ファイル交換とレコード業界の売上減少は無関係〜米経済学者が論文が発表されたそうです。
米国の2人の経済学者が、音楽のファイル交換とレコード業界の売上減少の関係について経験的な手法による分析を行なった結果を論文のドラフトとして公表し、話題を集めている。
「論文によると、ファイル交換がレコード業界の売上に与える影響は統計的にほとんど無視できるほど小さく、たとえ影響があったとしてもごくわずかであることが判明したという」という興味深い結果ですが、サンプルが世界中のインターネットによるダウンロードの0.01%ということで、サンプルの取り方やモデルの構築の仕方まで含めて、さらに分析される必要があるとのこと。しかしこのサンプルが問題ないとなれば、売上減少はファイル交換ではなく、レコード会社の売り方などにそもそもの問題があるということになり、レコード業界は混乱必至かもしれません。
逆に「メジャーレーベルから出される“スーパースター”のアルバムに関しては、ファイル交換は売上を減少させるどころかむしろポジティブな影響すら与えている」という指摘もされています。面白いのは、
レコード業界ではなく、社会全体の福祉を考えた場合、もしこの経験的な分析が正しいのであれば、ファイル交換は社会全体の福祉を向上させる可能性がある。ファイル交換が新しい音楽の創造コストにわずかな影響しか与えていないのであれば、社会全体としては音楽の消費量を増やしたと言え、多くの人が音楽を楽しむようになったと結論付けることができる。
という分析です。さらに、
現在は違法な著作物の再配布であっても、それが社会的な福祉を向上させるのであれば、著作権法が社会全体の福祉の足かせになってしまう。さらに続く研究により、新しい技術と新しい経済の時代により適した、社会全体の福祉を目指す著作権法が必要となるのかもしれない。
という結論が。ここが重要かもしれません。