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みなさんは自分が子供の頃に読んでいた本を、どのくらい残しているでしょうか?
けっこう古本屋に売ってしまったものもあるのですが、マンガが好きだったので、小学生〜中学生くらいの頃に集めていたものはそれなりに残っています。他にも絶対に手放せなかった本というのがあって、特にこの4冊がその後の自分の人生を大きく左右したバイブルとして手元にあります。繰り返し繰り返し、繰り返し繰り返し、憧れを抱きながら穴が空くほどに読みました。
本棚を整理していて久しぶりに読み返しました。せっかくなので、30年以上前に書かれたプログラミングやパソコン通信の本がどんなものだったか、紹介しますね。
はるみのゲームライブラリー
発行は昭和57年12月15日(1982年)。ぼくが10歳の時に購入した書籍です。当時は小学生で英語がよく分からないた、ずっと「ライブリー」だと勘違いしていたのは余談。
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はるみさんという女性が執筆したNECのパソコンPC-6001向けのプログラミングの本です。プログラミングというか、プログラムがたくさん載った本です。
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記号ばっかりのゲーム画面‥‥でも、こういうの眺めながら、たくましい想像力で記号をロケットとかに見立てることができたんですよね、あの頃。
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建て替える前の自宅の2階の勉強部屋で入力したの、よーく覚えてます、このゲーム。入力? なんでゲームを入力?
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ゲームは買ってくるだけでなく、自分の手で入力する時代でもあったんですねぇ。今ならスキャンしてコピペでしょうか‥‥って、そもそもプログラムを紙に印刷しないですね。
これを保存するにはデータレコーダーというのがあり、カセットテープにジーゴロゴロと音声で記録したもんです。
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だから、専用カセットテープなんてものも発売されていました。プログラムをカセットテープから読み込むんですね。
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そして、何が驚いたって、当時、高橋はるみさんが女子高生だったということ。驚愕。女子高生がパソコンのプログラムの本を執筆していたなんて。
コンポラ先生のらくちんパソコン入門
発行は昭和59年12月15日(1984年)です。ぼくは12歳でした。この頃は既にパソコンは手にしていて、パソコン通信とかポケコンに興味を持っていた頃です。
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この近未来的な拍子にゾクゾクしたもんです。驚くのは「少年マガジン特別編集」の文字。マガジンですよ!? コロコロコミックではPC-8001推しをしていた時代があるので、恐らくマンガ家がパソコンに興味を持って編集部に、というパターンがあったのでしょうね。コンポラ先生は、恐らく少年マガジンで連載されていたマンガだと思います。
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力技だと思ったのは、8機種対応のプログラムが載っていたことです。MSX、S1、X1、FM-NEW7、PC-8801 mkII、PC-8001 mkII、PC-6601、PC-6001 mkIIと並びます。今だとMacかWindowsかという世界ですが、こんなに多種多様なパソコンが販売されていた時代があったのです。
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武田鉄矢がマスコットキャラクターを務めたPC-6001 mkIIです。当時はそんな風には思わなかったですが、どことなくApple IIぽくも見えるなぁ。
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我が愛器、PC-6601。初めて購入した(正確には購入してもらった)パソコンです。小学5年生でした。六本木パソコンと呼ばれていた、しゃべるパソコンです。フロッピーディスクドライブを搭載。
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シャープのX1。パソコンテレビと呼ばれていました。父の実家(群馬)で購入していたので、少しだけ触りました。
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S1は日立のパソコンです。日立がパソコンを作っていたの!? とちょっと驚きますよね。
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パソコンが持ち運べるのは夢のまた夢の様な時代でしたから、キャリングタイプのパソコンにも憧れました。ナショナルのキングコングはいとこが持っていました。
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プログラムもたっぷり8機種分。この本に関しては「日本で1冊しか残っていないんじゃないか!?」と思ったのですが、どこかの誰かも大事に保管しているでしょうか。
パソコンを手にする前の夏休みは、10時になると決まって浦和駅西口のコルソにあったラオックスのパソコンコーナーに通い、そこで次作のプログラムを入力する毎日でした。
実践!パソコン通信
発行は昭和61年4月25日(1986年)です。ひとしきりパソコンで遊んだ後は同じ階にある書店、須原屋に向かいパソコンの本を読み漁っていたのですが、専門書のコーナーで見つけたパソコン通信の本に脳天唐竹割りされました。
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すがやみつる著の「実践!パソコン通信」です。
そもそも、なぜパソコンに興味を持ったのか? それはコロコロコミックで「ゲームセンターあらし」を連載していたすがやみつる先生が、コロコロコミックの巻頭でPC-8001を紹介していたのを読み興味を持ったのがきっかけなんです。
そして今度はパソコン通信です。ぼくの人生において二度までも、大きな大きな大きな大きな影響力を及ぼした人、それがすがやみつる先生です。
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それはもう、驚きましたよ。パソコンを電話回線に繋いで、離れている人と通信ができるとか、どんな世界なのかと。
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公文俊平先生の名前が出ているのも、目ざとく見つけました。
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もうやる。絶対にバソコン通信をやると思ったのですが、当時はどうやってパソコン通信を始めればいいのか分からなかったですし、PC-6601ではパソコン通信をする環境は整っていなかったんです。
すがやみつるのすぐできるパソコン通信
時を同じくして、MSX2のパソコンをお年玉で購入しました。そしてまたもや、すがやみつる著の「すがやみつるのすぐできるパソコン通信」に出会います。1986年9月8日発行。中学2年生の時でした。
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あ、MSXでもパソコン通信ができそうだ、と気づくんですね。
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憧れに憧れましたよ、パソコン通信少年の一日。
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この頃になると、モデムも登場してきます。「漢字ROM内蔵なら漢字も読める」というのが、時代を感じさせます。
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「通信プログラムを作ろう」というのも凄いですよね。なんでも自分で作る時代!?
この頃に購入したMSXの雑誌で、MSX専用のパソコン通信ネットワークLINKSというのがあるのを知り、親に内緒で勝手に専用モデムを注文し、後から怒られて返却したのも今ではいい思い出です。
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インターネットという形でですが、地球が狭くなるのは実現しましたね。
ぼくの人生はいつも、すがやみつる。
改めて自分の人生を振り返ると、ターニングポイントはいつもすがやみつる先生でした。パソコンを買った、パソコン通信を知った、この2つがなければ間違いなく今のぼくはいないのです。インターネットを始めることになったのも、パソコン通信で知り合った人たちがきっかけでしたから。
他にもいくつか懐かしい本はあるのですが、ぼくの幼いころに大きな影響を及ぼした、手放すことができない4冊ということでご紹介させて頂きました!