小惑星探査機「はやぶさ」が、無事に地球に帰還したのはみなさんご存知の通りです!
本当に地球に戻ってくるギリギリのところまで「はやぶさ、地球へ! 帰還カウントダウン」という特別サイトが立ち上がったり、ツイッターアカウント(@Hayabusa_JAXA)が開設されていることを知りませんでした。
しかし改めてよく見ると、実に上手に、なおかつ自然にソーシャルメディアを使っているな、と思いました。
特に、ツイッターアカウントは管制室の様子や「すばる望遠鏡」で観測されたこと、さらには金星に向かう「イカロス」(@ikaroskun)や「あかつき」(@Akatsuki_JAXA)とやりとりをしたり、「IES兄」がハブとなって効率的に情報を伝えています。
今回「はやぶさ」のおかげで身近に宇宙を感じることができました。
子どもの頃は宇宙飛行士になりたいとか、月に行きたいとか思っていたはずなのですが、いつからか宇宙は遠い存在になっていました。
そんな風に、遠くなってしまっていた宇宙を、また身近に感じさせてくれたのが「はやぶさ」です。
今回、残念ながらテレビ中継はありませんでしたが、もしかするとテレビでライブ映像を見ているだけだったら、こんなに感動しなかったかもしれません。
「はやぶさ」のつぶやきを読みながら、オーストラリアまで行ってしまった人たちの中継を見ながら、管制室の拍手に喜び、次々に届けられる「はやぶさ」大気圏突入の写真、さらには「はやぶさ」が最後に見た地球の姿など、自分で情報を探し、そして全方位からさまざまな情報が集まってきたからこそ“体験”し“共感”することができたのだと思いました。
逆に言えば、地上派に乗らないようなコンテンツでも、こうしてソーシャルメディアを駆使することで、十二分に体験することができる、ということが改めて証明されたのだと思います。
そして大切なことは「はやぶさ」で終わりではないということです。
せっかく「はやぶさ」が教えてくれた宇宙への関心を、後に続く「IKAROS」「あかつき」「みちびき」などに向けていく必要もあるのだと思います。
まずは今夜、改めて息子たちと「はやぶさ」が大気圏に突入する動画を改めて見たいと思います。
無事に、カプセルも発見されました。回収作業も行われています。
最後に、関係者のみなさんに敬意を表しつつ、関連記事をまとめておきます(大気圏突入時の様子や動画はコチラで)。
▼ついに地球にたどり着いた「はやぶさ」 – その7年間の旅の軌跡を振り返る
水平線に消える最後のコマンドを送信したのが22時27分、そして鹿児島局がはやぶさの最後の電波を受信したのが22時28分。この後、カプセルの地球再突入時刻である22時51分までの30分の間、リチウムイオン電池の寿命を向かえていたはやぶさは地球の影に入り、電力を失い、カプセルとともに地球に降下した。
▼祝帰還!「はやぶさ」7年50億kmのミッション完全解説【その1】
小惑星探査も、スターダストも持って行かれてしまった。それならもう、僕と、水谷仁さん(現ニュートン編集長)、上杉さん、川口さんと集まって、「小惑星探査、サンプルリターンをやりましょう。これしかないですね!」と。
はやぶさは、2003年5月に地球を出発。05年11月に地球から3億キロ・メートル離れた小惑星「イトカワ」に着陸し、砂などの採取を試みた。小惑星に軟着陸したのは、史上初だった。
「この計画は欧米と比べても背伸びした計画」。その一方で、世界初の偉業を「幸運」と言う。「神がかり的だった。今、こうして(成功の)会見の場にいることが夢のよう」とも話した。
はやぶさは同日午後7時51分、機体の前面から地球に向けてカプセルを放出後、底面にあるカメラを地球に向けようと、180度向きを変えた。姿勢制御用のエンジンはすべて故障しており、長距離航行用のイオンエンジンの推進剤を直接噴出して、機体を回転させる離れ業を再び演じた。
撮影を担当した宇宙機構の橋本樹明教授によると、2時間ほどかけてはやぶさの姿勢を整えて5、6枚を撮影。ほとんどが真っ黒な画面だったが、時間ぎりぎりの最後の1枚に地球の姿が残っていた。約30分後には大気圏に突入し、本体は燃え尽きたとみられる。
なにが大変だったか:通信が途絶して2か月近く苦しい運用があった。ほとんど終わりかけたプロジェクトだった。それを切り抜けられたとき。
イオンエンジンが寿命を迎えたときイオンエンジンチームがニコイチを提案してくれたこと
はやぶさは13日夜にカプセルを分離、本体は大気圏に突入して燃え尽きた。カプセルは午後10時51分、大気圏に突入し、ウーメラ地域に着陸。JAXA回収班がヘリコプターからカプセルを捜索し、13日午後11時56分、発見した。
カプセルが発信した電波信号やヘリコプターによる捜索などで着地を確認、カプセルを発見した。破損の有無など状態は不明。カプセルには小惑星「イトカワ」の土壌試料が入っている可能性があり、「月の石」以来となる他天体の地表試料回収に期待が高まった。
見つかったカプセルにイトカワの砂が入っていれば、月の石を持ち帰った旧ソ連のルナ計画、米国のアポロ計画、宇宙空間で彗星(すいせい)のチリを回収した米国の探査機に続く成功となる。
13日深夜に豪空軍のヘリコプターで確認した研究者らによると、もともと直径40センチだったカプセルは、断熱カバーが外れて直径約30センチになっていた。
現場は、豪空軍の実験場などがある立ち入り制限区域で、アボリジニーの聖地でもある。このため、豪州側がアボリジニーの代表とヘリに同乗し、現場を確認しながら、はやぶさとカプセルについて説明し、回収作業に着手する了解を得るという。
▼小惑星探査機「はやぶさ」 地球へ帰還 – 毎日jp(毎日新聞)
オーストラリア南部グレンダンボ近郊でとらえられた小惑星探査機「はやぶさ」の最後の軌跡。写真左下から右上に向かって、はやぶさ本体が分解しながら火の玉となって輝き、やがて消えた