「ViXion01」自動でピント調節するオートフォーカスアイウェアを3日間試してみたレビュー

Vixison 01 title

50歳を過ぎ、年齢的にも身体の変化を感じるようになりました。特に顕著なのは、やはり「老眼」です。徐々に目に近いものが見えにくくなってきます。

普段は老眼も入った遠近両用のコンタクトレンズを使用しています。それでも手元は少しずつ、より見えにくくなってきます。以前は問題なかった、iPhoneで読むマンガも、小さい字が読めなくなりつつあります。

自分でも改めて驚いたのが、指先にトゲが刺さったときです。トゲを確認しようにも、自分で自分の指先が見えないのです。目の前にあるのに、自分で自分の身体を視認できないとういうのは、けっこう衝撃でした。

と、そんな加齢による肉体の変化を実感しつつある世代が興味を持つであろうデバイス「ViXion01」を試すチャンスを頂いたので、自分視点でレビューしてみます。

※最終版に近い状態の製品をお借りして3日ほど試しました。

「ViXion01」とは?

Vixison 01 000

「ViXion01(ヴィクシオン)」は「自動でピントを調節するオートフォーカスアイウェア」です。形状はメガネで、レンズ部分がオートフォーカスになっているのが特徴です。

Vixison 01 002

現在、kibidangoでクラウドファンディングが実施されており、既に3億3,000万円近い出資を集めています。プロジェクトは目標金額500万円を達成しており、締切も2023年9月30日と目前に迫っています。

Vixison 01 005

眉間にある正面のセンサーで対象物との距離を測定。レンズに通電して形状を変化させ、オートフォーカスするという仕組みです。

ぼく自身は両目ともに視力は0.1なく、普段は老眼対応の遠近両用コンタクトレンズをしています。度数は右 -8.50/左 -7.50で強度近視に分類されます。

コンタクトレンズやメガネで視力矯正すれば日常生活は問題ありませんが(逆になければ全く見えない)、老眼の症状が出てきたここ2年ほどは、手元が見づらくなってきました。

Vixison 01 008

遠近両用のコンタクトレンズを使用していますが、それでも一定の距離よりは近づくことができません。そこで「ViXion01」を装着してみると、見事に手元がクリアに見えるではありませんか!

最近は老眼鏡も使うことがあるのですが、それ以上に「ViXion01」だと近づくことができます。対象物にギリギリまで目を近づけるという体験を久しぶりにした気分です。10cmくらいまで近づいて、指紋が見えます。昔は当たり前のようにやっていたんですけどねぇ。

「ViXion01」の使い方

「ViXion01」は最新技術のメガネということで、おっかなびっくりで使い始めたのですが、使い方は全く難しくありません。専用アプリを使うと調整したデータを記録することができますが「ViXion01」単体でも問題なく使えます。

つるや鼻あては、自分で手で調整できます。問題はどうやって見え方を調整するか、です。使い始めればオートフォーカスしますが、最初に自分の視力用に調整(キャリブレーション)する必要があります。

つるを開けば電源オンです(充電はUSB-C)。

Vixison 01 007

右側のこめかみあたりにあるダイヤルを前後に調整すると、両目のフォーカスが移動します。まずは左目を閉じて右目を調整します。

Vixison 01 009

続いて、左目の上にあるダイヤルを押しながら、先ほどのダイヤルを前後すると、左目のみフォーカスが移動します。今度は右目を閉じて左目を調整します。

これで調整は完了です。最初はおっかなびっくりですが、すぐに慣れて、調整も簡単にできるようになります。

専用アプリもある

手動でのアナログ調整だけでなく、アプリでフォーカスを調整することもできます(専用アプリは開発中)。

Vixison 01 app 000

アプリが難しいという人は手動で良いでしょうし、アプリのほうが細かい調整ができて良いという人もいるでしょう。使いやすい方を使えば良いと思います。

Vixison 01 app 001

Bluetoothで接続したら、スライダーで調整(キャリブレーション)ができます。キャリブレーションした情報は保存することができるので(今のところ3件)、複数人で試すこともできます。

