「OLYMPUS AIR」ワクワクせざるを得ない!ボディケースやアプリを開発できる147gのオープンなカメラプラットフォーム誕生

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渋谷で開催された「OLYMPUS AIR」のブロガーイベントに参加してきました。オリンパスの開発者の方たちから話を伺い、さらに発表された製品にも触れることができました。似たよう製品が他社から出てたけど‥‥と思ったのですが「OLYMPUS AIR」はオープンなカメラプラットフォームという思想の基に「ちょっと何か参加したいな」という気持ちにさせられる、不思議なカメラでしたよ!

「OLYMPUS AIR」はどんなカメラか?

オリンパスからは、アプリで楽しむ一眼画質、オープンプラットフォームカメラ「OLYMPUS AIR(エアー)A01」を発売というニュースリリースが出ています。

「OLYMPUS AIR」は連動したスマートフォンによる直感的な操作で、撮影から画像の加工、SNSへのアップまでを行なえる新しいコンセプトの製品です。最近はSNSなどの投稿、活用の普及により写真撮影の頻度は以前とは比較にならないほど増え、写真を身近な存在と感じているユーザーが増加しています。一方では単なる記録ではなく、クオリティの高い、いわゆる一眼画質が欲しいという要望も増えてもいます。

マイクロフォーサーズマウントのカメラのボディが「OLYMPUS AIR」とでも言えば良いのでしょうか。レンズキットも発売されますが、ボディのみでも発売されます。本体には三脚穴などとシャッターがあるだけで、液晶にはスマートフォンを使います。撮影するだけなら、スマートフォンで液晶画面を見る必要はありません。ただ、シャッターを切るだけ。

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オリンパスでは2014年から「OPC Hack & Make Project」というプロジェクトに取り組んでいるそうです。「OPC」とはなんぞや? 「Open Camera Platform」の略称で、プラットフォームとしてのカメラを、開発者やデザイナー、もちろんユーザたちと一緒に育てていこう、としているそうです。

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昨今はスマートフォンの普及で、写真を撮る人は増えているものの、一眼レフの市場は思ったほどには広がってないのだとか。そこで、オリンパスも何かしなくては、というところから生まれたのが「OPC Hack & Make Project」で、そこから生まれた製品が「OLYMPUS AIR」です。

最初、どんな人がターゲットかよく分からなかったのですが、というか、恐らく購入するのは30〜40歳くらいの男性ではないかと思ったのですが、写真が好きな、いわゆるカメラ女子と呼ばれる人たちもターゲットだそうです。

一眼レフは持っているけれど、日常的に持ち歩くには重いと思っているような人たち、そこにはぼくも含まれる訳ですが、でもいざという時にはキレイな写真を撮りたいというニーズはある。あるはずで、そこにどうリーチしていくか、というのがポイントなのかもしれません。

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「やっぱりスマートフォンでいいや」となりがちなことも想像できるのですが、そこは「OPC Hack & Make Project」の良さが活きるところで、アプリ開発のSDKや本体の3Dデータが公開されているので、オリジナルのカメラアプリや、3Dプリンタで印刷する専用のケースのようなものが登場し、カメラの生態系として盛り上がる可能性があると感じました。とうか、そこになんとかして加わってみたい! と思いましたヨ。

これまでのカメラメーカーというと、完成品をユーザを届けるというのが当然のことでしたが「OLYMPUS AIR」はあくまでもモジュールの一つで、それを使って作り手と使い手で新しいカメラのあり方を模索していく、ということです。

「OLYMPUS AIR」実際にどんなことができるのか?

可能性は感じるけどイメージが湧かないという方もいると思います。ぼくもそうでした。でも各種デモを見て「これは面白そうだ」と感じました。それを紹介します。

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以前からプロジェクトに参加していたクリエイターの方が作った、天井のレールを移動するカメラです。

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ゲームのようなコントローラーで操作します。

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街角に設置するスパイカメラ。

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セルフプリクラを構築してしまった人。写真のダウンロードだけでなく、プリンタまで備えているそうです。アプリを開発した人は「光っているので顔認識が難しかった」と開発秘話(?)を語っていました。

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三脚穴があるので、Bluetoothの届く範囲内であれば、手軽にリモート撮影することも可能です。

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ちなみに、スマートフォンを取り付けるアタッチメントはiPhone 6 Plusサイズまで対応しています。クルマの車載スタンドみたいな使い勝手です。

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iPhone 6 Plusを装着したところ。大きい!

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マイクロフォーサーズマウントですので、対応しているレンズを取り付けるとこんな感じになります。いいレンズで撮影した写真は、当然ですがキレイでした。

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3Dプリンターで印刷したiPhoneケース。まんまカメラじゃないですか!

