林信行「iPhoneショック」読了

献本で頂いた「iPhoneショック」を読み終わりました。一言、Appleのモノづくりに関する素晴らしい内容でした。

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「iPhoneショック」というタイトルですが、これは「Appleショック」でも良い内容ですね。

Appleのモノづくりに対する姿勢を、長年に渡りAppleを見つめ続けてきた筆者が分析していきます。

「どうしてAppleからiPhoneのような製品が出てくるのか?」「我が社だって優秀なスタッフはいるのに‥‥」など、誰しも一度くらいは思ったことのある疑問に応えてくれます。

個人的に気になった内容をいくつかピックアップしておきます。

・移り変わりの激しいIT業界などでは5年、10年先を見通して製品を考えることは難しい‥‥と考えがちだけど、Appleはいつもそのビジョンを持っている。なぜなら先端技術を研究しているには、ある程度、見えているはず。だから自分たちのビジョンを描く。競合にとらわれずに。

・Appleが製品紹介で必ず使うのが「シンプル」というキーワード。そのために実践しているのが「マイナス」のデザイン。一瞬で見た人の脳裏に焼き付き、後に見る同種の製品を評価する規範になる。

・単に良い製品をつくるだけでなく、パッケージもCMも売り方も展示にも、すべてに全力を投じる。製品づくりだけでなく、それに見合う投資をブランドづくりにもかける必要がある。

・小さくて美しいパッケージはブランド力を高めるだけでなく、効率的な輸送を実現する。在庫をなくすためにあえて空輸しているが、その経費を節約することができる。

・基本的には世界中で同一の製品が販売されている。無線LANなどの電波を扱う製品は法律の問題があるので国ごとに仕様変更する必要があるが、初期設定で国や言語を選ぶ際に電波の出力量を変えるようにしている。

読みはじめたら、あっという間に読み切ってしまいました。

「モノづくり」すべてに通じるこだわりが書かれていると思うので、実はメーカー以外の人にも必読なんじゃないかと思います。

iPhoneショック ケータイビジネスまで変える驚異のアップル流ものづくり

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