ここ数年の星野之宣作品は「宗像教授異考録」「星を継ぐもの」「未来からのホットライン」など意外に読んでいたのですが、どれも自分の想像を超えていく物語なので興味深いです。世界観に引き込まれるというか。「レインマン」も、単なるオカルトではない物語になっています。
主人公・雨宮瀑は母の死を契機に、超心理学研究所に勤める。そんな時、瀑に瓜二つの男が瀑の目の前で自殺。そして精密検査で瀑には脳のないことが判明した。連続する怪事件の意味は? 宇宙を、そして歴史を経巡り物語を紡いできた巨匠挑む、「人間に秘められた力」の世界!?
そう、脳がないんです、主人公の。それでいて何か特殊能力を持っていそうな話で、連載の方では脳が神を作り出したのではないか、という展開になっていて、それでは脳のない主人公はどうなるのだ? という話の流れになるのでは、と予想していますが、その通りになるのかどうか。
脳がないということは、誰がどこで何を考えているということになるのか‥‥考えさせられるストーリーです。大人の楽しめるオカルト作品です。