AF高速化＆手の平サイズに驚く！「EOS M2」ブロガーミーティングレポート

キヤノンマーケティングジャパン主催の「EOS M2」ブロガーミーティングに参加してきました。普段は「EOS Kiss X7」を使いつつ、でもミラーレス一眼にもずっと興味を持ち続けているので「EOS M2」は是非とも触ってみたい製品でした。「EOS M」の後継機となる「EOS M2」はどんな製品に仕上がっているのでしょうか！？

「EOS M2」の進化の特徴

AFが高速化＆エリア拡大

今回の新製品である「EOS M2」の最大の進化の特徴は、AF高速化とWiFi搭載だそうです。特に「EOS M」で満足度の低かったと言われるAFスピードに関しては、大きく改善されています。

AFの進化は高速化＆エリア拡大が行われています。

高速化：ファームウェアアップデートした「EOS M」が初期の2.3倍になり、さらにそこから2.3倍高速化したのが「EOS M2」。

AFエリアが拡大：速くなったAFを広く使える。

速くなったものが広く使えるということで「EOS M2」はかなり快適になっています。これに関しては、キヤノンのサイトでも動画が公開されています。

「EOS M」ユーザであれば、シュッとAFが高速化しているのが分かると思います。ぼくは「EOS Kiss X7」を使っているのですが、同等もしくはそれ以上に高速なのでは、と感じました。

「EOS M2」はWiFiを内蔵

キヤノンのWiFi内蔵デジカメの最初は6Dでした。70Dが第2世代となり、エントリークラスとしては「EOS M2」が初めてWiFi搭載するモデルとなります。

「EOS Remote」アプリがバージョンアップし、マニュアルフォーカスが可能、exif情報付きの画像の転送が可能となりました。「EOS M2」は、旅先などでバッテリ消費を減らすために、ブラックアウトする仕様になっているそうです。

「EOS M2」はより小型化

「EOS M2」のデザインは、様々なデザインを検討したものの、最終的には変わらないことを良しとして「EOS M」を継承するデザインとなったそうです。

「EOS M2」パンケーキレンズで撮影

ただし、中身は見直され、ユニットモジュールが小型化、-24g、横幅は3.7mm小さくなっています。CMOSパッケージも小型化されたのだとか。

「EOS M2」の性能

連写性能は4.6コマ/秒になっています。もう少しで高速連写を謳うことが出来る5コマ/秒です。サーボAF使用時は、ピントが合うとAF枠が青くなって分かりやすくなっているそうです。

モードダイヤルも進化しました。

1 簡単撮影モード（10個のシーン撮影が可能）
2 応用撮影モード（P/Tv/Av/M）

「EOS M」では撮影モードのタッチ操作が必要だったものを、初心者・上級者で使いやすくしています。初心者には難しいものは見えないようにして、上級者には上級者モードしか見えないように、つまりみんなが迷いにくくなっています。

クリエイティブオートには「ぼかしシミュレーション」という機能があるのですが、これは初心者が美しいと感じる写真がボケ味のある写真ということに起因した機能です。確かに、一眼レフらしい写真として分かりやすいのは被写界深度の浅い写真です。

「EOS MOVIE」には、ミニチュア撮影、3倍〜10倍のデジタルズームといった新しい機能が搭載されています。ハードウェア的には、内蔵ステレオマイクが前面に位置するようになったそうです（前モデルでは構え方によって指で塞がってしまう位置だった）。

「EOS M2」用レンズの特徴

「EOS M2」用レンズは3ラインナップが揃いました。18-55mmの標準ズームレンズ、22mmのパンケーキレンズ、11-22mmの広角レンズです。

お話を伺っていると「せっかくレンズ交換式のデジカメを購入したのだからレンズ交換をしてみて欲しい」という思いがひしひしと伝わってきました。

EF-M22mm F2 STM
・パンケーキレンズ
・15cmまで寄れる
・あえてパンケーキレンズを同梱している、小型のボディに小型のレンズを楽しんで欲しい

EF-M11-22mm F4-5.6IS STM
・小型で高機能
・広角レンズで小さいのが特徴
・15cmまで寄れる
・このレンズが欲しいがためにMを買う人もいる（レンズありきでボディを買う）

