フィンケ監督が就任してから約2ヶ月、ついにJリーグが開幕し“新生”浦和レッズがサポーターの前に姿を現しました。選手の補強は行われずに、徹底したトレーニングが行われてきたのですが、果たして何が変わったのか?
アウェイのカシマスタジアムは超満員。浦和レッズサポーターも多数、詰めかけました。ゴール裏は1階、2階ともに人・人・人でぎっしりでした。
浦和レッズの先発メンバーは次の通り。
GK 23 都築龍太
DF 3 細貝萌
DF 2 坪井慶介
DF 4 田中マルクス闘莉王
DF 14 平川忠亮
MF 13 鈴木啓太
MF 22 阿部勇樹
MF 24 原口元気
MF 10 ポンテ
FW 11 田中達也
FW 19 高原直泰
今シーズンから採用された4-4-2のシステムで臨みます。注目は高校2年生の原口元気でしょう。トレーニングマッチでは絶好調でしたが、ファーストシュートを放つなど、開幕デビューでも目立っていました。
ただ、相手が鹿島アントラーズということで、やや自由にやらせてもらえないというか、プレッシャーが強かったのではないかと思います。
さて4-4-2ということで、どんなサッカーが展開されるのかとやきもきしましたが、フィンケ監督が常々言っていたように、ショートパスを繋いでいくサッカーを展開していました。
試合開始序盤、運動量のある頃は見ていて非常に面白かったですね。ワンタッチでパスを繋いだり、狭いスペースでもパス回しができたりと、周りが見えている状態では可能性を感じました。
ただし、カウンターから2失点したように、守備に課題があるように思います。
特にサイドバックの動きは、なかなか難しいようです。長年の3-5-2が身体につみついている訳ですから、サイドバックに抜擢された平川、細貝は難しかったかもしれません。
しかし得点されたシーンもカウンターであり、形を作って崩された訳ではないので、守備が修正されてくれば面白いのではないか、という期待の持てる内容でもありました。
とはいえ、終盤になって運動量が落ちてくると判断も遅れるので厳しいですね。
フィンケ監督が繰り返す“運動量”が絶対的に必要になる訳です。持ってからパスコースを探していたり、足の止まる選手は、徐々に出番が減っていくのではないかと思いました。
それにしても、高原はいったいどうなってしまうのでしょう。今シーズンは十分に準備をする時間があったはずなのですが、キープできない、倒れるなど、去年と状況はあまり変わっていないような‥‥。
開幕戦の先発で出てきてので、状態がよくなっているのではないかと期待したのですが(ウォーミングアップでみせたダイレクトボレーは素晴らしかった)。
代わりにエジミウソンは良くなったと思いました。去年はあんなダッシュは見せませんでしたよね。足下の技術もあるし、今シーズンこそやってくれそうです。
啓太も復調しているようなので、時間は少しかかるかもしれませんが、結果はついてくることでしょう。
それにしても相手は鹿島アントラーズですから。0-0の引き分けで御の字、あわよくば1-1で引き分けだったらラッキーだな、くらいのつもりでは見ていました。
フィンケ監督も次のようにコメントしています。
しかし忘れてはならないのは、今日の対戦相手のことです。今日の対戦相手は非常に素晴らしい相手だったし、長年にわたって一つのチームとして活動していたことが非常によく分かるチームでした。
本当にお見事と言わざるを得ません。「鹿島アントラーズのカタチ」が明確にありますからね。浦和レッズはカタチを作りはじめて、はまだ2ヶ月ですから、まだまだ我慢が必要なのです。
結果だけみれば残念ですが、課題も浮き彫りになりましたし、ショートパスを使ってポゼッションを高く保つ人もボールも動くサッカーという方向性も見えたので、個人的には満足な試合でした。
試合後、ゴール裏からは拍手が送られました。
さあ、次節はホーム開幕ですよ。
地元鹿島アントラーズサポーターの知人の助けもあり、家族で無事に観戦することができました。この雪辱は最終節になるだろう埼玉スタジアムで晴らしたいと思います。
追記:試合に出場していない選手たちがブログを更新しています。
アウェーでしたが、久々に見たレッズサポーターの応援は
武者震いしました。
やっぱり、ピッチに立たないとダメだ、何も始まらないと思いました。
テレビで見たよ。
前半すげーいいテンポで回ってて、見ごたえある面白いサッカーができてたと思う。
でも鹿島が上手だった。
得点シーンはカウンターが早いし相手の人数がレッズより何人もいた。
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DF平川忠亮は「Jで優勝したチーム(鹿島)相手にやれた部分とやれなかった部分がある。同じ失敗を2度と繰り返さないようにしたい」と相手のカウンター攻撃への対応策を胸に、次戦に臨むつもりだ。
浦和FW原口元気(17)が、J史上2番目に若く、クラブでは史上最年少となる17歳9カ月26日で開幕先発出場を果たした。「緊張はなかった」と話したが、試合巧者の鹿島の前に、持ち味の攻撃力を発揮することができなかった。「高い位置でボールをもらうことができなかった」と反省した。
V奪回への初戦で完敗し「怒りを感じている。気をつけろと言っていたのにやられて残念。組織、個人の両方に原因がある」とまくしたてた。
浦和は、ボールを奪われた後の対応が遅く、チャンスが一転してピンチになる場面が多かった。右サイドバックでフル出場したMF細貝萌は「戻りが遅いという声は(DFラインの間で)出ていた。攻撃から守備への切り替えを速くしようという指示はあったが、(2失点とも)やられてしまった」と話した。
試合後は「チームとしてどうやって崩していくか」と課題を口にしたが、ゴール前の最後の局面は個人能力に委ねられる部分も大きいだけに、王座奪回には背番号19の復調が不可欠となる。
いずれも浦和のセットプレー後のカウンターからだが「セットプレーで(浦和が攻撃にかける)人数が多いのは事前の情報で分かっていた」とGK曽ケ端。分析で得た相手の弱点を突いた。
フィンケ新監督は「後半の失点には怒りを覚える。ハーフタイムにカウンターに注意するよう指示したのに…」と厳しい表情を浮かべた。
前半3分に得意のドリブルでペナルティーエリア内に侵入して岩政に倒され、あと少しでPKの場面をつくるなど存在感を示した。
「ちょっと完成度に差が…」わずか1度の練習で人生初の左サイドバックに途中投入されたMF山田暢は唇をかんだ。
後半12分に退いた原口は「緊張せずにできた。どんどん仕掛けようと思っていた。でも負けたのがすべて」と悔しそうな表情を浮かべた。
フリーで攻め上がる相手に、浦和の選手は対応できなかった。指揮官は「強い怒りを感じる」とおかんむり。闘莉王は「強いレッズをつくるため、課題をやっていかないと」と話した。
前半1分に両軍最初のシュートを放つなど見せ場は作ったが、J最年少開幕ゴールはならず。視察した日本代表・岡田監督も「原口? まだまだこれから」とそっけなかった。
DF闘莉王は「ここで完璧だとサッカーをナメてしまう」と前を向いたが…。昨季は開幕2連敗で監督解任に発展した。藤口社長は「完成度が6、7割。やっていることを続けるしかない」と見守る方針だが、その声は自信なさげだった。