工藤慎太郎の「シェフ」が頭から離れない

ぼくと側近の田中アップルがいきつけにしている店に、有鳥天という焼鳥屋があります。

マスターはまだ客商売に慣れていなくて、忙しくなるとテンパったりしています。かえってその素人っぽさがぼくと田中アップルの楽しみだったりします。毎日仕入れる地鶏を備長炭で焼いた焼鳥は絶品です。ぼくのおすすめはぼんじりです。

さて、この店には昨年の12月から足繁く通っているのですが、一つものすごーく気になることがありました。それは有線です。店ではいつも同じチャンネルがかかっていて、J-POPのヒットソング的なところが流れているのです。

その中で、初めて店を訪れてからのこの半年、必ずかかる曲があります。J-POPの中に混じると非常に違和感があり、田中アップルといつも話題にしていました。「誰だコレ」と。とにかくその有線以外では耳にしたことがないのですが、行くと必ずかかるのです。

曲調としては四畳半フォークです。尾崎豊の影響もあるんじゃないかと思われる暗い歌詞。いつも気になってました。「誰だコレ」。

で、ついにですよ。側近の田中アップルが、どうやって検索したのか知りませんが探し出してきてくれました。

はい、ドン。

コロムビアレコードの工藤慎太郎です(動画の工藤慎太郎)。工藤慎太郎オフィシャルサイト

最初の音楽体験は父親の車の中で聴いた松山千春などのフォークソング。15歳の頃からギターでオリジナル曲を作り始め、1996年よりロンドンに留学、2年間の滞在中毎日のように路上やパブで地元のミュージシャンとセッション、ライヴを行う。帰国後ストリートLIVEを中心に活動を開始。2004年より出身地川口にて路上コンサート開始。当初2〜3人だった観客は1年間で300人に膨れ上がる。2005年、テレビのオーディション番組にて番組史上初となる10週勝ち抜きを達成。2006 1月25日 「シェフ」にてメジャーデビュー。

ロンドンじゃない! 有線でいつも聴いているのはロンドンテイストじゃないよ! 間違いなく松山千春テイストです。しかも川口出身てことで、けっこう我々と近いところにいたりするのが驚きです。

で、さらに田中アップルが歌詞も見つけてきてくれました。それが「シェフ」です。デビュー曲だったのか。

ちょっと見てみると‥‥

菓子パン1個の暮らしにどうにか終わりを告げたくて
目黒のイタリヤ料理屋で働くことにしたんだ

ね。ロンドンじゃないでしょ。イタリヤな訳ですよ。

で、「シェフ」が言う訳です。

「慎太郎いつものいつものやつ歌ってくれ
お前を皿洗いで雇ったわけじゃない」

「いつものいつもの」ですよ。これ、絶対に21世紀じゃない。ロンドンでもなくて、やっぱり70年代の四畳半フォークですよ。しかもこの「シェフ」が本当にいるのかどうかも激しく気になります。

「シェフ」は続けます。

「生き方にレシピはねーんだよ」

「シェフ」はミスチルが好きみたいですね。

ということで、あまりにも有線で聴いたために、恐らくもうカラオケで歌えるくらいだと思います。

「田中アップルいつものいつものネタ拾ってくれ
お前を皿洗いで雇ったわけじゃない」

なぜこの時代に生まれたのか。not 21世紀テイストの詩人「工藤慎太郎」をネタフルは応援しています!

Amazonのカスタマレビーを見ていたら、

テレビ埼玉(現・テレ玉)で放送されているオーディション番組、「GOGOうたじまん」で見事10週勝ち抜き、デビューしたフォークシンガー。

と説明されていました。

な、なんだってー!

あの番組で10週勝ち抜いた人がいたのか。すげぇぜ、工藤慎太郎!

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