“メタバース”がバズワードとなり、この1年でその注目度が格段に上がりました。企業が本格的に注目するようになり、専用ワールドの構築や、イベントの開催といったメタバース内での活動も活発になりました。
新たな場が生まれれば、新たな仕事が生まれます。ワールド構築やアバター作成、さらにはそれらをデザインする仕事、音楽を制作する仕事など、様々な仕事がメタバースの広がりとともに増えていきました。
Blenderが使えるとか、Unityが使えるとか、これまで培ってきた技術により新しい仕事が花開いています。これで既に“メタバース飯”しているという人もいるでしょうし、近い将来は間違いなくもっと増えるはずです。
一方で、メタバースもVRChatも好きだけど、そうした技術的なことが分からないため“メタバース飯”は別世界の話と思っている人も少なくないでしょう。ぼくもそんな1人です。技術的なことはさっぱりです。
でも、そういう技術的なことは分からないけれど、メタバースに関わる仕事ができる可能性がある‥‥というのが「アバターワーク」なのです。
アバターで仕事する「アバターワーク」
先日、京セラが日本国際工作機械見本市(JIMTOF2022)出展にあわせ、VRChatでメタバース展示会を開催しました。
それまでメタバース内のイベントの手伝いはしたことがありましたが、あくまでボランティア的なもの。京セラのメタバース展示会は、はっきりと給料の出る仕事として参加してみました。時給で働く突発的なアルバイトのようなイメージです。
昼間はリアル会場からヘッドマウントディスプレイを装着し、メタバース展示会体験にやってきた人を案内する仕事。
夜は世界中からメタバース展示会に訪れる人を案内する仕事。いずれも接客です。
そうなんです、昨今の「アバターワーク」は接客が多いんです!
メタバース構築も増えていますが、メタバースでのイベントが増えれば、自ずとそこで働く人の仕事=接客も増えているのです。
誰もいないワールドにいっても楽しくはないですし、何か質問したい場合もあるでしょう。そこに接客スタッフがいることで、そうした課題も解決します。
メタバースで企業活動を行っていく上でも、こうした接客スタッフの重要性がとても増しているのです。やり取りするのは人と人、ですからね。
もちろん必ずしも「アバターワーク」が接客ばかりではありません。しかし、飲食店で働いたことがあるとか、営業の仕事をしていたという人が、メタバースで「アバターワーク」ができるというのは、とても夢のある話ではないでしょうか。しかも自宅から。
ぼくも京セラのメタバース展示会に“出社”する前はギリギリまで自分の仕事をしていました。現場まで移動する必要はゼロです。なんなら起き抜けの姿でも大丈夫です。働くのはアバターですから。
自分で体験してみても、これは“あるな”と思いましたね。
いかがでしょうか、ちょっと在宅ワークできる新しい仕事/副業としての「アバターワーク」に興味が湧いてしまったでしょうか?
「アバターワーク」出版に寄せて
もちろん「アバターワーク」を既に実践している先駆者はいますし、接客以外の職種もあります。これだけメタバースが話題になり、人口流入も増えている今、そこでの仕事が花開かないわけがありません。
もしかすると、いよいよ2023年には本格的に「アバターワーク」が立ち上がるかもしれません。自分でもアバターワークしてみたい人、アバターワークを取り入れてみたいという人にぴったりの書籍が出版されました。
2022年12月2日発売の「アバターワーク」です。ぜひとも手にとっていただけたら幸いです!(ぼくも一部執筆しています)
〈本書の章構成〉
Chapter 1 メタバースで暮らしてみよう
Chapter 2 アバターで働く時代が目の前に
Chapter 3 アバターワークのメリット
Chapter 4 メタバースで活躍する職業
Chapter 5 アバターワークの最新事例
Chapter 6 アバターワーク体験談
〈本書に掲載している企業事例〉
○日産自動車(VRChat)
○ビームス×バーチャルマーケット(VRChat/Vket Cloud)
○モスバーガー(VRChat)
○HTC NIPPON(VRChat)
〈アバターワーカーの例〉
○接客・販売業
○ミュージシャン、ダンスパフォーマー、MC
○VRフォトグラファー、VRビデオグラファー
○アバターやアバターファッションを制作するクリエイター
関係性の明示
著者である株式会社往来に参画しています。