「仮面ライダー響鬼」に続く番組として「仮面ライダーカブト」がスタートしました。
細川茂樹が主役をつとめ、子供には難解であろうストーリーに加え、和のテイストを取り入れ、さらに太鼓のばちやギター、トランペットを武器として使用する「響鬼」のインパクトがあまりに強かったために、もっさりしたキャストオフする前の「カブト」と、最近の昆虫ブームを反映しているのではないかと推測されるネーミングに抵抗感があり、録画はしていたものの見ていなかった「カブト」を週末に一気に6話分見て、思いっきりハマってしまいました。
すいません、間違ってました! 超超超超超超面白い!
▼仮面ライダーカブト キャストオフライダー1 仮面ライダーカブト
仮面ライダーカブトは、渋谷に隕石が落ち、ワームと呼ばれる「隕石に乗って飛来してきたらしい未知の異界生物」と秘密結社ゼクト、そして仮面ライダーカブトが戦う物語です。
主人公は、「天の道を行き、総てを司る」という傲慢な名前の天道総司(水嶋ヒロ)です。中世的な雰囲気を醸し出しつつも、天才肌でクール、自分が世界の中心にあるという考えを持つ、子供が真似したら嫌だな、とも思える不遜なキャラクターが主人公という、ちょっと異色な設定です。
ゼクトが開発したライダーベルトをなぜか以前より所有していますが、詳しくは今後明かされていくのでしょう。
天道総司がピンチになるとカブトゼクターが飛来します。カブトゼクターはカブトムシ型のアイテムで、ベルトにはめることで仮面ライダーカブトに変身可能です。変身直後は非常にもっさりした形態なのですが、キャストオフすることでスマートなスタイルになります。キャストオフはつまり、装甲を外すイメージです。
敵であるワームは今のところ1種類。幼虫から成虫に脱皮するとクロックアップと呼ぶ高速化を果たします。普段は人間に擬態しています。敵キャラが一種類、ないしは数が少ないというのは、仮面ライダー響鬼の設定を引き継いでいるのでしょうか。
とにかくそのクロックアップをすると世界が止まったようになり、例えば雨粒が止まり、その中でカブトとワームの戦いが繰り広げられます。このあたりはマトリックスの影響が大きいと思います。
いずれにしても「擬態」や「クロックアップ」という概念は幼児には相当難しいようで、うちの息子も一緒に見てはいますが、全く理解できていないようです。そのためか、最近の放送では「クロックアップとは○○」のようなナレーションも入っていました。それでも本当に楽しめるのは小学校高学年以降なんじゃないかとも思えます。
カブトの必殺技も今のところライダーキックのみ。渋すぎ。
この分かりにくさが大人男子には非常に面白いのですが、響鬼のときのように途中から路線転換してしまわないか心配です。響鬼もそのせいで世界観が壊れてしまったような印象がありますので。最後までこの路線をつらぬくことができれば、凄いことになるのではないかと思います。
不遜な主人公を周囲で支えるのは、
・ゼクト見習い隊員である加賀美新(佐藤祐基)
・渋谷隕石で両親を失いコミュニケーション不全となっている日下部ひより(里中唯)
・ゼクトのメンバー岬祐月(永田杏奈)
・天道の妹天道樹花(奥村夏未)
などのカッコイイどころとキレイどころです。
自分のことを「ぼく」と呼び、機械と会話することができる「ひより」や、ジュニアアイドルとして活動してきた「樹花」は萌えキャラになるんでしょうか。どうなんでしょうか。どちらもかなりの美形です。
映像も丁寧に作られている感じがしてCGも違和感がないですし、ストーリーや設定も複雑で大人にも楽しめる内容です(むしろ大人向け)。
本編とは関係ないところで、ウェブサイトが面白かったのですが、天道の口癖に「おばあちゃんは言ってた」というものがあり、それが「天道語録」として紹介されているのですね。
例えば、
人は人を愛すると弱くなる‥‥けど、恥ずかしがることはない。
それは本当の弱さじゃないから。
愛する弟に擬態したワームに心を許しそうになった加賀美を、それとなく戒めるように発せられた言葉。例えワームとわかっていても弟を思うあまりに殺すことができない加賀美。そんな弱い気持ちを認めることこそ強さだ、という深いお言葉。(第4話)
お言葉ですよ、お言葉! いま気づいたのですが、天道はホストキャラなんですね。自分が世界の中心であり、自分が最も偉い。そして美形で東京タワーの側に住んでいて裕福。
仮面ライダーの主役は若いお母さんたちが後押しするので有名らしいですが、天道総司もかなりの人気を獲得することになるのではないでしょうか。日曜朝から子供番組に登場するホストですからね。
さらにウェブサイトには「まかない」というコーナーも。「ひより」はBistro la Salleというレストランでアルバイトをしているのですが、そこで登場するまかないの「サバの味噌煮」や「ひより特製ポトフ」などのレシピが紹介されています。
完璧を自負する天道ですら出せなかった「サバの味噌煮」の味の秘密はどこに!?
ということで、来週は新しいライダー「ザビー」も登場予定。ますます目が離せなくなりそうです。いずれDVDも発売されると思いますので、過去は後から振り返るとして、興味のある人は今週末から是非チェックしてみてください。