ブリタニカ百科事典の書籍版、244年の歴史に幕ということで、244年の歴史を持つ「ブリタニカ百科事典」が書籍版から撤退することになったそうです。
244年の歴史がある英語の百科事典「エンサイクロペディア・ブリタニカ」が、書籍版としての出版に幕を下ろすことになった。デジタル化の波を受け、インターネットを通じた電子版に全面移行する。編集・販売元が13日発表した。
「ブリタニカ百科事典」は1768年にスコットランドで発刊、2010年版が最後になるとのことです。
残り約4,000セットの在庫を販売し、書籍版が終了となるということなので、記念に買う人も少なくないかもしれませんね。全32巻で1,400ドルです。
ブリタニカ百科事典、書籍出版を終了へによれば、スコットランドの彫刻家アンドルー・ベルと印刷工のコリン・マクファーカーが印刷したのが始まりだそうです。
執筆者には「ノーベル賞受賞者のキュリー夫人やアインシュタイン、自動車メーカー、フォード・モーターの創業者、ヘンリー・フォードら」がいました。
同社によると、販売のピークは1990年で、12万セットが売れた。しかし、その後は急激に落ち込み、2010年の印刷量は1万2000セットで、しかも3500セットが売れ残った。
オンラインの方が検索もしやすいですし、情報もアップデートされますからね。現在は教育プログラムや電子書籍の販売が、総収入の85%を占めるまでに成長しているそうです。
残り15%の収入が事典関連のコンテンツによるもの。非公開の同社は総利益を明らかにしていないが、過去8年間は黒字で、毎年「数百万ドル」を生み出しているとしている。本のブリタニカ百科事典の売上高は全体の約1%にすぎない。
もはや、書籍の会社ではなかったのですね。「ブリタニカは完全なデジタル企業になったのだ」と社長。
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今回の決定について、Encyclopaedia Britannica社長のJorge Cauz氏は、「我々には印刷版の長い歴史があるとはいえ、中核となるミッションは単一のメディアでも、印刷でもビットでもないのだということを指摘しておきたい。我々のミッションは、一般的な市民のために、知識と学習のための信頼できる、最新の情報に基づく学術的な情報源となることだ」と述べ、今回の決定が同社の存在目的に影響するわけではないことを改めて説明した。
▼百科事典ブリタニカ、完全ネット移行…書籍に幕 : ニュース : ネット&デジタル : YOMIURI ONLINE(読売新聞)
240年以上の歴史を誇る名門が、ネット上の無料百科事典ウィキペディアなどとの競争で書籍版の出版に幕を下ろすことになった。