「ViXion01」を試した感想

まず第一に、目に関するデバイスということもあるので「ViXion01」が向くかどうかというのは個人差があると思います。

ある程度は自分で調整できるようにはできていますが、メガネですから、合う合わないは当然あります。ぼくは頭デカ族&まつげ長い族なので、ベストポジションを探すのにやや苦労しました。

ですので、まずは実際に体験してみることをオススメします(体験会情報はコチラから入手できます)。

Vixison 01 019

それでは短い期間ではありますが、自分で「ViXion01」を試してみた感想です。

恐らく「ViXion01」が本領発揮するのは、メガネユーザーだと思います。なぜかというと、付けたり外したりが肝だと思うからです。

ぼくもコンタクトレンズを外して裸眼で試したときに、あまりにもクリアかつ瞬時に、遠くも近くもフォーカスするのに驚きました。コンタクトレンズの上から使うのとは全く違う体験でした。

使用感としては、通電してフォーカスが調整されているはずなのですが、そうやってレンズが変化していることは使っていてもほとんど分かりません。自然に遠近が見えます。シュッとフォーカスが変わることを感じるときもありますが、むしろ瞬時によくそんな変化をしていると感心してしまいます。

Vixison 01 018

とはいえ、どうしてもレンズがまだ小さく視野が狭いので、広い画面を使うPC作業などの用途には不向きのような気がしました。13インチくらいのノートPCなら50cmくらい離れてひと目で視認できますが「ViXion01」を使っての作業が快適に感じるかどうかは人によると思います。

むしろ「ViXion01」が向いているのは、プラモデルを作るとか、針での縫い物であるとか、手元で何か作業するときが最も使い勝手が良いのかな、と感じました。

Vixison 01 022

一点を見つめて集中して作業しつつ、たまに説明書を見るような視線を外す必要があるような作業にはピッタリなのではないでしょうか。

視野を含めた道具としてのイメージはこんな感じに近いと思いました。

B07BGDHNPF

ただし「ViXion01」は拡大鏡ではないので、そもそも原理が違うのと、圧倒的に軽い、オートフォーカスするという大きなメリットがあります。

どんどん調整しながら使いやすい

本体が軽い、モーターなど機械的にレンズを調整しているわけではないなど、詰め込まれている技術的にも、とても興味深いものでした。メカメカしているのかと思いきや、トータルでとてもスマートなつくりになっているようです。

アプリで調整するだけでなく、慣れると本体のスイッチでフォーカスを合わせるのも簡単です。最初のうちは掛け方や体調などで設定を変えたくなることもあるでしょうし、そういうときには本体スイッチでススッと変更してしまうのも楽でした。

本体だけでも十分に使えるので、アプリが苦手な人でも大丈夫だと思います。慣れると手動の調整も簡単です。

Vixison 01 020

実際に試していると、人間は遠くと近くでは思っていた以上に瞳の向きや位置が違うものだと思いました(近くだと寄り目になる)。

だから、レンズ部分を左右に動かして、瞳孔間距離(IPD)を調整するのもポイントです。IPDも固定するのではなく、こちらもどんどん見やすいところに調整するのが大事だと思いました。かけたまま簡単に調整できます。

以上が、ド近眼で普段は遠近両用のコンタクトレンズを使用している、ぼくの感想です。繰り返しになりますが、個人差があるデバイスだと思うので、興味を持ったら、まずは実際に試してみることをオススメします!

きっと様々な活用シーンが、思ってもみないようなところにありそうだな、とも思いました。

ViXion01 製品情報 – ViXion(ヴィクシオン)株式会社

ViXion01|オートフォーカスで眼のピント調節をサポートする次世代アイウェア(By ViXion株式会社) – Kibidango

@ViXion_inc