2003 2nd 第14節 浦和レッズ V.S. 名古屋グランパスエイト

あまり思い出したくはないんですが、レッズが優勝戦線から離脱した試合として記憶に留めておかなくてはいけないと思い、少しだけ整理してみることにしました。

結果的に、1-4での惨敗でした。エメルソン、ニキフォロフという攻撃と守備の核を欠き、見事なまでに叩きのめされました。代わりの選手がなんとかやってくれると信じていたけれど、リーグ戦はそんなに甘いものではなかった。オフトのチーム作りは、誰かが欠けても他の人がすんなりと入れるシステム作りに特長があると思っていたけれど、残念ながらそこまでチームは成熟してはいなかった。

長くメンバーを変えることなくチームを熟成させる。そして、そのメンバーで優勝・優勝争いできるまでになった。しかし、真の常勝チームになるためにはもう一つ選手層の厚さを加えなければならなかった、というその一言につきるでしょう。選手を限界まで削り育ててきたけれど、チーム全体にオフトイス゜ムを浸透させるには、結果的にあと1年は必要だったということではないかと思います。

ナビスコ杯終了後、引退を表明した後、オフトはサッカーマガジンに「各ラインにもう一人ずつ選手が欲しい。平均年齢が低いから本当に強くなるのはあと数年後だろう」という趣旨のコメントを寄せていました。結末は、正にその通りでした。

エメとニキの代わりに入った選手を非難することはできません。チーム全体の問題だと思います。誰かが悪かったのではなく、それぞれの選手が持ち味を出し切れなかったのではないでしょうか。プレッシャーから集中を欠いていたとも言えるかもしれません。それは経験がないから? そうかもしれません。二度目の今年、われわれはナビスコ杯決勝をリラックスして戦うことができました。来年もしリーグ戦で優勝争いに加わることができれば、これも良い経験だったということができるでしょう。

チャンスは確かにあった。本当に、自力で手が届くところまで、近いところに優勝があった。しかし、現実はそんなに甘くはなかった。そういうことでしょう。今回、優勝争いをしているチームは磐田、鹿島、横浜など優勝経験のあるチームです。少なくとも常勝チームと呼ぶに相応しいチームだちです。レッズも、ようやくその中に片足を突っ込めた、そういう状態なのではないかと思います。

悔しいけど仕方がないですよ。同じことを何度も繰り返さないことが大切です。それがわれわれの財産になります。

J2からJ1に昇格したチームたちが、またJ2に戻ろうとしています。それだけJ1での戦いというのは、過酷なものなのです。J2から昇格しJ1に定着したチームがどれほどいたでしょうか。本気でチームを作るということは、やはり並大抵ではないと感じました。レッズは、後退するはないだろうか。それだけが心配です。