蘇るPHS事業 水を得たWILLCOMの本気というコラム。
しかしPHSの未来が暗いわけではない。それは先日、音声定額サービスの発表を行なったWILLCOM(ウィルコム)の勢いの良さを見ればわかるだろう。昨年、KDDIグループから解放されたことで、旧DDIポケット、現WILLCOMは水を得た魚のように自由に弾けている。これまでの抑圧された状況から脱した事で、社内的にもこれまで抑え込まれてきた様々なアイディアが飛び交っているという。
ドコモがPHSから撤退するけれど、PHSの将来が暗いかと言えば決してそうではなく、WILLCOMでは様々なアイデアが飛び交っているし、MVNOという新しいビジネスモデルを掲げた日本通信がヘラクレスへ上場するなど、PHS業界が元気になりつつある、という記事。
それでもPHSから携帯電話に移行するユーザーが絶えなかったのは、音声端末のラインナップがあまりに少ないからだろう。WILLCOM関係者に話を聞いても、音声端末に関してはこれまで色好い返事がなかなか返ってこなかった。携帯電話ほど大きな出荷ボリュームを期待できない市場に対しては、端末メーカー自身もコミットしにくいからだ。
そうなんです。どうしても携帯電話の後追いのような形になってしまい、端末が貧弱だったのがこれまでのPHSでした。しかしここに来て「最近のPHSの国際化がWILLCOMの後押しをしている」ということで、中国市場の伸びが著しく、端末メーカーも新規機種の開発が行いやすくなってきているそうです。
加えて同社には、ジャケットフォンという新しいアイディアもある。これは十分に小型化が進んだPHSの基本機能を「Radio SIM(R-SIM)」というSDカードより一回り大きい程度の小型カードデバイスとしてまとめ、それをジャケット型の電話機に装着して利用するというもの。
個人的には、このジャケットフォンに期待しています。外側を着替えることができるアイデアは、電話機だけでない広がりがあり、例えば「PC向けアダプタが提供されれば、1契約回線で場面ごとにR-SIMを差し替えて使うといったメリット」があるなど、なかなか面白いと思います。