ミュージシャンの佐野元春氏が、新しいアルバム「COYOTE」の発売に際してApple Store銀座で開催するイベントに、ブロガーを招待するということで、幸運にもお声がけを頂きました。
幸いなことにWiFiが利用できたので、イベントの内容は「Moto Sano talks about the music of COYOTE」Apple Store銀座というエントリーでほぼリアルタイムで更新しました。
どんなトークイベントだったかを詳しく知りたい人は↑のエントリーをご覧ください。
さて、イベントに参加させて頂いた感想としては、佐野元春氏は素でカッコイイんだなぁ、という、なんというかファン丸出しな感想で申し訳ないのですが、本当に一挙手一投足がカッコイイのです。
そしてサービス精神も旺盛。今回はファンとの距離も非常に近かったということもあったのか、「もう終わりでいいの?」と言いながら、随分と時間を押しながら、数々の質問に答えていました。
恐らくスタッフはやきもきしていたのではないでしょうか。
ぼくが初めてちゃんと佐野元春の音楽を聴いたのは十代の頃で、当時知り合った年上の友人が、いつもカーステレオで「Someday」をかけていたんです。
夜中、横浜へクルマを走らせながら、やがて大黒ふ頭へ。クルマを降りれば大合唱。「Someday」を聴くと、今でも助手席で見ていた、後ろへ流れる街灯が思い出されます。
とかなんとか、佐野元春氏を目の前にしながら、思い出がフラッシュバックしていたのでした。
佐野さんはDRMについても重要なことを語っていました。
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ス これから音楽の形態は変わると思いますか?
サ もちろん。売り方、届け方も変えていっていいと思います。世界中でどこでも世界のポップミュージックが買えるようになってほしい。DRMはなくなった方がいいと思う。リスナーを疑っている。
ス 佐野さんがリスナーを信頼して?
サ 信頼というよりは昔はそうだったから。楽天的というよりは、人を信じてる。運営の立場だけど、もうちょっと単価を高く売りたいな(笑)DRMなしでいいから。これまではぼくとリスナーの間にいろいろな人がいた。それは不平はないけれど、新しい時代に突入して、新しい関係を探求してみたいな、と思う。
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ミュージシャンとリスナーがダイレクトに繋がる世界。これって例えば、メーカーがブログでユーザと繋がるのと似ていますね。
リスナーを信じる、フラットな世界。
佐野元春というミュージシャンの、本音に触れられて嬉しい瞬間でした。
あと、ものすごく刺激を受けたのは、年下のミュージシャンたちと真摯に向き合い、バンドとして音楽を作り出すことにチャレンジしているところ。
ともすればぼくは、一人でブログを更新し続けることにこだわりすぎるあまり、もしかすると何かのチャンスを逃しているのかも、と思いました。
誰かと何かを共同で作り出すのは大変なことが多いけれど、それを乗り越えてこそつかみ取れる一体感もありますよね。それがバンドでありチームであると。
継続していくことも大切だけど、チャレンジも大切だということを、改めて思い出させてくれた夜でした。
佐野元春というミュージシャンが、同じ空間にいたなんて、今となっては夢のようです。でも確かに、あれは現実でした。自分がトークをしない時はいつも横を向いている、シャイな佐野元春がそこにはいました。
追記:佐野元春オフィシャルサイトでは「COYOTE – Apple Store Ginzaイベント 大盛況 – Moto’s Web Server」と紹介されています。
アルバム発売前日ならではの高揚感に包まれたイベントとなりました。DaisyMusicでは、今回初の試みとして、このトークイベントのブロガー記者の方々による取材を企画。