DDIポケットは、同社の全事業をカーライルと京セラ、KDDIの出資するコンソーシアムの保有する受け皿会社に吸収分割し、同コンソーシアムから現金2200億円を受け取る。DDIポケットのクロージング時点で有する有利子負債全額の返済等にあてられた後に残った現金が、最終的に同社の既存株主に支払われ、その後同社は清算されることになる。
買収金額は報じられていた通り2,200億円とのこと。買収後の出資比率は、カーライルが60%、京セラが30%となり、KDDIも引き続き10%の株式を保有するそうです。
新会社での事業計画については、「今後経営陣と相談のうえ決定する」(安達氏)としているが、「定額の常時接続モバイルサービスであるAirH”は、差別化できる商品だ。市場でも幅広く受け入れられており、同サービスを特に強化していきたい」としている。
大学生の時に初めて購入したモバイルフォンがDDIポケットのPHSでした。当時はまだエリアが狭かったのですが、一人暮らしでNTTの施設設置負担金の余裕がなく、低コストだったPHSには随分とお世話になりました。
その後、携帯電話に切り替えましたが、再びDDIポケットに舞い戻りました。なんといっても、クリアな音質が手放しがたかったのです。今はボーダフォンを使っていますが、携帯電話同士の通話はトランシーバのようになってストレスが溜まるので、極力使わないようにしています。
今後は日本ではビジネス向けの需要、海外では中国などの展開に注力していくことでしょう。通話範囲の狭い携帯電話、という立ち位置でなければ、もう少し違った普及の仕方をしていたかもしれませんね。
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カーライル・グループ日本代表の安達保マネージング・ディレクタは「通信分野はカーライル・グループの最も得意とする事業分野。早くから,PHSの持つ潜在能力に注目しており,今後さらなる発展が期待できる」と買収の狙いを説明。京セラの西口泰夫社長も,「日本でのPHS事業展開は限られてきたが,中国を中心とした海外展開でPHSはさらに発展できる」と共同出資の理由を明かした。
▼KDDI、DDIポケットをカーライルなどが設立するコンソーシアムに売却。さらなる成長を託す
さらに、KDDIの小野寺氏が述べたように「DDIポケットの買収は長期的に伸ばしていくことが前提」としたうえで、時期は明確にしなかったものの「IPOは、できるだけ早く実現できるのではないか」と意欲を示した。
▼「PHSの潜在成長余力に注目」~Carlyleと京セラ、2200億円でDDIポケット買収
DDIポケットは3期連続で黒字を出しており、KDDIの連結業績の中でも売上・利益共に6%程度を占める優良部門だ。KDDIの小野寺正社長は「グループの連結業績に大きく貢献した」としながらも、「KDDIとしては好調なauに競争資源を集中したい」と売却の意図を説明した。
新会社の社名については、DDIポケット山下社長によれば「現時点では全く未定、白紙の状態」という。従来通りのサービスが提供されるとのことだが、具体的な展開や経営目標についてカーライル安達氏は「これから決定していくこと。ただし法人向けのデータ通信や音声通話に関して強化していきたい」と語った。