「Engadget」って何だ?という記事より。
その日筆者は、あるメーカーが開発中の技術に対するヒアリングに出席するため、アキバのUDXビルの中を指定された部屋に向かって歩いていた。すると向こうから、テンガロンハットにサングラス、でも体は着流しに雪駄という「それ誰と誰のアイコラだよ」的な男が歩いて来る。
小寺氏がたまたま、秋葉原で「Engadget Japanese」を主宰するIttousai氏とすれ違ってしまったそうです。
「あのー、もしかして小寺さんですか?」と、Ittousai氏の方から声をかけたらしいです。こんな偶然て、あるのですね。
「Engadget Japanese」はぼくも愛読していますが、確かに独特の文体でアメリカのオリジナルとは違う雰囲気になっていて、かなり読んでいて楽しいのです。
“愛”が感じられるのですが、抽象的で申し訳ないですが、ブログで“愛”って大事ですよね。どこに向けられるかは人それぞれなんですけど、言うなれば「ブログLove」でしょうか。
さて、このインタビューではIttousai氏が「Engadget Japanese」に携わるようになった経緯や、運営の裏側が公開されています。
「Engadget本家は、ちょっと紹介というかナゲット化というか、元ネタサイトの内容を一口サイズにするというのが芸なんですね。紹介だけして後はリンクを読んでくれというのができるんですけど、日本だとそもそも元ネタサイトが日本語じゃないとか、日本で出てない製品だとかになってしまう。したがって本家の記事を翻訳するだけではダメなので、ソースの元ネタサイトを読んで、それも記事の中に盛り込んでいます。ですから記事は単純な翻訳ではなく、本家よりも増えてる場合も結構あります」(Ittousai氏)
ナゲット化! なるほどー、言い得て妙ですね。ネタフルも、ポイッと口に放り込んで貰う“ナゲット”の集合体かもしれません。
もう1つBlogというスタイルが強いのは、ゴシップやリーク情報も普通の記事と同列化して記事にできるというところがあるだろう。
これは確かにブログを書いていて感じるメリットですね。もごった煮で重い記事も軽い記事も同列。
情報の集約という意味では、Engadgetがやっているのは、単にリンク集めではない。ましてや検索を中心としたポータルでもない。Ittousai氏の言うように、やはりそれは情報の要約、すなわち一口サイズにナゲット化してポンと食わせる技術なのだと思う。
ある意味ではこれがブログの本領発揮というか、醍醐味的なところかもしれません。
ナゲット化にしても1行入力にしても、システムは自動化したがマンパワーまではケチっていないところが、Engadgetのミソだろう。
そうなんですよねぇ。これが「Engadget Japanese」の楽しさだと思いますし、これこそが“愛”なんじゃないかと。
思うに、ニュースソースを二次的におもしろおかしく料理するための文体は、個人サイトレベルでは過去連綿とネット上で育まれてきたものが存在する。そしてその中で、Ittousai氏のものがビジネスベースに載った最初の成功例と言えるのかもしれない。
ビバビバ! そういう事例として認知されていくと、日本のブロゴスフィアもまた変わっていくかもしれません。
実はぼくも、小寺さんを見かけたことがあるのですよ。一回は五反田のカレーの会、もう一回は「Nike+」のプレス発表会。
いずれもToo shy shy boyで話しかけられなかったのですが、今度は話しかけてみよう。
「あのー、もしかして小寺さんですか?」