「ドコモ版iPhone」が発売されない2つの理由とは?

Tumblrしていた「ドコモ版iPhone」を困難にしている2つの技術的な課題 – INFOBLOGというエントリーに遭遇しました。

「ドコモがiPhoneを出してくれたら買うのになぁ!」 こういう意見をネット上でよく見かけるけど、NTTドコモがiPhoneを販売するには技術的に見て少なくとも2つの大きなハードルが存在するんだ。

うんうん、確かに「ドコモ版iPhone」に対する期待というのは、かなりありますよね。事実「もうすぐドコモからリリースされるらしい‥‥」という噂を聞いたこともありますし。

しかし!

そこには越えなければならない2つのハードルがある、と、そういうエントリーです。そのハードルとは、以下の二つです。

・MMS

Appleは今年3月に次期iPhone用OS「iPhone OS 3.0」でMMS(正式名称:マルチメディアメッセージングサービス (Multimedia Messaging Service)。海外で広く使われている携帯メールサービス)をサポートすると発表したんだ。このMMSがクセモノ。なぜならドコモは日本でMMSサービスを提供していないから。似たようなサービスとしてiモードメールを提供しているけど、これはMMSとは異なる別モノなんだ。

・FOMAプラスエリア

実はiPhoneは800MHz帯に対応していない。利用できるのは2GHz帯のみ。ソフトバンクの3Gサービスはすべて2GHzであるためエリア内であれば問題ないんだが、ドコモだとFOMAプラスエリアに入った途端iPhoneは圏外に。

「MMS」については、現状で対応しているのがソフトバンクのみだそうです。プロキシサーバでも対応できるのではないか、ということで、そんなに高いハードルではないみたいです。

問題は「FOMAプラスエリア」の方。

ドコモはFOMAの電波の周波数帯域に2GHzと800MHzの二つを使用している。市街地などのFOMAサービスエリアでは2GHz帯を使用し、山間部などの電波が届きにくい地域では800MHz帯を使用している。この800MHz帯がいわゆるFOMAプラスエリア。

つまり「iPhone」が800MHzに対応していないことから、現状のままでは市街地などのFOMAサービスエリアでしか使えない、ということになります。

エリアが狭いと言われるソフトバンクよりも、もっと圏外になる確率が高くなってしまうということに。

FOMAプラスエリア – Wikipediaによれば「都市部での2GHz帯を補完する目的でも使われ始めている」ということです。

サービスエリアを見てみます。

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確かに山間部では「FOMAプラスエリア」(黄色)が多いことが分かります。

ソフトバンクもサービスエリアを見てみます。

2009-04-21_1220.png

こうしてみると似たような分布に見えますが、山間部だけでなく地下街などでも「FOMAプラスエリア」が使われて始めているということを考えると、ドコモにしてみれば「iPhone」はあまり具合が良くないのかもしれません。

これをなんとかするには基地局を増やしたり建て替えしないといけないけど、ドコモがiPhone一台のためだけにそこまで設備投資するとは考えられないわ。

ということで、このエントリーを書かれた人も、あきらめてソフトバンクで「iPhone」を契約するに至ったということです。

もっとお金の問題とか、違う理由で「ドコモ版iPhone」が登場しないのかと思っていたのですが、実はこうした技術的な理由があったのですね。

auから「iPhone」登場の可能性が消える?というエントリーも書きましたが、ドコモで「iPhone」が欲しくてたまらない人も「iPhone for everybody」でしょうか?

追記:「iPhone 3GS」でFOMAプラスエリア対応しています。

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