AppleがiPhone用に自社製モデムを開発する理由

AppleがiPhone用に、Qualcommに代わる自社製モデムを開発しているという噂はかなり前からありますが、この理由を9to5Macが紹介していました。An Apple modem to replace Qualcomm chip isn't just about saving moneyという記事です。

The project to replace Qualcomm’s radio chip with an Apple modem is taking a huge amount of time and effort, and some have questioned whether that investment makes sense just to save a few dollars on the cost of an iPhone.

Appleが自社製モデムを開発する理由

QualcommのモデムをAppleが自社製に置き換えるプロジェクトは膨大な時間と労力を要しており、iPhoneの価格を数ドル節約するためだけにその投資が意味をなすのか疑問視する声もあります。

Appleがモデム開発を断念するのではないかという話も、これまでには出ていました。Appleは2019年にIntelのモデム部門を10億ドルで買収。17,000件以上の特許と2,200人以上のIntel社員を迎え入れたものの、依然として自社製の5Gモデムは完成しません。

モデム開発の難しさは、世界中の様々な環境でテストする必要があり、クリアすべき「標準」が膨大にあるからだと9to5Macは説明しています。もし、これが失敗すれば、Appleにとっては大きなスキャンダルになる、とも。

しかし、Appleがモデム開発をするのは数ドルを節約するためだけではなく、将来的にはWiFi、Bluetoothを1つのチップに組み込み、バッテリー寿命を向上させるメリットや、さらにSoC(システム・オン・チップ)に統合することで、さらなるコスト削減、スペース節約が見込まれるのだそう。

これはiPhoneのデザインにも影響を及ぼしますし、新機能が追加される余地も出てきます。Appleとしては長期的な視野に基づいて、モデム開発を諦めていないということですね。

AmazonでApple製品をチェック