる。私のプライドとして「やりましょう」と公言したことは全て果たしている。
LTEの時代がきた。とにかく競合他社に負けないように一生懸命にやる。ソフトバンクとイーアクセスは、日本のブロードバンドの開拓者である。
今度はモバイルブロードバンドNo.1へ。
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千本氏より挨拶。
既に孫社長が話してくれているので、捕捉だけ。イーアクセスは12年前に、なんとか日本のインターネットの環境を徹底的に変えたいと、日本を世界有数のインターネット大国にしたいと会社を作った。
会社を作るたびに、孫さんと同じスタートを切った。ブロードバンド、モバイル。イーモバイルでは、音声よりはモバイルに特化した会社として成長してきた。
ソフトバンクは成長の過程で最大の顧客だった。そういうソフトバンクと競争しつつも、顧客関係を続けてきた。ここにきて、我々の成長オプションにいくつかの可能性が出てきた。
中でも、孫社長から最近になって熱意のある提案をして頂いた。それ以外にも各社から提案があったが、色々と考えた末に。DNAが一番似ているソフトバンク、ゼロからリスクを取って挑戦するDNAが共通してある。
1.7GHzとiPhone 5のテザリングが合致したら、自らの力だけで成長していくよりは、遥かに高い価値を生むのでは、という結論になった。
悩みもしたが、昼過ぎの緊急取締役会で、いくつかある中からソフトバンクの提案が最良となり、その後に契約書にサインした。
どちらにしろ、ソフトバンクの子会社になり、ソフトバンクの大きなモバイルブロードバンドの革命の戦略の中で、革命の道を押し進めていきたい。
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Q. 「iPhone 5」が経営統合に影響したのか?
A. 孫社長「イエス」
Q. auからユーザを呼び戻す施策は?
A. 孫社長「テザリングでは後手に回ってしまった。より良い、積極的なソフトバンクであると様々な施策を実行したい。詳細はこれから」
CSフォールバックという機能を同時に提供する必要がある。
Q. イーアクセスの業務提携に影響があるのか? 具体的には楽天との関係。
A. 三木谷さんとも話したが、変わることはない。むしろエリアが広くなる。
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懸念点だった【iPhone 5】孫社長「(データ通信量1.2GBの速度制限について)検討します」の問題がクリアされ、さらにイーモバイルの基地局の1.7GHzも使えるようになるなど、ソフトバンクの「iPhone 5」ユーザにとっては嬉しい発表になったでしょうか。
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