東京の離島を数多く旅してきましたが、その交通手段のほとんどは船でした。島の形状や東京からの距離などもあり、飛行機が就航していても乗客20名程度の小型のものがメインの東京の離島の中で、八丈島は羽田空港からANAが就航しています。東京からの距離は287km、所要時間も55分、1日に3便の往復があり、短期の観光で訪れる離島としては絶好の環境となっています。
観光の見どころは絶景の自然と絶景の温泉です。島の東西に八丈富士と三原山があり、初心者でも気軽に絶景の登山・トレッキングを楽しむことができます。山登りの後は温泉です。温泉施設も多く料金も安いため、温泉のはしごもオススメです。八丈島歴史民俗資料館にいけば八丈島に縄文人がいたことや、戦時中の興味深い展示を見ることができます。個人的にも非常に興味深いものでした。
早朝の便で旅立ち、翌日の最終便で戻れば週末の土日でも十分に堪能できる東京の離島、八丈島です。冬でも温かい「常春の島」の絶景旅はいかがでしょうか? 今回の旅のテーマは「絶景」です!
#東京都の多摩・島しょ魅力発信事業の一環で八丈島を旅したレポート記事です。
今回の旅の行程は1泊2日です。このレポートでは1日目をまとめます。
羽田空港からANAで八丈島へ
羽田空港からは7時30分発の便に搭乗します。国内線のため30〜40分くらい前に到着していれば安心でしょう。ただ朝の時間帯は何が起こるか分からないため、浦和から5時台のリムジンバスに乗って羽田空港に向かいました。到着したのは6時30分なので余裕がありました。
飛行機で約1時間で行けるというのは旅行者にとっても魅力的です。それもあってか平日の早朝の便ですが、旅行客も多くほぼ満席でした。
離陸から20分ほどするとドリンクが配られ、飲み終わる頃には着陸態勢に入るというやや慌ただしい飛行機旅ですが、それだけ八丈島が近いということでもあります。これ以上、近いと、ジェット機を就航させるのも難しいのでしょう。
八丈島空港の滑走路は2,000mです。後から分かったのですが、もともとは旧海軍飛行場として誕生したそうです。軍事用だったため、平地の良い場所にドカンと長い距離を確保できたのでしょうね。
今回は強風のため着陸を一回だけやり直しましたが、無事に着陸。レンタカー会社の方が空港まで迎えに来て下さっており、すぐに行動開始です!
どこの離島もそうですが、天候が悪化する可能性があるので、交通手段としてはレンタカーを借りておくのが安心と思います。特に短期の旅の場合はそうですね。
ちなみに八丈島空港を訪れるのは2回目です。1回目は青ヶ島へ向かうヘリコプターの乗り換えに利用しました。
登龍峠(のぼりょうとうげ)
クネクネした峠道を登って辿り着いたのが「登龍峠」です。「のぼりょうとうげ」と読みます。天に登る龍のようなつづら折りの急な坂だったことから「登龍峠」と呼ばれます。
「登龍峠」に立つと、八丈富士、八丈小島、八丈島市街地などを望む絶景を拝むことができます。八丈島はひょうたん型の火山島で、目の前に見える八丈富士はひょうたんの一つ。1707年が最後の噴火です。
「登龍峠」のある一帯は「登龍園地」と呼ばれ、島内で唯一の新東京百景に選ばれています。「登龍園地」はもうひとつのひょうたんである三原山にあります。三原山は約3,700年前にカルデラが形成されたと考えられるそうです。
伊豆諸島は約200万年前からの火山活動によってできた火山島群です。
みはらしの湯
八丈島には足湯も含めて7つの温泉がありますが、絶景の温泉といったら「みはらしの湯」です。八丈島の中心部からは最も離れたところに位置しています。
男湯と女湯は偶数日と奇数日で入れ替わるので、完璧に堪能するなら1泊2日したら両方の日に訪れるのが正解です。大人(中学生以上)は500円、子供は200円。利用日に限り4つの町営温泉を巡ることができる温泉1日周遊券もあるので、温泉巡りが目当てならこちらがオススメです。大人(中学生以上)は600円、子供は200円です。
内風呂も広いですが、やはり見どころは絶景の露天風呂です。
どうだー!
