日産のEVカー「リーフ」について、東京モーターショーでお話を聞いてきました。日産ブースの掲げているテーマは「ゼロ・エミッション」です。
「ゼロ・エミッション」というキーワードは初めて目にしたのですが、走行中にCO2やその他の排出ガスを一切出さない、という意味で使われているそうです。
5ドアハッチバックで、デザイン的にはTIIDAやNOTEの流れを汲んでいると思いました。
ホンダとトヨタのハイブリッドカーはデザインがよく似ていますが「リーフ」はEVコンパクト、というイメージです。
EV、つまり電気で動くクルマというと後続可能距離が気になるところですが、会場にはこんなシステムが用意されています。
郵便番号を入力すると‥‥
そこから航続可能エリアが表示されます。ぼくは自宅から試してみたのですが、関東近県は片道だったら行けそうです。
個人的に興味をそそられたのは、ネットワーク連携です。
iPhoneなどの携帯電話から、エアコンを起動するといった遠隔操作や、バッテリ残量などが分かるそうです。
これは、クルマが常に(動いていないときでも)「グローバルデータセンター」と通信していて、オーナーはウェブ経由でその情報を見たり、遠隔操作を行なうことができるということです。
ちなみに、どういう通信回線を使うかは未定とのことでした。
実際にiPhoneの画面も見せて頂きました。
バッテリモニタなどの機能があることが分かります。iPhoneからクルマを操作するなんて、ちょっと未来を感じますね。iPhoneの場合は専用アプリが使いやすそうですが。
電気自動車というと充電が気になるのですが、走りながら地面から充電するという未来予想があったり、開発中の非接触で充電するといった方法も展示されていました。風力発電なども検討されているようです。
ちなみに「リーフ」では給電プラグが前面にあるのですが、これはアメリカでは前向き駐車が一般的であることから、こうなっているそうです。
また、前で給電していればさしたまま発進しない、モーターが前にあるので、という複合的な理由もあるそうです。
ちなみにモックアップの中に太いオレンジ色のパイプで給電していることが分かるのですが、実際にこのくらいの太さのものが入っているそうです。展示用に太く分かりやすくしているのではないそうです。
当たり前ですが、爆発したり燃えたりしないように、安全性には十分な配慮がなされていると、担当の方がおっしゃってました。
EVではこれまでにないリチウムイオン電池が搭載されているので、ちょっとそのあたりの疑問も聞いてきました。
・リチウムはリサイクルできないがリチウム電池はリサイクルする
・リチウムが枯渇することはないだろう
・しかし南米、中国にコントロールされるとまずいという懸念も
・充電回数がふえると航続距離が短くなる
・20%から30%くらい目減りする(5〜10年で)
目減りしたバッテリの交換サービスのようなものがあれば長く乗れると思ったのですが、現時点ではそういうサービスは予定されていないそうです。
しかし、エコに意識の高いオーナーが多くなるでしょうから、できるだけ長く乗るということを考えると、そのようなサービスが提供されると良いのでは、と思いました。
よく、リチウムイオン電池の使用条件で温度が記されているのですが「リーフ」に関しては、寒いところよりは暑いところの方が劣化がしやすい、というお話でした。
「リチウムイオン電池は生物なので」という理由だったのですが「生物!」と、ちょっと驚いてしまいました。もちろん、強いて言えば、という話だと思うので、通常の使用環境ではさほど問題はないのでしょうが。
電気自動車というと軽いイメージもあるのですが、トルクは3,000ccクラスだそうです。しかも、いきなりトルクフルになるので加速も凄いらしいです。
ツイッターで「インパネ周りを見たい」というリクエストがあったので頑張って撮影したのですが、ちょっと奥までは見えないですね。
充電する場所の問題とか今はありますが、きっとガソリンスタンドやコンビニで、普通に充電できるようになるのだろうなぁ、と思いました。そんな未来は遠くない、ですね。
追記:
日産の給電プラグは前面ですが、トヨタは横です。