SIMフリー版「iPhone 6 Plus」を入手直後にカナダ旅行に出かけたことから、現地でプリペイドのSIMカードを使う機会に恵まれました。これまでの海外旅行ではレンタルのモバイルWiFiルータを使うだけでしたので、これは貴重な体験となりました。今回はカナダのアルバータ州を旅したのですが、キャリア事情としてカナダ全体でも同様だと思いますので、これからカナダ旅行する人の参考になれば幸いです。
カナダに入国して契約したプリペイドSIMカードは「WIND」
事前にネットで情報を調べた中で、まず良さそうと感じたのが「WIND」というキャリアでした。月額35ドルでデータ通信量が無制限というのは、1週間ほどの滞在でも非常に魅力的に思えました。
そのあたりのことは、カナダでSIMカード「WIND」購入 → 月額35ドルでデータ通信が無制限という記事でまとめてあります。
契約したスタッフの話だと、山の中では使えるかどうか分からない、ということだったのですが、この時にきちんとエリアも調べれて貰えば良かったのですが、結果的に「山の中=ジャスパー、バンフ」ということが後から、実際に使ってみて分かりました。
「VIA鉄道」でカナディアンロッキー山中を走っている時は使えなくても仕方ないと思ったのですが、観光地であるジャスパーやバンフでも使用できないのは、旅行者が使うにはちょっと厳しいと感じました。
そういった場所ではキャリア表示が「WIND Away」となるのですが、これはローミングで別途、従量制で課金が必要です。後でウェブサイトからマイページにログインし、申し込みができるので難しくはありませんが。
ただし、バンクーバー、エドモントンなどの市街地で普通に使うことができました。
人の多いところで通信が遅くなるのは日本と同じですが、環境が良ければ日本のADSLくらいのスピードは出ます。ただ、アップロードが遅めなのはどこの場所でも一緒でした。
もちろん電話番号もついてきますので、結論としてはエリア内の市街地中心で使うならば「WIND」でも問題ないかと思いますが、カナディアンロッキーなどに行く場合はローミング用の課金が必要になります。数日の使用であれば10ドルくらいで足りると思いますが。
カナダでオススメのプリペイドSIMカードは「Fido(ファイド)」
カナダのSIMカード事情というのは、やはり実際に行って試してみないと分からないところがありました。それでは、どこのSIMカードが良いのか、ということですが、旅行する際にはエリアが重要になると思います。特に、日本人観光客が多く行くであろうジャスパーやバンフなどのカナディアンロッキーは大事です。
ショッピングモールに行くと、あちこちに携帯ショップがあり、いくつかでヒアリングしてみました。そこで出たカナダの大手携帯キャリアの名前が「TELUS」と「ROGERS」です。
結論から書いてしまうと、どちらもほぼ似たような勢力らしいのですが、山中で使いたいならば「ROGERS」の方がエリアが広いそうです。市街地ではLTEのエリアも広いということです。そして、その「ROGERS」のエリアを使えるのが、親子の関係にあるようなキャリア「Fido(ファイド)」です。
そういえば、カナダに到着し、バンクーバーで最初に話を聞いたのが「Fido」でした。1GB/30ドルというプランがあると聞いたのですが「WIND」の無制限/35ドルと比較して割高に感じられてしまい見送りました。
「Fido」の料金プラン
「Fido」のプリペイドの料金プランはこんな感じになっています。
実際には基本料金15.75ドルにアドオンで1GB/30ドルを付け加える形になるので、45ドルということになります。これなら「WIND」にローミングを10ドル課金しても良いような気もしますが、エリアに対する安心感が「ROGERS」の方が大きいと感じました。
マイページで確認すると、3日くらいの使用で「WIND」でのデータ通信量は200MBくらいでした。けっこうTwitterやFacebookに写真投稿したり、見たりしていたのですが、意外にデータ通信量は消費しないものだな、と感じました。1GBプランであれば、普通の使い方なら1週間程度は大丈夫そうな気がします。
そういえば、ぼくが日本からレンタルして持参したモバイルWiFiルータのキャリアが「ROGERS」だったのですが、さすがにカナディアンロッキーの山中では使えませんでしたが、それ以外の場所では問題なく電波が入って安定して使えていたので、確かにカナダで使うキャリアが「ROGERS」に対応している「Fido」なら安心だと思います。
カナダでSIMカードはどこで買う?
極端な話をすると、コンビニでもSIMカードは購入することができます。到着したバンクーバー空港でも、プリペイドSIMカードの購入先として教えて貰ったのが空港内のセブンイレブンだったくらいです。ただ「iPhone 6 Plus」用のnano SIMがありませんでした。
バンクーバーの街中ではすぐに携帯ショップが見つかりましたし、地下鉄の通路から出る際に電器屋があったりしました。ドラッグストアでもSIMカードを販売しているところがあります。エドモントンでは、ショッピングモールにたくさんの携帯ショップがありました。
街中まで出ると、けっこうSIMカードは購入しやすいと思います。本当は空港で購入できるのが楽だと思いますが、そうでない場合はタクシーでダウンタウンにある携帯ショップに連れていって貰うのが良いかも知れません。
カナダのSIMカード、日本で買える?
今後、日本でもSIMフリースマートフォンが一般的になるに連れて、海外で自分のスマートフォンを使う人も増えるだろう、と思います。そうした時に、日本でSIMカードを購入してから行けると便利だと思ったのですが、今のところは安価に購入できるようなサービスはないようです。スマートフォン用の海外SIMレンタルがあっても良いかも知れませんね。
「WIND」でIP電話を試す
海外から日本向けに電話する際に、IP電話アプリを使うと便利です。今回は「SMARTalk」と「LINE」を「WIND」で試してみました。
「SMARTalk」は発信ができませんでした。ネットワークによっては、IP電話のプロトコルが通らないことがあるのですが「WIND」でも規制されているようです。
「LINE」の無料通話ですが、日本が深夜だったので隣に座っていた友人にかけてみたのですが、こちらは問題なく通話ができました。恐らく「LINE」の無料通話に規制は入っていないと思われます。「LINE電話」も試せば良かったのですが、うっかりしてました。
SIMフリー端末は便利で自由
現地のSIMカードを入手する手間はありますが、日本で使っているのと全く同じ感覚でスマートフォンを利用できるのは本当に便利に感じました。モバイルWiFiルータも悪くないですが、スマートフォンと2つの端末のバッテリを心配する必要があります。SIMフリー端末であれば、そのバッテリを心配するだけです。
今回のように、旅先でプリペイドSIMカードが使えるのが便利なのは言うまでもありませんが、加えて、そのキャリアを選べる自由さもあります。手に入れた自由は心地良いです。
一点、注意としては低料金のプリペイドSIMカードだと、テザリングできないことが多いのではと推測されます。「WIND」もそうでした。ただ、PCを使いたいのであればホテルでWiFiが使えることがほとんどだったので、さほど問題はないかと思います(ちなみにモバイルWiFiルータは1,000円/日でした)。
以上、カナダを旅行してみて分かったプリペイドSIMカード事情をまとめてみました。選ぶなら「Fido」がオススメです。これからカナダを旅する人の参考になれば幸いです。
追記:2019年版のカナダで使えたSIMカード【SIMフリーiPhone】という記事を書きました。