川淵キャプテン、ポロリ「オシム」

「オシムが…」川淵氏思わずポロリという記事より。

「スーパーバイザー、総監督的な立場でオシムが…。あっ、言っちゃった」と極秘にしていた次期監督の名前をポロリ。

川淵キャプテンが帰国会見で、ポロリとオシム監督の名前を出してしまったという記事。日本代表の次期監督はオシム?というエントリーでも、日本代表監督にオシム氏が濃厚とお伝えしましたが、川淵キャプテンがポロリしてしまったのですね。

「初めから1人に絞って(交渉を)やっている」ということで、現在の候補はオシム監督だけだそうです。

いったん席を外して千葉側に連絡。10分後に田嶋技術委員長を同席させて会見を再開。「史上最大の失言をしたため、変にごまかすのはよくない」と意中の人に決めた過程を説明し始めた。

現在はまだ交渉中だそうですが、かなりの確率でオシム監督が誕生しそうです。また千葉を育てた手腕も買われ、U-21のスーパーバイザー的な役割も果たすということです。サッカー日本代表が強くなるには、かなりの割合で若手の育成が欠かせませんからね。

川淵キャプテンはオシム監督を選んだ理由について「弱かった千葉を魅力あるチームにし、監督として素晴らしい。“オシムの言葉”という本を読んでいたく感銘した。選手が練習の中で自分で判断して参加するというやり方は、見たことも聞いたこともない。選手の判断を中心においてチームづくりをする監督こそが、ジーコ監督の考えを受け継ぐには最もふさわしい」と説明した。

選手が自分の頭で考えてプレーするという意味では、ジーコもオシムも同じようなサッカーに見えるかもしれませんが、ぼくは全く別物のサッカーだと思っています。

ジーコはあまり決まり事を作らずに、選手の自主性を尊重していたと思うのですが、オシムはチームの基礎として、徹底したルールがあると思うのです。徹底した戦術があり、その上で初めて、選手が自分で考え動くというサッカー。

つまりチームとしての方向性、戦術が明確なため、ある意味では選手はパーツと言えます。もちろん個々人の資質は大切ですが、それ以上にチームとして動けるか否かが問われます。

ですから、調子の悪い選手、やる気の無い選手が出てきても、戦術理解ができている選手がパッと入れ替わることができるサッカーです。千葉を見ていても、そのことがよく分かります。

これがいわば、今後の日本代表の“個性”になると言っても過言ではないでしょう。スーパープレイヤーに頼ることなく、チームとして組織して戦えるチーム。そのことが結実したその先に、輝けるスーパープレイヤーが登場し、さらに日本代表は熟成していくのだと思います。

今後の4年間、オシム監督は自分の理想とするサッカーのパーツとなる選手を見極め、さらに若手を育成し、チームを成熟させていくことでしょう。もしかすると、日本代表の成功はさらにその先の4年間に待っているかもしれません。

浦和レッズもJリーグのお荷物と言われて長かった訳ですが、やはり監督選びで迷走していたことがあります。その歴史の中で、浦和のプロ意識を植え付け、基礎となるルールを確立したのがオフト監督でした。

彼は、FWの選手を追い越してはならないなど、徹底したルールを設けました。選手からも批判はあったと思いますが、基本的な練習、プレー、戦術を徹底し、2年間という期間をかけて浦和レッズを育て熟成させていった訳です。

途中にはもちろん勝てない時代も出てきますが、そこでは“信頼”が大切になります。つまり、この監督だったら任せても大丈夫だという実績、そして裏付けのある理論が重要になる訳です。それがあればこそ、負けがこんでもサポートすることができるのです。

そしてオフトのバトンを受けたブッフバルト監督が、浦和レッズとしてのサッカーを開花させたのはご存知の通りです。

今の浦和レッズを作ったのはブッフバルト監督だけでなく、その前のオフト時代がターニングポイントだったとぼくは考えています。

いかにチームとしての意思統一が大切か。選手が入れ替わっても、同じ意識で戦うことができるチームとしての“個性”の重要さ。監督が違うだけで、全く別のチームになるということを思い知らされました。

オシムの言葉―フィールドの向こうに人生が見える

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