「今週、妻が浮気します」の舞台裏

Q&Aコミュニティが単行本化「今週、妻が浮気します」〜担当編集者とコミュニティ運営者に制作舞台裏を聞くという記事より。

まず伺ったのは制作のきっかけ。山本氏によればやはり「電車男」という存在が出発点の一つとしてあるという。「『電車男』を手に取った時の衝撃は非常に大きかった。ページを捲ったときもBBSそのままのデザイン。これが本として成立するのか」と感じ、新しい本の可能性として心に引っかかっていたという。

なぜ、Q&AコミュニティサイトからQ&Aにあまり関係ない書籍が? という感じもしていたのですが、編集を担当した中央公論新社の山本氏とgooを運営するNTTレゾナントのポータル事業本部田畑氏に、その舞台裏を聞くというインタビュー記事です。

きっかけとして「電車男」があり、 「そんな中でたまたまQ&Aコミュニティで面白い書き込みがあることを知った。内容的にも、結婚されている人なら誰の心にもリアルに迫るものがあると思い、さっそく(出版の)企画をした。」(山本氏)そうです。ただんに面白いから、ということではなく、

Q&Aコミュニティにおける閲覧数は『ライフ』という生活情報・人生相談カテゴリに含まれる18万件近い質問投稿で最高3位を記録。また、田畑氏によると「ひとつの質問に対する回答数はサイト全体を平均すると3.3件」なのに対して、111件におよぶ書き込みが約2週間に渡って続けられたといい、質問者・回答者双方を巻き込んでの盛り上がりが大きかった点も明かす。

と、このような裏付けもあったそうです。2週間程度に100件程度の回答がつくこと自体が、外部の人間からするとどういうことか分からなくて、むしろ「電車男」に比べると少ないと思っていたのですが、場のパワーは非常にあったということなんですね。

“Webっぽさ”を表現するために、ほかにも細かな配慮をしたという。商業出版の分野では「・・・」「。。。」などの表記は、通常「……」(三点リーダー2倍)に校正によって統一されるが、この本では書き込まれた状態のまま残した。全般的に校正については、句読点や改行の挿入、明らかな誤記の修正など最低限に止めた。

フォントも「MSゴシック」を採用するといった配慮がなされたそうです。

「ひとつの投稿に対する反応という形で進んでいくWebコミュニケーションの性質上、ひとつの投稿でも、削除してしまうと話がぷっつり切れてしまう。ストーリー性の保持などの観点から、最終的には納得していただけた」という形で、全てのユーザに連絡をし、書籍化の同意を得たそうです。これも大変だ。

では今後、このような“ネット発”の書籍は一般化していくのだろうか。ブログが出版化されたケースもすでにある。山本氏は「今までは原稿を出版社に持ち込んで、たまたま編集者が気に入ったら本になるということしかなかった。ブログなどの登場によって、質の良い著者が現われる可能性はある」と語る。

確かにきっかけは増えていくと思われますね。

今週、妻が浮気します

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