「EOS M2」の製品ラインナップとしては、ボディのみ、レンズキット、ダブルレンズキット、トリプルレンズキットとなります。レンズキット以上にはスピードライトが同梱、ダブルレンズキット以上にはマウントアダプターが同梱されます。

一眼レフを購入する人が交換レンズを購入するパターンというのは、標準ズームから単焦点レンズに目覚め、そこから望遠レンズまたは広角レンズに目覚めていく、というのが多いのではないかと思います。

「EOS M2」のレンズには望遠レンズがありません。というのも、ターゲットは窓の水滴を撮影するような、つまり身近な日常を撮影するカメラ女子が意識されているようです。日常やショートトリップを撮影するには、極端なズームではなく広角レンズの方が使い勝手がいいでしょう。

ちょっと値が張りますが、将来的なレンズ拡張も考え、マウントアダプターもついてくるトリプルレンズキットを購入するのが正解なのかな、という気がします。確かに広角レンズって、面白いんですよ！　パンケーキレンズもそうですが、15cmまで寄れるというのも楽しいと思いますよ。

「EOS M2」は将来的にどうなる？

最後の質疑応答では、興味深い質問が出ました。一つは「EOS Kiss X7」との差別化です。これに関しては明確で、子供をかわいく撮りたいのであれば「EOS Kiss」シリーズを、水滴のような身近なものを撮影したいのであれば「EOS M2」を、とのことでした。

「EOS M2」パンケーキレンズで撮影

レンズのラインナップからしても、望遠レンズがないですから「EOS M2」を購入したままだと運動会や学芸会用途には向いていないのですね。そのためマウントアダプターですが。

また、中級者以上くらいになるとレンズのロードマップも気になると思いますが、これに関しては「将来の製品に関してはノーコメント」としつつ「とりあえず3本目は出ました」という答えになりました。察して、ということかな？

「EOS M2」撮影体験会

最後に別室で「EOS M2」での撮影体験会が開催されたのですが、とにかく驚いたのはその小ささです。ちゃんと「EOS M」を見ていなかったということもあるのですが、これには本当に驚きました。

箱を開けると、充電器くらいしか見当たらないんですよ。あれー、本体はどこかな？　と思ったら！　あなた！　その充電器らしきものが「EOS M2」の本体だったんですよ！

完全に手の平サイズで「コンデジじゃないの！？」というサイズ感でした。

「EOS Kiss X7」の充電器と撮影してみましたが、いかに「EOS M2」が小さいかが分かるかというものです。

「EOS M2」パンケーキレンズで撮影

「EOS M」と「EOS M2」のAFスピードの比較体験も用意されていましたが、パシャと撮影が終わるM2に対して、画面がブラックアウトするMはパシャ、ン、という感じで、時間がかかることが感じられました。

「EOS M2」パンケーキレンズで撮影

一眼レフを使い慣れた身からすると、当然、モードダイヤルの数とか物足りなさは感じるのですが、この小ささ、AFスピードは魅力的です。激しく魅力的です。もはや、レンズ交換のできるコンデジ、といっても間違いないサイズ感です。

「EOS M2」パンケーキレンズで撮影

「EOS Kiss X7」だって小さいと思っていたのですが「EOS M2」を見ると「どうしちゃったんだ、この小ささは」と思います。そこに来て、AFが高速化し、普段使いのミラーレス一眼としては全く問題のないレベルに昇華したのではないでしょうか。

「EOS M2」パンケーキレンズで撮影

レンズ交換のデジカメ入門編としては、この「EOS M2」は最適解の一つだと思います。トリプルレンズキットの10万オーバーは高いと感じるかもしれませんが、レンズ3本付きですからね。11-22mmのレンズなんて、それだけで5万円以上はすると思いますから、パンケーキレンズも併せてレンズ分は元が取れるでしょう。

「EOS M2」パンケーキレンズで撮影