「バードストライク」原因で旅客機がハドソン川に不時着

バードストライク、世界で250人以上死亡という記事より。

米ニューヨークのハドソン川に15日、米旅客機が不時着した事故は、鳥がエンジンに衝突した「バードストライク」が原因だった。米連邦航空局(FAA)によると、米国の民間機に鳥が衝突した報告は1990-2003年に計約5万1000件。被害が出たものは6700件に上る。

ニューヨークのハドソン川に旅客機が不時着したという驚きのニュースがあったのですが、なんと原因は鳥がエンジンに衝突する「バードストライク」だったということです。

鳥でジェットエンジンが止まってしまうの? と思ったのですが、記事によると「重さ1・8キロ以上の猛禽(もうきん)類やガンなど大きな鳥がぶつかると、高速で回転するエンジンの羽根部分が破損」してしまうのだとか。

「破損した場合はエンジンを停止させて、近くの空港に緊急着陸して事故を回避する」ということですが、今回はそれもできずにハドソン川への不時着ということになったのでしょう。

1960年にはボストン国際空港で、離陸中の米旅客機のエンジン四基にムクドリが吸い込まれ、直後に墜落して62人が死亡する惨事が起きた。世界では同年以降、少なくとも122機が大きく損傷し、255人が死亡した。

今回は奇跡的にも全員が救出されていますので、機長の素晴らしい操縦があったのでしょうね。万が一、マンハッタンに墜落していたら‥‥。

「機長がヒーロー」見事な水上不時着実現という記事によれば、

(1)現場がマンハッタン中心部すぐ西側のハドソン川岸から近い比較的浅い場所(2)発生がまだ明るい午後の時間帯(3)機体がすぐに水没せず、救助する時間があった(4)沿岸警備隊の監視船やマンハッタンとニュージャージー州を往復する通勤フェリー多数が近くを航行

ということで、様々な好条件が重なったようです。

■関連記事

ハドソン川に旅客機不時着155人全員救出

ニューヨークのラガーディア空港から北西に離陸直後、南方に方向転換しようとした時点でガチョウとみられる大型の鳥の群れに突っ込んだ。このため、機体に鳥が当たる「バードストライク」が起きたとみられる。同空港に戻ろうとしたが、飛行を続けられず、滑空しながら高度を下げ、緊急着水した。

氷点下のNYで旅客機墜落、全155人救出

不時着直後、機体は午後4時すぎごろまで上半分を水面に出して浮かんでいたため、数人が水中から救助されただけで、多くの乗客は翼を伝い歩いたり、救命ボートに乗ったりして沿岸警備隊の船や近くを航行していた通勤フェリー数隻に次々と収容された。

「浸水が怖かった」日本人乗客が電話で伝える

堺商事によると、滝川さんは「着水時のショックは思ったほどではなかったが、浸水してこないか怖かった」と当時の緊迫した様子を話した。

元全日空機長 犠牲者ゼロは「航空史に残る」

両エンジンとも鳥が原因で推力を失うことは非常にまれ。シミュレーターでも着水の訓練はほとんどしないので、機長の着水は百点満点以上だ。

「怖かった」凍えた川に沈む旅客機、主翼に乗客

機外に出た乗客は、凍える川に浮かんだ機体の主翼にずらりと並び、救助船の助けを求めた。

奇跡のヒーローは機長!“完ぺき”な着水

ニューヨーク市のブルームバーグ市長は夕方の会見で「(機長らが)信じられないほどの素晴らしい(水面への)ランディングを成し遂げた。ヒーローだ」と絶賛した。

NY・ハドソン川に旅客機不時着…邦人2人含む155人全員救出

エンジンが鳥を吸い込むトラブルは非常に多く、今後も空港が自然とどう住み分けながら“共生”するか考える必要がある