眼下には海が広がり、目の前には八丈島の大自然が迫ります。湯温もさほど熱くなく、のんびりと長時間をここで過ごせそうでした。潮騒を聞きながら、海風を頬に受け、最高の露天風呂です。
その素晴らしさは、2015年にトリップアドバイザーの日帰り温泉&スパ部門で日本全国5位になっていることからも分かるでしょう。この「みはらしの湯」に入るために八丈島に来るという人も相当数いるのではないでしょうか。
名古の展望台
断崖絶壁に設けられた絶景の展望台が「名古の展望台」です。
駐車場にクルマを停め、少し歩くと展望台が現れます。
八丈島の唯一のサーフィンスポットである汐間海岸のある方角も目の前がひらけて絶景です。汐間温泉も湧出しており、サーファーにも人気とのことです。
八丈島の最南端に位置し、名月鑑賞に最適の場所として八丈八景にも選ばれているそう。
みはらし台へ向かう途中にあったフリー焼酎システムの稼働しているところに出くわしたかったです。これはとんでもないアイデアですよ。
裏見ヶ滝温泉
八丈島の絶景温泉、2ヶ所目は「裏見ヶ滝温泉」です。山を少し登ったところに「裏見ヶ滝」があり、その下流に位置することから「裏見ヶ滝温泉」と名付けられているのでしょう。
「裏見ヶ滝温泉」は男女混浴の露天風呂で、水着着用が必要です。水着を忘れないようにしましょうね!
駐車場から20段ほど階段を下ると‥‥。
朝の光の射し込む露天風呂!!!
完全に自然といったいの露天風呂です。眼下は渓流で、そのせせらぎの音を聞きながらの露天風呂タイム。絶景すぎるでしょ‥‥!?
「裏見ヶ滝温泉」は無料で入浴できます。
裏見ヶ滝
「裏見ヶ滝温泉」の名前の由来にもなっている「裏見ヶ滝」は、道を挟んだところに入口があります。
ちょっとしたハイキング気分で整備された山道を歩いていくこと、10分くらいでしょうか。滝が見えてきます。
「裏見ヶ滝」の名前の通り、裏側から絶景の滝を見ることができます。
天然のシャワーです!(濡れないけど!)
日光の加減によりますが、お昼くらいに訪れたら滝に虹が見える絶好のタイミングでした。ぐるっと回って歩いて戻って30分くらいでしょうか。ひと汗かいてからの露天風呂という流れでも良いかもしれませんねぇ。
大坂トンネルの展望
ここは八丈島の中心部から南端へ向かう大きな橋にある絶景スポットです。もともとは山肌だった場所に巨大な橋がかけられトンネルへと続きます。そのトンネルの手前から見える絶景が「大坂トンネルの展望」です。
目の前を遮るものがなにもないという意味では「大坂トンネルの展望」は八丈島の中でもかなりの絶景ポイントだと思います。しかもクルマでも気軽にアクセスできますし、レンタル自転車で訪れている人もいるくらいでした。
夕日が沈むところも目の前に見えるので、八丈島で夕日撮影をしたい人ならば、ここは一度は訪れておくと価値のあるところです。
名代 一休庵
ランチで訪れたのは「名代 一休庵」です。広い駐車場のある、あしたばそば・あしたばうどんのお店です。1人でも訪れやすいカウンター席に2人掛けの席に、ファミリーや団体向けの座敷席があります。
どんなメニューがあるのかなとめくると‥‥。
飛び込んできたのは!
・とんかつうどん(950円)
・カツカレーうどん(950円)
の2つのメニュー。ヤバい。うどんにとんかつときたか‥‥しかもカレーまでチョイスできると!?
しばし悩むも、カレーうどんにすると全てカレー味になってしまうと思い、とんかつうどんにしました。
5分ほどして、とんかつうどんの登場です。あしたばの天ぷらも食べられて幸せ〜。
じんわりと出汁のしみたとんかつがいい!
