東大合格激増させた灘校伝説教師の授業は文庫本1冊読むだけという記事より。
文庫本1冊を3年間かけて読み込む授業を行なう伝説の国語教師がいた。生涯心の糧となるような教材で授業がしたい、その思いは公立校の滑り止めに過ぎなかった灘校を、全国一の進学校に導き、数多のリーダーを生み出すことになった――。
灘校というと日本屈指の進学校というイメージしかないのですが「公立校の滑り止めに過ぎなかった」という時代があったのですか。なるほど。
その灘校で「文庫本1冊を3年間かけて読み込む授業」を行った、伝説の国語教師がいたのだそうです。
前例なき授業を進めたのは橋本武先生、御年98歳。50年間教鞭を執り、昭和59年に同校を去った。橋本先生が退職して27年を経た。だが、今も「銀の匙」教室は、伝説の授業として語り草となっている。
その橋本先生は「国語力のあるなしで、他の教科の理解度も違う。数学でも物理でも、深く踏み込んで、テーマの神髄に近づいていこうとする力こそが国語力です」と語っていたそうです。
当たり前なんですけど、問題をきちんと理解できるかどうか、というのは大きいですよね。それは「“学ぶ力の背骨”」である、と。
「先生、このペースだと200ページ、終わらないんじゃないですか」という生徒には‥‥
スピードが大事なんじゃない。すぐ役に立つことは、すぐに役立たなくなります。
と。う‥‥いい言葉‥‥。
この時に授業を受けた東大総長・濱田純一氏は「僕らが大学で原書講読をやる時のやり方と似ています。一つの言葉に拘ることでその背後に広がる概念や感覚や考え方と繋がってくるわけです」と語っています。
すぐ役に立つことは、すぐに役立たなくなります。