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これも面白いと思ったのですが、写ルンです風ケースです。ファインダーを覗いて撮影します。液晶画面はなし。なんだか懐かしい気分になりますよね。

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ちなみに、本体上部がシャッターです。本体とケースは三脚穴で固定します。

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吸盤。どこか壁に取り付けることができます。

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こうしたアクセサリが作れることが分かると、より「OLYMPUS AIR」の可能性の広がりが想像できませんか? 「OLYMPUS AIR」用のケースの3Dデータを販売し、それを3Dプリンターで印刷するなんてビジネスもありそうですよね。

「OLYMPUS AIR」使い勝手は?

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本体内にmicro SDカードスロットがあり、撮影した写真はそこに保存されます。micro USBポートがあり、給電できます。PCに接続して写真を吸い上げることも可能。

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アプリを使い、スマートフォン側に写真を保存することも可能です。

まずは8種類のアプリが登場するそうですが、さらに使い勝手の良いものだったり、機能の特化したものだったり、様々なアプリの登場が良さそうされるのも楽しみなところです。

個人的にはバッテリーの持ちが気になったのですが、ライブ撮影をしていると2〜3時間程度だそうです。枚数でいうと300枚程度。多いか少ないか意見が分かれるところかもしれませんが、モバイルバッテリーで充電できるので十分かと思います、個人的には。

電源ボタンを軽く押すとスリープモードになります。その場合は、アプリを起動すると電源オンになります。

電源ボタンを長押しすると、シャットダウンします。その場合でもBluetooth LEで接続はしているので、アプリからコネクトすることで、本体が起動するそうです。

スリープ状態での待機時間は6時間程度とのことでした。繰り返しになりますが、モバイルバッテリーで充電が可能です。

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本体に手振れ補正機能は入っていませんが、センサーサイズが大きいので手振れには強いとのことでした。どうしても必要な場合は、手振れ補正機能入りのレンズを使うこともできますしね。

現在はスマートフォン経由での操作となりますが、将来的にはファームウェアアップデートにより、ネット経由で直接コントロールも可能にすることを計画しているとのことでした。

起動の様子を動画撮影しました。

ワンタッチでスムーズに起動します。起動は速いと感じました。動画では長押しでシャットダウンしていますが、ワンタッチで、やはりスムーズにスリープすることも可能です。

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いわゆるオリンパスのデジカメぽい撮影が可能なアプリもありました。プログラムモードなどのモードが切り替えられます。

「OLYMPUS AIR」の価格は?

製品名は「OLYMPUS AIR A01」となります。販売はオリンパスのオンラインショップ限定となります。製品構成はボディのみとレンズキットの2種類です。

「OLYMPUS AIR A01ボディー」(ホワイト/ブラック)
33,800円 (税込み 36,504円)

「OLYMPUS AIR A01 14-42mm EZレンズキット」ボディー(ホワイト/ブラック)+「M.ZUIKO DIGITAL ED 14-42mm F3.5-5.6 EZ」
49,800円 (税込み 53,784円)

1/16000超高速シャッター、最高10コマ/秒の高速連写、最大3倍のデジタルズームとデジタルテレコン機能。本体重量は147gです。

発売日は2015年3月6日です。

「OLYMPUS AIR」雑感

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いわゆる一般の人が買うカメラかというと、そうではないような気もします。ぼくの場合も、ほとんどの場合はiPhoneのカメラで間に合ってしまいます。でも旅行に行った時とか、それだと物足りないことがあるんですね。かといって、そのためだけに一眼レフを持って行くのもな、という時もある。

スマートフォンで十分な人には必要なカメラではないと思います。一眼レフをガシガシと持ち歩く人も、必要ではないかもしれません。非常にニーズとしては薄いのかもしれませんが、現状では「スマートフォンじゃ物足りない時がある」という、ちょっと写真が好きな人向けかもしれません。

が。

これが「OLYMPUS AIRがあると楽しいよ」に、世界が変わっていく可能性があると思うんですね。それが「OPC Hack & Make Project」というプロジェクトです。ただ撮るだけじゃない世界。

それは、加工するアプリかもしれない。
それは、かわいらしいケースかもしれない。
それは、ハイアマチュア用のアプリかもしれない。
それは、自走するハードウェアかもしれない。

そこはまだまだどうなるか分からないし、予想もつかない世界なんですけど、使い手が伸びしろをどんどん広げていける、というところには非常に共感します。個人的には、写ルンです的なケースの世界に可能性を感じちゃうなぁ。

「OLYMPUS AIR」の可能性を広げる世界の一員になれたらいいなぁ、なんて今は思っているところです。