大手出版社、ブックオフ株取得の真意とは?

“稼ぎ頭”死守? 出版連合、ブックオフ筆頭株主にという記事より。

大日本印刷と講談社、小学館、集英社の大手出版3社は13日、中古本販売チェーンを展開するブックオフコーポレーションの株式約31%(議決権ベース)を取得すると発表した。

「新刊本で商売している出版社にとって、読み終わった新刊本を買い取り、中古本として大量に売りさばくブックオフはライバル的存在」ということで最初「これはブックオフ潰しなのでは?」と思ったのですが、果たしてどうなのでしょうね。

この記事では、何人かの識者のコメントが紹介されています。

出版ニュース社の清田義昭代表は「鬼っ子的な存在だった」と指摘しつつ、

ただ、ブックオフという業態は出版不況の中ではまだまだ魅力的なビジネスモデル。出版社側も完全につぶしてしまおうとは考えていないはずだ。今回の株式取得によって、中古本市場をうまくコントロールしていこうということだろう

とコメントしています。

ある出版関係者は次のように。

(株式を取得する)出版3社は文芸というより、漫画のつながりが大きい。ところが(稼ぎ頭的な存在となっている)漫画の単行本はブックオフの中でグルグル回っている。こうした状況を打開し、漫画の利益をきちんと回収できるシステムを作るのではないか

マンガ喫茶の方が影響があるような気もするのですが、どうなんでしょうね。

筆頭株主となる大日本印刷は「業界全体の共存関係を構築し、成長を実現するため」とコメントしています。

利用者からしてみれば、これまでの利便性やお得感がなくなるのが心配ですね。どうなりますか「鬼っ子」は。

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