快晴の中で行なわれた埼玉スタジアムでの浦和レッズとモンテディオ山形の試合。スタジアムが一体となったビジュアルも行なわれました。
試合開始4分にセルがゴールを決め、待望の先制点を奪うと、前半はバランスを崩すところがありながらも、後半はかなり圧倒できたのではないでしょうか。
今は勝利が最高のカンフル剤になりそうです。
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試合結果
浦和レッズ4-1(前半2-1)モンテディオ山形
得点者:4分セルヒオ、21分ポンテ(PK)、25分古橋(山形)、75分細貝、86分オウンゴール
入場者数:41,500人
難なく2点を先行したが、前半25分に緩慢な守備を突かれて失点。連敗中だけに、ピッチにもベンチにもスタンドにも嫌な雰囲気が流れた。次の1点が重要となる展開で、チャンスをつくっても追加点が奪えない。じりじりとした時間が続いた。
腰痛で戦列を離れていた田中達が、5カ月ぶりにピッチに立った。ホームのファンの大歓声に迎えられ、後半40分からの短い出場だったが「練習じゃなく試合のプレッシャーの中で、5分でもできたことは意味がある」と復帰を喜んだ。
J1第25節最終日(13日、浦和4-1山形、埼玉スタジアム)苦しんだ末に、ようやく浦和が連敗を7で止めた。4ゴールを奪って約2カ月ぶりの白星をつかんだフィンケ監督は「やっと勝利を収められ、本当に喜んでいる」とかすかに笑った。のしかかっていた重圧から少しだけ解放されたようだ。
4点目につながるFKを得るなど、まずまずのプレーを披露。日本代表FWとしての期待も大きいが「まずはレッズで頑張っていく。早く練習したい」と生気に満ちた顔つきで話した。
4日には、主将のMF鈴木らが音頭を取り、決起集会を開いた。監督・コーチも出席。しゃぶしゃぶを食べながら、この日に向けて士気を高めた。8月31日からオランダに遠征していた日本代表GK都築は「(遠征前より)みんなの勝ちたいという気持ちがひしひしと伝わってきた」と、帰国した10日に変化を感じた。クラブスタッフは、関西遠征のたびに蹴鞠(けまり)で有名な京都の白峯神社を訪れ、勝利を祈願していた。
前線からの激しいプレスで相手の攻撃を遅らせるなど攻守両面で活躍し、チームの連敗も7でストップ。「自分が走って、攻撃にかかわり続けようと思っていました。勝ってホッとしたし、めちゃくちゃうれしいです」と笑顔だった。
長かった。トンネル脱出を告げる笛が響いても、イレブンに派手な歓喜のパフォーマンスはなかった。それどころか、ピッチに座り込んだり、天を仰ぐ選手が続出。7月11日の広島戦以来、約2カ月ぶりの勝利までの道は、それだけ険しかった。フィンケ監督は約2週間のリーグ中断期間中も特別な策を講じなかったが、それでも白星を奪取。「連敗中も目指すスタイルを変えなかった。それで結果を出せてうれしい」と満足げな表情を浮かべた。
長期離脱を強いられていた浦和FW田中達が、約5カ月ぶりに公式戦に出場した。2点リードの後半40分から原口に代わり途中出場。ピッチに立った30秒後に得意のドリブル突破でファウルを誘うなど切れ味鋭いプレーを見せた。4月12日の名古屋戦で左太腿裏腱を損傷。5月下旬には持病の腰痛が悪化して長期離脱となっただけに「5分でも試合に出られて意味があった。これからだと思うので頑張りたい」と笑顔を見せた。
スタジアムにとどろく喝采を、闘将は全身で受け止めた。3―1の後半41分、ゴール左からDF闘莉王が右足を振り抜くと、ボールはDFに当たりネットに刺さった。もう、間違いない。闘莉王はゴール裏の看板に飛び乗ると、サポーターに最敬礼した。「このサポーターがあってのレッズ。負けている間も支えてくれて、感謝している」
浦和FW高原は体調不良で欠場。この日午前の練習前に「体調が悪く、試合に出られそうにない」とフィンケ監督に訴えた。詳しい病状は不明。指揮官は「高原は今週は練習に戻って、チームのために動いてくれることを願っている」と全快を祈っていた。
だが、闘莉王は「正直いって余裕がない、強さもない」と内容に不満あり。山形のミスに助けられたシーンも多かった。前日は鹿島Vs川崎の首位攻防をテレビ観戦し、「見てて面白い。残念だけどレベルが高い」と力の差を痛感した。今季をパスサッカーの土台作りと位置づけ、夏の戦力補強を見送ったフロントにも「悪いけど『準備』とか言ってるようじゃね。常に優勝争いしないと」と怒りが収まらない。