「ネット上に鉄道会社のビジネスモデルを構築する」――gumonji開発者に聞くというインタビュー記事より。
gumonjiは、シミュレーションエンジンによって自然法則が忠実に再現された空間の中で、プレイヤー同士が生態系や社会を作り上げていくゲームだ。ゲーム内の炭素、酸素、水素、珪素といった元素には物質量保存の法則が成立しており、動植物や土地などは互いに影響し合いながら存在している。このため、プレイヤーの行動の1つ1つが世界を変化させていく。
既に第一回、第二回とベータテストを行っている「gumonji」の開発者インタビューです。すみません、ゲームはしないもので、今まで知りませんでした。
あまりゲームには興味がないとは言いつつも「ゲーム内の炭素、酸素、水素、珪素といった元素には物質量保存の法則が成立しており、動植物や土地などは互いに影響し合いながら存在している」とかいうコンセプトは興味深いですね。開発者の中嶋氏は、大学時代に環境シミュレーションソフトを開発しており、それが「gumonji」のベースになっているんだそうです。
セルオートマトンという理論を使っており、地球表面全体をセルに切り分けて、
それぞれのセルは隣のセルとしか関係性がなく、隣り合うセルの状態に応じた単純な規則があるだけです。その計算式を適用して何回も計算し続けるのがセルオートマトンです。地球シミュレータの場合は薄い厚みを持った立体として計算するため、隣り合う6面との関係が影響しますが、gumonjiは平面なので4面です。
という説明を読むと、リアル感漂いかなりそそられます。「gumonji」の中で成長して行く世界に興味津々です。
また、個人的に共感を感じたのは、
精密なコストシミュレーションをしてみたんですが、あまりにもフリーライダーが増えると結局はビジネスが破綻してしまう。フリーライダーであってもサーバを使うことに変わりはありませんから。
という部分。「gumonji」の利用には月額500円(専用coin 10枚分)が必要なのですが、フリーライダー、つまり“タダ乗り”だけが増えてしまうと、
例えばフリーライダーが10倍に増えて、それでも課金ユーザーの数が変わらないとしたら、その分のコストを課金ユーザーが全部負担することになる。それは健全ではないでしょう。
ということが述べられています。面白いもの、良いものには喜んでお金を投げる環境、そしてその投げるための手段がより進んで行くと良いな、と思います。自分でサーバを管理するようになったこともあり、負荷についてはひしひしと感じます。是非、プレイしてみたいと思いましたが、残念ながらWindows版のみでした。
それにしても、こういう複雑な仕組みを考える人の頭の中を、一度くらいは覗いてみたいものですね。
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gumonji(グモンジ)の中は、ユーザが花や木、虫、動物を育てたり、ダムや水路を作る土木工事をしたり、いろいろなアイテムを生産したりといった活動が可能。二酸化炭素濃度が下がると木が増えにくくなったり、動物の排泄物が植物の養分になったりするなど、ゲーム内でプレイヤーが行う行動が世界全体に影響するのだ。
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ほかにも“原料から素材を作り、素材から製品を作る”という工業生産のネットワーク形成、生産された製品をマーケットで売買することによる流通と資源の分配など、ほかのユーザーと連携することの必要性が増している。