明日葉色の手打ちうどんも、もちもちして美味しゅうございました。
後からお店の方に伺ったところ、ダントツの人気はカツカレーうどんなのだそう。そ、そうだったのかー! また八丈島を訪れないといけないな、そう心に誓うのでありました。
八丈富士ふれあい牧場
八丈富士の中腹にある島内唯一の牧場が「八丈富士ふれあい牧場」です。「八丈富士ふれあい牧場」の広さは447ヘクタールで、八丈富士牧野のうち一般公開された部分が「八丈富士ふれあい牧場」です。
「八丈富士ふれあい牧場」で主に飼育されているのは一般に黒毛和牛と呼ばれる肉用牛です。
八丈島では古くから荷物の運搬や交通の手段として、牛が多く飼われていたのだそうです。大正時代に酪農の島として最盛期を迎え、戦後は自動車が牛に変わり、牛を飼う農家は減り続けているということです。
「八丈富士ふれあい牧場」から振り返ると八丈富士の山頂が見えます。
八丈島空港も一望することができるので、飛行機の離発着のタイミングに「八丈富士ふれあい牧場」にやってくるのも飛行機好きには楽しそうです。
夕日ヶ丘
南原千畳岩海岸からほど近いところに「夕日ヶ丘」という夕日スポットを発見しました。八丈小島のよく見える絶壁です。
八丈島の観光地には地点標が割り当てられているので「75」を探すと「夕日ヶ丘」です。
実際に夕日の時間帯に戻ってみたのですが、なかなか良い夕日が撮影できました。もう少し雲がなかったら‥‥さらに良い夕日になったのでしょうね、きっと!
ちなみに「夕日ヶ丘」をネットで検索しても、あまり情報がないんですよね。秘密の絶景スポットだったりして!?
南原千畳岩海岸
「南原千畳岩海岸」は、八丈島を代表する絶景の海岸です。八丈富士の噴火が繰り返され、その都度吐き出された溶岩が作り出した景観です。八丈富士は1606年の噴火を最後に休火山となっています。
長さ500m、幅100mの範囲に、黒々とした玄武岩が広がっています。網目状になっていたり、玄武岩の特徴である柱状節理が見られます。
「南原千畳岩海岸」から眺める夕暮れの八丈小島の景色も絶景です。
八丈ビューホテル
宿泊したのは八丈島の高台にある「八丈ビューホテル」です。中心部との移動はタクシー利用になるので、ホテルでゆっくりしたい、食事はホテルで楽しみたいという人にオススメです。
部屋は和室でした。布団は自分で敷くスタイル。
一通りのアメニティは揃い、部屋にユニットバスもあります。ただ、大浴場があるので入浴はそちらがオススメですね。
浴衣にタオル類。
個人的に感心したのが、赤ちゃん用のアイテムの準備が良いのですよ。ベビーベッド、ベビー布団などの貸し出しの他、おむつの販売などもあります。
キッズソファーや乳幼児用のボディソープまであり、これなら乳幼児用のファミリーも安心して宿泊することができます。オススメです。
食事はレストランでいただきます。
メインディッシュは島寿司でした。明日葉などもあり、八丈島らしい夕食です。
生ビールを呑みながら美味しく頂きました!
デザートも南の島らしくトロピカルフルーツでした。ドラゴンフルーツ、パパイヤ、マンゴーが揃い踏み、これまた嬉しいですねぇ!
本格焼酎BAR スマイル
八丈ビューホテルで食事を終え、少し飲み足りないな‥‥そんな時にどうしたら良いかというと、自動販売機で缶ビールなどを購入するのも良いのですが、地下に「本格焼酎BAR スマイル」があります。
「本格焼酎BAR スマイル」は島内唯一の焼酎バーで、八丈島の四大酒蔵で造られる焼酎だけでなく、他の島の焼酎も取り揃えられています。
チャージ500円、焼酎は1杯600円〜、営業時間は19時30分〜23時(ラストオーダー22時30分)です。
八丈島の「情け嶋(麦)」と、新島の「嶋自慢(麦)」を、そしてラストに八丈島の焼酎に戻り「八重椿(麦・さつま芋)」を頂きました。八丈島の焼酎の特徴はブレンドが多いことですね。島で島酒を呑むひとときが最高に幸せです。
>>東京都 八丈島 宿泊施設:八丈ビューホテル |【公式】TOP
八丈島の一日目
八丈島の年間平均気温は18.7度と温暖です。11月ですが昼間は歩いていると汗ばむほどで、Tシャツになっても良いくらいでした。ただ、風が強いのも八丈島の特徴でもあるので、防寒対策は大事になります。ウィンドブレーカーなど小さく折り畳め、いざという時に羽織れるものがあると便利です。
人口は約7,300人。特産品はくさや、明日葉、焼酎、黄八丈、フェニックス・ロベレニー、フリージア、パッションフルーツ、島寿司。
八丈島の一日目は絶景と温泉で暮れてゆきました‥‥。
>>八丈島観光協会 | ようこそ八丈島へ!八丈島観光協会では皆様のお越しをお待ちしています
>>羽田空港から飛行機で1時間かからず飛べる東京都の離島・八丈島の旅 #tamashima #hachijojima – Togetter