音声認識技術「AmiVoice」を提供し、音声AIアシストサービスや文字起こし、様々な音声入力サービスを展開する「アドバンスト・メディア」が、2022年8月30日に発表した新サービス「AIアバター AOI(AI Avatar AOI)」の体験会に参加しました。
「AIアバター AOI」とは?
カスタマーサービスのチャネルは、対面・オペレーター通話のみならず、チャットbotやSNSなど、その顧客接点は多様化しています。
今後、メタバースがより一般的なものとなれば、メタバース空間内も重要なカスタマーサービスのチャネルの一つになることは疑うまでもありません。
そこで、メタバース(VRChat)内で活用できるAIアバターとして誕生したのが、AmiVoiceを搭載したAI音声対話アバター「AIアバター AOI」というわけです。
AIアバターを利用することができれば、既存のチャネルの得手不得手を解決し、音声・テキスト・映像・自動化など、全ての項目で無人対応できる可能性を秘めています。
「AIアバター AOI」の特徴は次の5つです。
1. AIが対応を自動化し24時間365日の対応が可能
2. メタバース空間を自由に移動し任意の説明を実施
3. シンプルな管理画面で対応内容を簡単に確認・編集
4. 国内シェアNo.1音声認識エンジンにより自然なコミュニケーションを実現
5. 人間らしい自然な動きでユーザーエクスペリエンスを向上
「AIアバター AOI」の人間らしい自然な動きに関しては、VRChatで活躍するカソウ舞踏団のyoikami団長がモーションアクターとして監修しているとのことです。
メタバースの市場規模も2020年の5,000億ドルから2024年には8,000億ドルに拡大する見込みで、発表会でプレゼンを担当した鈴木氏も「メタバースでの対応に無限の可能性を感じている」と語っていました。
アドバンスト・メディアは「AIアバター AOI」によって、新しい顧客接点の場で、新しいユーザーエクスペリエンスの提供を目指していくとしています。
「AIアバター AOI」体験会
発表会はzoomで行われ、その後、VRChatに場所を移して「AIアバター AOI」の体験会が行われました。
「AIアバター AOI」には可聴範囲が設定されており、概ね身体の周囲にあるリングの中に入って喋ると音声認識がされます。
現在はExcelで管理する辞書のようなものがあり、話された言葉を自然言語解析し、それに基づいて回答しているそうです。想定されるQ&Aを予め問答集として用意しているイメージでしょうか。
「AIアバター AOI」は一点に留まるのではなく「案内して」という言葉に反応し、場所を移動して応対することが可能です。
今回はパーティ形式でしたが、ドリンクがある場所ではビールの説明をしたり、食事がある場所では食事の説明をするといったことが可能です。
順々に場所を移動しながら解説することができるので、例えば展示会形式であればナビゲーターとして会場内を案内させることも可能ということになります。デパートであれば商品説明を任せることもできるでしょう。
一般的にVRChatではワールドにアクセスするとテキストでの解説を読むことが多いですが「AIアバター AOI」による解説と案内は、より初心者にも優しいと感じました。
なお「AIアバター AOI」はアバターの中に存在する機能となるので、Quest対応のワールドに存在することもできます。あくまでもアバターはインターフェースで、裏側でAIが受け答えをするシステムです。
「AIアバター AOI」を体験した感想
話しかけてから回答が出てくるまでの間や、イントネーションなどは、まだ機械的な受け答えをしているんだな、と気づけるレベルではあります。しかし、そうしたことは技術が進化すればすぐにクリアできたしまう課題でもあります。
恐らくそう遠くないタイミングで、対応しているのがAIなのか人間なのか、区別が困難なときはやってくるだろうと思っています。人間と遜色ないくらいに辞書データベースを鍛える人は出てくるでしょうし、それこそAIで学習させれば、ほとんど人間と同じような受け答えをすることもすぐに可能になるでしょう。
その昔、パソコン通信の時代だったと思いますが「人工無能」というサービスがあったことを思い出します。
実際、まだ人間ぽくない所作はあるものの、アバターも声もかわいくよくできています。このまま進化していけば「AIアバター AOI」と結婚するという人が現れてもおかしくないな、とも思いました。
VRChatのプライベートなワールドにアクセスしても、AIアバターでにぎわっている‥‥なんいうのもありえる気がします。「AIアバター AOI」から話しかけてきたり、何かレコメンドされるということもあるでしょう。可能性無限大すぎませんか。
気になるコストは、まだ詳細は未定とのことですが、個人でも利用できるようにしたいと考えているそうです。個人がつくるワールドの対応役として「AIアバター AOI」が活躍する日はそう遠くないかもしれません。
AIの進化について考えるとき、必ず「AIの遺電子」シリーズを思い出します。AIに興味のある人は必読です。
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