ブログマーケティングはもう終わりだ

うわっ、すいません! すごい釣りっぽいタイトルつけちゃいました。すいませんすいません。ということで、メディア・パブ: ネット・クチコミの担い手,主役がブログからツイッターへというエントリーです。

でも今年の夏あたりから急に変わってきた。ネットバイラルの世界でもTwitterが影響力を発揮し始めたのだ。そこでバイラル度の計数でTwitter投稿数(つぶやき数)も加えることになった。最近のランキング(たとえば最近30日間や最近7日間のランキング)で上位に選ばれたビデオを調べてみると,Twitterの投稿件数がブログよりも圧倒的に多くなってきている。

ネットでのクチコミの主役が、ブログからツイッターの移ろうとしている、というお話。

確かに、ツイッターでの情報伝播のスピードは速いです。引きが強いものであれば、あっという間に数件〜十数件のRT(ReTweet)がされることも珍しくはないでしょう。

このあたりの様子というのは「ReTweeter」や「ツイブ(Twib)」で観測できます。

RTされた先には、それぞれフォロワーがぶら下がっている訳ですから、積み重ねていくとけっこうな数の人の目に触れている可能性は十分にあります。

最近はネタフルへのリファラ(アクセス参照元)も、RSSリーダと並んでツイッター経由が増えてきています。そういう意味では、ツイッターの影響力というのが大きくなりつつあると感じています。

ただし、ツイッターの特性として「瞬間(瞬刊)メディア」であることを忘れてはいけないと思っています。

えふしんさんも次のようなエントリーを書いています。

F’s Garage:twitterの「つぶやき」の有効期間は2分

1度のつぶやきに書いたURLの有効期間は、2分ちょっと。その時間を超えると勢いは止まる。

これはぼくも実感してまして、ツイッターへのつぶやきが生きている時間は本当に短いように思います。

これは当然、タイムラインから流れてしまえば、あえて過去をさかのぼっていくような使い方をする人が少ないからでしょう。

しかし、ツイッターの使い方としては、それはそれで良いと思いますから「瞬間(瞬刊)メディア」であると理解した使い方が必要になるのでしょう。

メルマガの有効期間ってせいぜい3日以内ぐらいだと思うけど、基本的な考え方は同じ。メルマガよりも圧倒的にリアルタイムで、かつ、狭いのがツイッターの特徴ではないだろうか。

情報が伝播していくスピードは圧倒的だけれど、その情報が生きる時間、そして範囲が広くなるかどうかはネタ次第、というところなのでしょうね。

ネタがよければ、話題が広がっていくのはツイッターに限ったことではないですが、手軽にRTできるのでブログよりも広がりやすいのは確かです。

そして、ブログですが、よく言われることですが、

・ツイッターはフロー
・ブログはストック

ということを考えるに、それぞれの役目が変わっていくのだろう、とぼくは思っています。

例えば、Pay Per Postのように大量にモノを配ってブログに書いてもらう手法は、最近では見かけなくなった気がするのですが、ぼくの観測範囲だけでしょうか。

ステルスマーケティングはもっての他ですが、自分の観測範囲に大量に同じネタが現れると、確かに一瞬にぎわっているように見えますが、すぐに違和感を覚えます。

この数年で、ブログを書いたり読んでいる人はそういうことを学習して「モノを大量に配ってにぎわい感を見せる」というのは、あまり通用しなくなったのかもしれません。

そういう意味では「モノをたくさん配るブログマーケティング」は終わった、と言って良いかもしれません。

これから重要になるのは、そしてブログマーケティングを実践してきた企業が気づいたのは、やはり量より質という、基本的なことなのではないでしょうか。

ブログに書いてもらってにぎわいを見せるというよりは、企業とブロガーのコミュニケーションであったり、アーカイブとしてストックされて検索エンジンで検索されたり、ブログとブロガーのできることろ、得意なことはそちらなのだと思います。

ブログのPVが月間数十万とか数百万とか決して必要な訳でなくて、どんな書き手か、どういうことを書くか、が重要になるはずです。

そして一方で、クチコミの担い手としてツイッターが登場してきた訳ですね。拙著「クチコミの技術」でも書いたように、あくまでも大切なのは「ネタ」ですが、その伝播速度を加速させるツールです。

ソーシャルマーケティングというとちょっとこそばゆいですが、これからネットマーケティングをしていく上で大切なのは、

・どんな書き手であり
・どんなことをブログに書き
・どんな風につぶやいているか

になるように思いますという当たり前の結論で申し訳ありません。コンテナー(入れ物)は変わるけれど、コンテンツ(人)は変わらないっていう話ですね。

で、ブログマーケティングが終わるのかどうかという話は、これまでのものが終わって、新しいものが始まるのだな、という気がしています。「ブログマーケティング」とだけ括れないかもしれませんね。仕組みとか関係性とかツールとか。

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