パナソニックが、完全子会社化した三洋の白物家電事業である洗濯機・冷蔵庫事業を、中国の家電大手ハイアールに売却することが明らかになりました。
パナソニック、三洋の白物家電事業売却へ 中国大手にという記事になっています。
パナソニックは、4月に完全子会社化した三洋電機の洗濯機と冷蔵庫事業を、中国の家電大手ハイアール(海爾集団)に売却する。三洋電機とハイアールが28日に基本合意を交わす予定で、同日夕にも発表する。
「懸案だったグループ内の重複事業の解消が最終段階に入る」ということですが、統合するのではなく、売却してしまうのですね。
売却するのは、三洋電機が日本と東南アジアに持つ洗濯機と冷蔵庫関連の子会社など10社程度。
記事によると、売上の合計は700億円程度で、売却額は100億円程度のようです。「国内では、洗濯機をつくる三洋アクア(大阪府守口市)、冷蔵庫を開発するハイアールとの合弁会社ハイアール三洋エレクトリック(東京都港区)など3社が対象」とのこと。
気になるのは社員がどうなるかですが、三洋の東京製作所などで働く国内外の約2,000人の従業員の多くがハイアールに移るようです。
ネタフルでは次のような記事を書いています。
▼パナソニック、三洋電機買収へ
▼パナソニック、三洋電機の子会社化を発表
▼「パナソニック」三洋電機子会社化を正式発表
▼パナソニックが三洋・パナソニック電工の完全子会社化で手に入れようとしたもの
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三洋の白物家電の国内拠点である「三洋電機コンシューマエレクトロニクス(三洋CE)(鳥取市)」は「ゴパン」など特長ある製品を製造しており、パナソニックグループで活用していく方針。今回の売却の対象にはなっていないが、9月末までに数百人規模の人員削減を行う方向で調整している。
パナソニックは12年1月に三洋との事業統合を控え、懸案だった重複事業を解消する。ハイアールは三洋の技術やブランドを活用してシェアが低かった日本などで事業を拡大する。
パナソニックグループの事業再編で最大の課題だった三洋との重複事業の解消は山を越える。これを機にパナソニックは三洋電機やパナソニック電工が強みを持つ環境事業へ経営資源をシフト。目標に掲げる「2018年に世界の電機業界でナンバーワンの環境革新企業」の実現を目指す。
パナソニックと三洋の事業再編をめぐっては、Xactiのように消えたものと、eneloopのように生き残ったもの、すでに別れ道が示されてきましたが、かなりの重複が予想された白物分野はそのまま他社へ売却という結末を迎えることになります。