2018年は低予算の「カメ止め」がヒットし2019年は予算潤沢な「全裸監督」がヒットの兆し

2018年は低予算の「カメ止め」がヒットし2019年は予算潤沢な「全裸監督」がヒットの兆し

半年ほど前から「Netflix」の体験モニターをさせて頂いており、ちょこちょことアニメなどを観てはいたのですが、ブログに「Netflix」の番組のことを書くのは初めてのことです。

並行してAmazonプライムビデオも観ており、割りとアニメに関してはそちらでも間に合ってしまうことが多く、絶対に「Netflix」がないと困るという事態を体験していなかったからなのですが、Netflix発のオリジナルドラマとなると話が違ってきます。

日本発世界公開の「全裸監督」は、けっこうヤバいです。

「全裸監督」は、バブル時代に名を馳せたAV監督・村西とおるの半生を描いた物語です。

それだけに人目のあるところで観るのが憚られるシーンのヤバさもありますが、コンテンツとしてヤバいです。脚本がよくできていますし、村西とおる役の山田孝之の演技もヤバい。セットもヤバい。音楽もヤバい。とにかくヤバい。

これどうしてこんなヤバいことになっているかというと、しっかりお金と時間をかけて作っているからという、当たり前のような理由です。

『全裸監督』武正晴総監督、Netflixの制作スタイルに感じた日本映画黄金時代で次のように語られています。

今回、脚本からセット作りに至るまで、あらゆる作業に手間と時間をかけることができた。そこにもしっかり予算が組まれている。今の日本の映像業界はお金をかけないことに走り過ぎてしまい、情けないことにNetflixのやり方が特別なことだと感じてしまったほど。

「日本映画の黄金時代の技術を伝承してきたスタッフが勢揃い」して撮影されたそうで、何から何まで隙がない感じはヒシヒシと伝わってきます。納得です。

お金をかけない制作に慣れてしまったのかどうか分かりませんが「全裸監督」を観ていると、いちいち心のなかで「ゴージャスですね〜」みたいなことをつぶやいてしまうわけです。

とはいえ無い袖は振れない。日本の黄金期のような制作方法をを取り戻したのが「お金に糸目をつけないNetflixスタイル」だったわけです。

村西とおる役で主演した山田孝之は「ネットフリックスに人が集まって当然だと思います。見る側も作る側も」と語っています。

「ただただ楽しかった。今までで一番楽しい現場だったと思います。撮影が終わるのが嫌でしたし、ここまでスタッフやキャストが一つになったのは初めて経験でした。それに、全員が全力で楽しんで、ひとときもブレーキを踏まない感覚が、気持ちよかった」

独占のオリジナルドラマを作るというのは、アメリカのケーブルテレビなども実践していた方法ですが、ネット配信の「Netflix」がそこで存在感や力を持っているというのが、時代が変化したことを示しているのでしょうね。

ネット配信となれば国の枠組みがなくなり、全世界配信もしやすいです。元から「全裸監督」のように、世界配信を視野にして多くの視聴者をターゲットにすることができます=たくさんの人に売れます。

周囲の人もかなりの数の人が「全裸監督」を観ており、その評判も上々です。良い作品であれば、みんなSNSで語りたくなるのですよね。しばしば「全裸監督」の話題を目にします。

扱っている内容がアダルトからビジネスまで振れ幅が大きい分、作品としての面白さが際立っているように感じます。色物のように見えてしまうのですが、その実、描かれているのは本質的なビジネスの話でもあったりするのですよね。

とかなんとか色々と考えている時に、そういえば2018年は低予算の「カメラを止めるな!」がヒットしたなぁ、なんて思い返したわけです。

低予算でヒット作をつくるとなると、アイデアが重要になります。個人に依存するところが大きいので、再現性があるかどうかというと、なかなか難しいところがあると思うんですよね。

ヒット作を繰り返し作っていくのであれば、やはり予算を贅沢にかけ、プロフェッショナルが一堂に会する「Netflix」のような制作方法が打率が高くなっていくのでしょう。

もちろん、そのためには予算が必要なので、鶏が先か卵が先か的な話にもなってくるとは思うのですが。

うだつの上がらない営業マンだった村西とおるが、営業のコツを掴んでメキメキと頭角を現していくストーリーも興味深いです。当時の裏の業界でのし上がっていく様も「こんなことがあったんだ」と勉強になりました。

Netflix」は30日間の無料体験ができるので、一気に「全裸監督」を観てしまうという手はありますよ。1話約50分で全8話です。