女性シンガー川上未映子さんが芥川賞という記事より。
第138回芥川賞、直木賞(日本文学振興会主催)の選考委員会が16日、東京・築地の「新喜楽」で行われ、芥川賞は川上未映子さん(31)の「乳(ちち)と卵(らん)」(文学界12月号)、直木賞は桜庭一樹さん(36)の「私の男」(文芸春秋)に決定した。
もともと歌手として活動していた川上未映子さんが「乳(ちち)と卵(らん)」で芥川賞を受賞しています。
なんと、作家デビューからわずか1年での受賞だそうです。
受賞作「乳と卵」は、東京で暮らす未婚女性、豊胸手術を受けようと大阪から上京した姉、思春期の入り口にいるその娘という女性3人の物語。「女性であること」を通じて「私とは」「生きるとは」という命題を、大阪弁交じりの冗舌な文体でつづった。
2002年に歌手デビューしたものの奮わず。2005年に作詞、作曲、編曲などセルフブロデュースした作品「頭の中と世界の結婚
」の歌詞が話題となり、出版社から「詩を書いてほしい」という声がかかったのだとか。
結果「早稲田文学」で詩を発表するようになり、「わたくし率イン歯ー、または世界」が前回の芥川賞候補にもなっていたということです。
「まだ、大阪弁のノリやグルーブが、書き言葉に近づいていない。『すまない、大阪弁』という感じです」
というミュージシャンらしいコメントも紹介されています。
「少しでも知ってもらおうと始めたブログが好評で、詩や小説の依頼が舞い込んだ」とも書かれていますね。
ブログは「川上未映子の純粋悲性批判」というのがありました。
ブログの文体も素敵だし、作品のタイトルも自然で面白いし、俄然、興味がわいてきます。
「みなさまありがとうございました」という受賞報告のエントリーもあがっています。
一緒にどきどきしてくれはったみなさん、読んでくれはったみなさん、ほんとうにありがとう。
ちょっとばたばたしており、諸々のご連絡とどこおりますが、ほんとうにメッセージありがとうございました。
歌手活動の様子を見たい人は写真館がありましたよ。新聞記事に登場している写真とは、また雰囲気が違います。
芥川賞の「文筆歌手」川上さんのCDへの問い合わせ殺到によると、芥川賞受賞効果でCDの問い合わせが殺到、ビクターエンタテインメントが追加生産に入ったそうです。
■作家活動の作品
■音楽活動の作品
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選考委員の池澤夏樹さんは「文章が良く、滑らかな大阪弁が適度に抑制されてまるで声が聞こえるよう。短編の作り方にたくらみがあり、あざといほど」と高く評価した。
川上さんは歌手としても活動。受賞作は姉と妹、姉の娘の3人の姿を通して、心と体の関係や「私」とは何かを冗舌な文体で語る。
受賞したことで作品に影響があるかどうか分からないが、たぶん何か関係してくると思う。小説を書くのは苦しい。それなのに書き続ける理由は分からない。書きたい内容に大阪弁の必要があれば書くが、こだわっているわけではない。読んでもらった人には何か切実なことを感じ取ってもらいたい」