浦和激震!首脳陣6人退団、福田コーチもという記事より。
ドイツ人指揮官は練習後「チーム作りの方針において(クラブ側と)まったく違う考えが生まれている」と話した。個の力に頼る従来のスタイルから、パスサッカーと若手の育成重視へと方針を転換した当時のフロントに請われ、09年、監督に就任。以降はブンデスリーガのハンブルガーSVやケルンなど欧州8クラブからのオファーをあえて断って、浦和での「改革」に取り組んできた。
浦和レッズ、フィンケ監督の退任は各方面に小さくない影響を与えているようです。もちろん、フィンケ監督の手腕に納得できない人もいたと思いますが、ぼくの観測範囲では「なぜ?」という声が大きいように思います。
だがこの2年で、埼玉スタジアムで1試合当たり約9000人以上の観客動員が減少。クラブ側は来季の人気回復への“即効薬”として、日本代表MF松井大輔(トム)ら人気選手の獲得へ動き始めたが、これを“後退”ととらえる指揮官と真っ向から対立した。
フィンケ監督のおかげで、サッカーを観る目を養ったサポーターも少なくないでしょうから、もし本当に松井の獲得に動いていたとしたら“後退”と捉えるサポーターもけっこういたのではないでしょうか。
サッカーに関しては素人の橋本社長が頼るとすれば、やはり自分が招聘している柱谷GMでしょう。そう考えると、フィンケ監督退任や補強についての一連の流れは、柱谷GMの意向が強く働いているのかな、と個人的には思っています。
されはさておき、現場の選手たちが最もフィンケサッカーの証言者であると思うのですが、原口元気は「良くなってきているのに、なんで辞めるのか分からない」と涙目で語ったということです。
柏木は「今を我慢すれば、いいサッカーになっていくのは全員が分かっている。スタイル自体が変わるなら、フロントに言いたいことがある」と口にしています。
ユースから加入して活躍の場を与えられた原口元気にとっては、サッカー理論も含めて大きな存在でしょうし、フィンケサッカーを体現するために移籍してきた柏木にしてみれば納得いかない面もあるでしょう。
橋本社長は「最後はお互いに契約を更新しないと決めた。その経過?説明する必要はない」と語っているようですが、その経過こそ、明らかにして欲しいところです。
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フィンケ監督は「日本での経験は多岐にわたり密度が濃く、エキサイティングでした。クラブと話し合い、別々の道を歩むことになりました。まだ、Jリーグホーム最終戦、そして天皇杯があります。最後までチーム一丸となって全力で闘っていきます」とコメントをした。
▼最後までフィンケ節「クラブは常に正しい。それが日本で学んだこと」
29日に今季限りでの退任が発表された浦和・フィンケ監督。2年間指揮を執った同氏は「2年前の練習はひどかったが、質は飛躍的に上がった」と自らの功績をアピールし「クラブは常に正しい。それが日本で学んだこと」と皮肉たっぷりに話した。
成績不振と人気低迷で指揮官の退任は既定路線だったが、クラブの象徴的存在である福田コーチも非情通告を受けた。現役時代から浦和一筋でミスターレッズの愛称を持つ功労者だが、橋本社長は「コーチに対して、そういう部分で意識はしていない」と説明した。
だが、言葉と裏腹にGKコーチを除いたコーチ陣の総入れ替えに「個々の理由はない。日本人の福田コーチ? 特別に意識はしていない」と不可解な説明。これに対しある主力選手は「方向性がチームとして定まっていない感じがして不安」と本音を漏らした。
浦和の橋本光夫社長は新監督について「今年中には決定する」とし、来季に向けて柱谷幸一ゼネラルマネジャーは続投させた上で「一部を除いて選手もほとんど継続しようと思っている」と説明した。