「がんワクチン外来」開設の久留米大に申し込み殺到という記事より。
国内初の「がんワクチン外来」を1日開設した久留米大医学部(福岡県久留米市)が午前10時から資料請求の受け付けを始めたところ、申し込みが殺到、受け入れ可能な患者数を超えることが予想されたため、約1時間半後に中止した。
日本で初となる「がんワクチン外来」を久留米大医学部が開設したところ、申し込みが殺到しわずか1時間半で受付中止となったということです。
「反響があまりにも大きく、受け入れ態勢をオーバーした。治療を希望する患者に迷惑を掛けて申し訳ない」という担当者のコメントが紹介されています。
大学によると、HPと自動応答による電話で受け付けをしたが、午前11時半までに1600人を超え、大学の代表電話もつながらない状態になった。
この1,600人に対し、第一期に受け入れられるのはわずか60人だそうです。受付再開は半年後です。
そもそも「がんワクチン外来」がどういうものかというと、
同外来は患者の免疫特性に合わせてがんワクチンを投与する。自由診療扱いで治療費は高額だが、抗がん剤や放射線治療などに比べて体の負担が軽いという。
と説明されています。いわゆる第4の治療方法として知られる免疫療法のようなものかとも思ったのですが、それともやや違うのでしょうか。
癌ワクチン – Wikipediaでは次のように説明されています。
言い換えれば、癌ワクチンを投与することで宿主が本来持つ癌細胞を攻撃する免疫力を高め、免疫力によって癌を治療または予防する免疫療法である。
化学療法や放射線治療ができない場合には、こうした「がんワクチン」のような治療に希望を託す患者も少なくないことでしょう。それが臨床試験だとしても。
久留米大学のサイトを確認したところ「久留米大学がんワクチンプロジェクト」というベージがありました。
久留米大学がんペプチドワクチン事務局で研究している免疫療法は、免疫細胞(キラーT細胞)を増やし(活性化させ)、“がん”の再発や増殖を防止しようとする治療です。
がんペプチドワクチンは、がん細胞に特有のペプチドを患者さんに注射し、患者さん自身の持っている免疫の力を高めてがんの増大を抑えることを目指して開発されています。
すなわち、ペプチドによって活性化された、ペプチドに特異的なリンパ球などの免疫細胞がそれを敵と認識して働き始め、がん細胞を攻撃し排除するだろう、というのがペプチドワクチンの基本的な考え方です。
一般的に知られている免疫療法の一つのようですが、試験管の実験ではキラーT細胞が、がん患者のリンパ球から誘導もしくは増加することが判明しているとのことです。
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半年後に受け付けを再開する予定。めどが付き次第、大学のホームページ(HP)や専用電話0942・31・7350で案内する。