AMNスポンサーも始まった映画「遠くの空に消えた」ですが、以前から別件でお声がけ頂いていたこともあり、六本木ミッドタウンで行われた試写会に参加してきました。
※ストーリー等は『遠くの空に消えた』公式サイトでご確認ください。
先に書いてしまいますが、ぼくはテレビドラマとか見ない方です。連続してみるのも大変なのですが、何よりフィクションがあまり好きではないのです。
だから今回の映画も誘って貰ったのはいいけれど、苦手なタイプの映画だったら困るな、と思っていたのが正直なところでした。
始まる前に頂いたパンフレットを開くと、次のように書いてありました。
「知ってるかい?
蜂は航空力学的に言えば、
飛べる構造じゃないらしいんだ。
なのに、実際は飛んでるだろ。
何故だと思う?
蜂は飛ぼうと思ったから
飛べたんだ。
信じることで願いが叶う、
人はそれを、奇跡と呼ぶんだ。」
劇中でのセリフですが、パフンレットで見た瞬間に「苦手なタイプかも‥‥」と思ってしまいました。
しかも上映時間は144分です。およそ2時間半。親子で見る映画にしては、少し長いと思いました。
上映開始直後も、この思いは変わりませんでした。なんとなく予定調和な雰囲気を感じ、ますます「苦手なタイプかも」という思いを強くしてしまったのです。
しかし、物語が進むにつれて、どんどんと自分が引き込まれていくのが分かりました。
主に子供たちが主人公になっているパート、そして大人たちが中心に物語が進むパートがあるのですが、時には自分の子供時代を思い出しつつ、時には自分の子供に思いを馳せつつ、「生きるってなんなのだろう」などと考えながら、すっかり感情移入してしまっていたのです。
これには自分も驚きました。物語はあくまでもフィクションです。内容的には「えー、そんなのあり?」と思う人もいるかもしれません。が、それも含めて、ぼくは自然に受け止めることができました。
親子で参加できるブロガー向けの試写会があることは事前に知っていたので、これを果たして、子供と見るならば、何歳くらいだったらいいのか、なんてことも考えていたのですが、これは‥‥
大人向けのファンタジーなんじゃないでしょうか?
もちろん子供が見ても感じるところはあると思いますが、大人が見てかつてを振り返り、そして今の自分を見つめるという、絵本のようなファンタジーなのではないかと思いました。
「遠くの空に消えた」には神木隆之介をはじめとして話題の子役が登場するのですが、特にささの友間は良かったですね。1980年代が舞台と思いましたが、純朴な少年として心に響きました。
テレビドラマを見ないのであまり俳優さんには詳しくないのですが、他にも、
・小日向文世
・長塚圭史
がすごく良かったです。本当にもう、演技に見えなかった。そこにいても不思議ではない気がしました。
もろもろ確認しようと思い『遠くの空に消えた』公式サイトを開いたら、劇中のBGMが流れてきて、いろいろな思いがフィードバックして切なくなったりして‥‥というように、実は劇中に流れる音楽も大きなポイントだったりします。良いですよ。
知り合いから「この映画どうだった?」と聞かれたら「観てみるといいよ」とお勧めしたい映画です。
良かったけれど、気づいた点もあったのでいくつか(ネタバレする可能性アリですのでご注意を)。
・最後、亮介が村を立ち去るシーンで知らない女性が登場した
公平が亮介を見送るシーン、公平の父親、母親と並んで物語には登場していなかった女性が登場していました。
正確には結婚式のシーンにも出てきたのですが、物語には絡んでいない割にはしっかりと映っていて、その度に「この人は誰なんだろう?」と思ってしまったので、ちょっと残念でした。
編集している中で、かなりのシーンが割り引かれているはずで、最初の物語には登場していたけれど後からカットされた役なのではないかと思いながら観ていたのですが、どうなんでしょうか。
そういう意味では‥‥
結婚式のシーンで公平の母親がウェディングドレスを着ているのを見て、父親が自分の席から乗り出そう‥‥としたけれど場面転換してしまうところとか、本来はあったはずのシーンがカットされることで、「おっと、そうはならないのかよ」みたいなツッコミを入れてしまった場面転換がいくつかありました。
とはいえ細かいところですし、長い物語を編集していくとこういうのも仕方ないと思いますので、気にし過ぎかもしれませんが。
しかしそういうことを差し引いて、十分に良い映画だと思います。心に残るというか、引っかかり続けるというか。あの後、みんなどうなったんでしょうね。
映画の内容とは関係ないですが、舞台となっている馬酔村(もちろん架空の村)の村長さんが「Twitter」しているらしいですよ。Twitter / tosoraを見たら「神木君、ほそっ!!」って誰なんだ、村長。