ネットスケープから10年 – 頑固一徹のCraigslistという記事より。
彼は、90年代後半のこの地の異常なまでの興奮、高揚感にも全く巻き込まれず、会社を一気に巨大化することにも株式公開にも興味を示さず、バブル崩壊後の混迷とも無縁に、ただ淡々と、Craigslistの更新を続けていたのである。
ネットスケープのダウンロードが開始されてから10年、「インターネット10年」みたいな特集記事がネット上を溢れることになるだろうという予想で振り返った10年の記憶から、Craigslistというサイトが紹介されています。
その名の通りCraigさんが運営するサイトで、イーベイ、人気コミュニティサイトの株式25%を取得――地域サービスに進出によれば、次のように紹介されているそうです。
1995年創業のCraigslistは、45の都市向けにさまざまな情報を提供するコミュニティサイトで、必要最低限の機能だけを備えた飾り気のないページデザインが特徴だ。網羅されている情報の範囲は、アパートの空き状況やデートの相手探し、野球観戦チケットなど多岐にわたる。同Webサイトは、オンラインで売買を行うユーザーの間で大人気を博しつつあるが、バナー広告のないシンプルなページデザインは創業以来変わっていない。
本当に飾り気のないページ。とにかくただコツコツと、情報を集積することに命をかけるCraigさんに、似たような作業を毎日続けるものとしては共感を覚えずにはおられません。
Craigslistは未公開企業なので財務状況の詳細はわからないが、売上高は1000万ドル程度で、ちゃんと利益も出ている。社員は14人。Craigと彼の右腕の他、あとはプログラマーが7人、カスタマーサービスが3人、アカウンティングが2人というおそろしく小さな所帯だ。
恐らく最初は一人で始めたであろうサービスが、徐々にスタッフが増え、ついにはきちんと売上、利益を出すまでに成長していきつつも、その小ささを守り通しているというのは凄いことだと思います。きっと、いろいろな誘惑があったんだと思いますが。小さいのが良いのか、大きいのが良いのか分かりませんが、自分のスタンスを崩さずに、コツコツと続けているところが凄いことなんだと思います。
Craigは朝から晩まで、経営というよりも、自らサイトの更新に勤しんでいる様子だ。この記事には、Craig NewmarkがPCに向かって没頭している写真も掲載されているが、写真は雄弁である。
まさに、CraigslistはCraigさんそのもの、なのかもしれませんね。
日本でも、一人でコツコツと更新を続ける人たちに、幸せが訪れることを願って止みません。