クラブワールドカップの3位決定戦、浦和レッズはPKでアフリカ代表のエトワール・サヘルに勝利し、見事に世界3位になりました。
2007 FIFA Club World Cup final day
開始早々、坪井がPKを献上し先制されます。
その後35分、相馬のクロスをワシントンが頭で合わせて同点に。エトワール・サヘルのDF陣は大きい選手が揃っているので、ワシントンのヘディングは難しいと思っていましたが、ここしかないというところで決まりました。
1-1で前半を折り返し、後半25分。永井のFKに、再びワシントンが頭で合わせて逆転に成功。これが最後の試合となるワシントンが、ヘディングで2得点を決めます。
このまま試合終了まで持ちこたえるかと思いきや、フットボールは恐ろしい。
後半30分、都築がボールの処理をしようとかがみかけたところを、シェルミティに素早くさらわれ同点に追いつかれます。2-2に。
そして両チーム、追加点を加えられぬまま、PKに突入。
ここまでくれば、どちらが勝ってもおかしくない状況なのですが、なんとなく都築が止めてくれるのではないかという予感がありました。
その期待に応え、1本目からエトワール・サヘルを止めます。そして4本目。止めれば浦和レッズの勝利となる場面で、やはり都築は見事に決めてくれました。
試合終了後、エトワール・サヘルのFWシェルミティが涙を流していたことが、この3位決定戦の重要さを物語っていたのではないかと思います。
それぞれの大陸の予選を勝ち上がり、トーナメントでここまで進んでくるというのは、本当に並大抵のことではないのです。
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ワシントンは、得点時にユニフォームを脱ぎピッチに置き膝をつき、サポーターに向かって頭を下げていました。イエローカードをもらいましたが、それが彼の偽らざる気持ちだったのでしょう。試合終了後も顔を覆ったまま、しばらくうごくことができなくなっていました。
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勝利したことからも分かるように、アフリカ王者のエトワール・サヘルとは互角に戦うことができました。身体能力は高かったのですが、組織として対応できるということが分かりました。個の強さが、ACミランとは全く違いました。
今後、浦和レッズがクラブとして目指していくべきは、クラブワールドカップの決勝進出ということになります。そのためには、欧州チャンピオンもしくは南米チャンピオンを下さねばなりません。
そのためには、何が必要なのか?
もちろんJリーグでも優勝争いをしなくてはなりませんが、世界のトップを目指すという、クラブとしての目標が新たになった大会だったのではないでしょうか。
浦和レッズは、世界で3番目のクラブチームなのですから。
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ワシントンは今日、日本を離れます。これだけ浦和を愛し、そしてサポーターから愛された選手がクラブを離れるのは残念でなりません。
100%の気持ちで、そして力で、浦和のために尽くしてくれたからこそ、サポーターからも愛されました。2年間という短い期間ではありましたが、ワシントンには感謝の気持ちでいっぱいです。
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浦和レッズでプレーするならば、
浦和レッズを愛さなければならない。
浦和レッズを愛するならば、
100%プレーしなければならない。
ゼリコ・ペトロビッチ
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