
「You’ve Got Mail」AOLが、2025年9月30日をもって、ダイヤルアップインターネットの提供を終了すると発表していました。むしろ、まだダイヤルアップ接続を提供していたことに驚きです。
AOL、ダイヤルアップインターネットを終了へ
ダイヤルアップ接続は、モデムを使い電話をかけてインターネットを利用する方法です。インターネット黎明期の1990年代後半は、自宅からインターネットを利用する際のメインの手段でした。
受け手のISP(Internet Service Provider)も電話回線が必要なため、多くの人が利用していると繋がらないという事態に。特に23時から定額通話が可能になった「テレホーダイ」以降は、それが加速した記憶です。
日本では2001年に「Yahoo! BB」が開始し、駅前でモデムがばらまかれ、ADSLによる常時接続が当たり前の時代が到来しました。
今は光ファイバーによるインターネットが当たり前になっているので、まさか電話をかけてインターネットをする時代があったとは、当時を知らない人には想像がつかないかもしれません。
AOLは、そんなダイヤルアップサービスの先駆けの1つとして普及したサービスでした。
AppleInsiderがAOLの歴史をまとめているのですが、AOL自体は1983年にControl Video Corporationという名前で設立、その後、経営破綻して1985年にQuantum Computer Servicesとなり、1989年にAmerica Online(AOL)としてブランド名を変更したそう。
1995年には1,000万人に達していたAOLは買収を繰り返すなどして拡大。しかしやがて時代はブロードバンドに。それでも2015年のベライゾンによる買収当時でも、ダイヤルアップ加入者数は約200万人に達していたそうです。
2021年にアポロ・グローバル・マネジメントがベライゾンから資産を買収した際の報道によれば、ダイヤルアップ ユーザー数は数千人程度だったとのこと。この数千人のためにサービスが継続していたのだとすると、むしろ凄いことのようにも思えます。
AOLは定期的に製品とサービスを評価しており、ダイヤルアップインターネットの提供を終了することを決定したとしています。
2025年9月30日をもって、このサービスと関連ソフトウェア(古いオペレーティングシステムとダイヤルアップインターネット接続向けに最適化されているAOL DialerソフトウェアとAOL Shieldブラウザ)の提供が終了します。
AOLのメール着信音が「You’ve Got Mail」で、それが映画化もされたんですよね。そのくらい人気のあるサービスだったと。