ビッグコミックオリジナルに「蔵人」という日本酒をテーマにしたマンガが連載されているのですが、そこに出てくるのが「生もと」です。
「夏子の酒」で純米酒を取り上げた尾瀬あきらが、「蔵人」で「生もと(生モト)」の話を書いています。
「夏子の酒」のモデルになった「亀の尾」で作られた日本酒だからということで飲ませてもらった「清泉(きよいずみ)」がうまかったのなんの。すっきりと飲める日本酒があることを初めて知りました。
そして「蔵人」で「生もと」です。
やけに美味しそうに見えるので、これはいつか飲んでみないといけないと思っていたのですが、先日、イオンの酒屋を見ていたら冷蔵品の中に高清水の生もとがあるのを見つけて即買いしてみました。
栓を開けて一口。
うまい‥‥。日本酒特有のというか、アルコールぽさが全くないのです。水のごとし。純米吟醸も癖がなくて美味しいと思うのですが、より癖がない感じでしょうか。
ちなみに中一日を置いて飲んでみたところ、実はアルコールぽさが出てきていました。冷蔵も必要だし、生だけに、そういうものなのでしょうか。それとも、この「生酛」特有のものなのか。
これはもっといろいろな生酛を飲んでみないといけない気がしてきました。
ちなみに、購入した高清水の生酛は、720mlで1,300円くらいだったので、安くはないですね。
「生酛(きもと)」というのはよくわかる日本酒用語ミニ知識によると、
お酒造りの工程で、麹(こうじ)が、お米に含まれるでんぷんを甘い糖分に変えます。その糖分の液に酵母(イースト)を加えるとアルコール発酵してお酒になります。実はこのときタンクは開放状態にしておきますが、その状態で雑菌を混じらせずなるべく純粋に日本酒酵母を増やすのは非常に難しいことなのです。これは「お酒の『酛(もと)』をつくる」と言い、お酒造りにとって、大変重要な工程です。
ということで、この「酛」を作る中でも手間のかかる方法のようです。
大変な重労働である山卸(やまおろし)という作業を廃したのが「山廃仕込み」などと呼ばれ、さらには「速醸酛(そくじょうもと)」という合理化した方法も作られたのだとか。
あえて手間のかかる作り方をしているのが「生酛」ということなのですね。