【NET Marketing Forum】「我々のマーケティングは宣伝,広告から離れることから始まった」–ネスレコンフェクショナリーの高岡社長という記事より。
2008年6月17日,ウェスティンホテル東京(東京都目黒区)で開催されているNET Marketing Forum Spring 2008ではネスレコンフェクショナリー代表取締役社長の高岡浩三氏が「キットカット受験キャンペーンの軌跡」と題した基調講演を行った
「キットカット=きっと勝つと」という話を目にしたことがある人も多いのではないかと思いますが、もともとは九州から始まったもので、ネスレ自体もその理由をよく分かっていなかったのです。
これを契機にお客様の声を調べたところ,大多数ではないものの,毎年,受験生や受験生の親がキットカットを買っていることが判明。
「マーケティングの怠慢以外なにものでもなかった」として、さらにブランドを成長させるために「広く信仰されていることを,ニュースとして広めたいと考えた」のだとか。
ホテルに宿泊した受験生に、ドアマンからキットカットと満開の桜の絵はがきを手渡してもらうという施策をしたところ、これが好評。
現在では300以上のホテルが、自主的にキットカットと満開の桜の絵はがきを配っているのだそうです。
そして最後の一言が。
「(消費者の)経験をブランドのあるニュースに仕立て,パブリシティにして人々の心に浸透させる」(高岡氏)というブランドの作り方は,一方向のマスマーケティングでは難しいとし,消費者と双方向にやり取りできるネットマーケティングしかなし得ないとした。
確かに、何らかの形で企業と消費者がコミュニケーションを取れれば、そのこと自体も体験になります。
一方的な押しつけではなく、消費者の体験も、ニュースになり得るということですね。そのことを知るためにも、よりコミュニケーションが重要である、と。
「作り手側の宣伝,広告から離れることから始まった」というのが前提だそうですが、ブログリレーションなどを経験すると、宣伝や広告ではなく、コミュニケーションや関係構築なんだなと確かに実感します。