ベンチャービジネスとスモールビジネス

梅田氏のブログベンチャービジネスとスモールビジネスの大きな違いでネタフルからのトラックバックを取り上げて頂きました。

9月10日の「ネットスケープから10年 – 頑固一徹のCraigslist」でご紹介したCraig Newmark。彼の生き方、彼のスタイルを題材に、今日はスモールビジネスについて考えてみたいと思う。

ネットスケープから10年 – 頑固一徹のCraigslistというエントリーに対して、淡々と更新する「Craigslist」というエントリーでトラックバックさせて頂いたのですが、簡単に説明すると、

90年代後半のこの地の異常なまでの興奮、高揚感にも全く巻き込まれず、会社を一気に巨大化することにも株式公開にも興味を示さず、バブル崩壊後の混迷とも無縁に、ただ淡々と、Craigslistの更新を続けていた

Craigさん凄いですね、スタンスを崩さずにコツコツと続けていくことは実は凄いことなのでは、という内容でした。そして梅田氏自身の経験を振り返りつつ、ベンチャー経営者とスモールビジネスオーナーの違いについて述べられています。

「小さくても、自分が最も得意とすること、自分が楽しんで仕事ができて、長続きできそうなところ」をスモールビジネスとしています。急激な成長を望むベンチャー経営者的な立場もあれば、当然のことながらこうしたスモールビジネスの立場もある訳で、自分の立ち位置はどちらだろうと考えた時に、明らかにスモールビジネスであることに気づきました。そういう部分で、「Craigslist」に非常に共感を覚えていたんだと、改めて感じました。

ネタフルもある意味、スモールビジネスと言えばそうですが、共同作業で続けていくというのはちょっと想像がつきません。かつては共同でウェブサイトを更新したりメールマガジンを発刊したことがありますが、ペースやモチベーションの足並みを揃えて保ち続けていく困難さを痛感しました。そういう原体験が、一人でコツコツと更新作業を続けるという孤独な方向に向かわせるのかもしれません。

唯一の問題は、スモールビジネス・オーナーが、自らをスモールビジネス・オーナーと自覚せずに、ベンチャー経営者だと勘違いして、ベンチャーの流儀で「夢」などを語って、人やカネを集めることだ。そして、当然の約束としてexitを期待した人から見て「リビング・デッド(生ける屍)」になっても、知らん顔をすることである。それじゃあ、間違ってカネを出した人と、間違って就職してしまった人が気の毒だ。そこを自戒しさえすれば、スモールビジネス万歳、なのである。

スモールビジネスのつもりが、どこかでレールがすげ変わってしまい‥‥というのは日本ではよくある話かもしれません。

ナノパブリッシングと言われて久しいですが、個人が情報発信をしつつ生計を立てられ、それがスモールビジネスとして成立する時代に片足突っ込んでいるような気がします。そして改めて考えると、自分自身はスモールビジネスというよりは、さらに職人チックな方向に進んでいきそうな予感がします。ネタ職人。ヘイ、お待ち!