「ドリームズカムトゥルー」のベーシストであり、ディーシーティーエンタテインメント(DCT社)代表取締役でもある中村正人のインタビュー記事がありました。ミュージシャンではなく、経営者として語る内容が非常に興味深いです。ドリカム・中村正人が語る音楽ビジネスです。
もしDWLが開催できないような状況、つまりドリカムの音楽を聴きたいという人がいなくなったら、「吉田美和の音楽を世に届ける」という僕の一大事業がストップしてしまう。DCT社とは、吉田が作品を作り続けられる状況を維持するための装置ですから。
「史上最強の移動遊園地 DREAMS COME TRUE WONDERLAND」が開催される4年に1度について、こんな風に分析していたとは。そもそも「ドリームズカムトゥルー」も含めたプロジェクトが「吉田が作品を作り続けられる状況を維持するための装置」であったならば、過去のメンバー脱退など、全く心配いらないことだったのですね。
特にドリカムのような、音楽業界が潤っていた時代にキャリアを積ませていただいたアーティストには、音楽文化を支えているプロの方々の仕事を絶えさせない義務もあると思っています。
ここ数年はCDビジネスでは利益が出ていない状況であるにも関わらず、音楽が作られていく状況がこのように語られています。
「ドリカムが好き」という人は少なくても、「ドリカムの“この曲”が好き」という人が毎回たくさん現れ、入れ替わり立ち替わり来てくれるからこそドームツアーもできるんだと思いますし、今回のベストアルバムもまさにその市場に刺さったんですよ。
翻ってブログはどうかと考えると、似たような状況があるのかな、とも思います。ソーシャルブックマークやソーシャルメディアで記事単位に分解され、それが流通していく現実があるわけですから。「あのブログが面白い」ではなく「あの記事がおもしろい」という時代です。
それでも。
吉田の詩こそ、後世に残すべき価値のあるもので、その点では、僕自身のメロディーなんてどうでもいいとさえ思っている。
そんな風に、ブログに綴られる文字もなれるように。ネタフルを読むといつものメロディーを想像してもらえるように、歌うように記事は書き続けたいものです。